「若すぎて脳が混乱」52歳"白髪"を武器にした理由

20代で「髪の半分以上が白髪」に, 「白髪」は病気の象徴のような存在だった, 「素敵な髪色ですね」と言われるように, しかし、ブリーチもできなくなってしまった, 52歳の今、人生で最も輝いている

可愛らしいヘアスタイルやファッションが支持されている姫さん、52歳(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

ポップでキュートな服装に、明るいグラデーションのヘアカラー。Instagramにアップされた写真やショート動画には「可愛すぎる!」「憧れしかない」といったコメントが多くついている。

【写真】「可愛すぎない?」「年齢に脳が混乱する…」52歳・姫さんの“白髪を生かしたヘア”とキュートなファッション

姫さん、52歳。その若々しさにも目を見張るが、お似合いのカラフルなヘアは、実は地毛の白髪を活かしたスタイルだというからさらに驚きだ。

20代から白髪に悩んでいたという姫さんは、自身のコンプレックスだった白髪を「隠す」ものから「魅せるもの」に変換。著書『52歳、今ようやく人生が始まるの』では、エイジングに悩む女性に勇気とおしゃれを楽しむ気持ちを伝えている。

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20代で「髪の半分以上が白髪」に

姫さんが注目を集めるようになったのは、49歳のときにInstagramで白髪であることをカミングアウトしてからだ。現在は17.9万人を超えるフォロワーを持ち、エイジングヘアに悩む女性たちから絶大な支持を受けている。

その反響について姫さんは振り返る。

「20代でパニック障害と不安障害になり、その影響で髪の半分以上が白髪になりました。それからずっと『病気である自分』を否定して生きてきたので、まさかそれが誰かの元気や希望になる日がくるとは思っていなかったですね」

20代で「髪の半分以上が白髪」に, 「白髪」は病気の象徴のような存在だった, 「素敵な髪色ですね」と言われるように, しかし、ブリーチもできなくなってしまった, 52歳の今、人生で最も輝いている

ブリーチしたようなきれいなヘアは実は白髪(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

投稿には「勇気をもらいました」「私も白髪を受け入れられそうです」といったコメントが数多く寄せられる。同世代の女性だけでなく、30代、40代からも共感の声が届くという。姫さんは1通1通に丁寧に返信し、ときには個別の相談にも応じている。

「皆さんの悩みを聞いていると、昔の自分と重なることが本当に多いんです。『老けて見える』『みすぼらしい』といった、白髪に対する世間からの視線、家族からの心ない言葉、職場での肩身の狭さ。私が経験した苦しみを、多くの女性が味わっているということを改めて実感しています」

姫さんはモデルとして活動していた時代もあった。短大時代に渋谷でスカウトされたのがきっかけだった。

「その頃は、生活も性格も今とはまるで違っていました。当時はオーディションも頑張って受けていました。松雪泰子さんを輩出した『MEN'S NON-NO ガールフレンド』の最終選考に残ったり、テレビのレギュラー番組やラジオ番組のパーソナリティーを務めさせてもらったりするなど、それなりに活動もしていました」

20代で「髪の半分以上が白髪」に, 「白髪」は病気の象徴のような存在だった, 「素敵な髪色ですね」と言われるように, しかし、ブリーチもできなくなってしまった, 52歳の今、人生で最も輝いている

20代の頃の姫さんと現在は夫となったパートナーとの2ショット。可愛らしい雰囲気は今と変わらない(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

「白髪」は病気の象徴のような存在だった

撮影現場では多くの人に囲まれ、華やかな世界に身を置いていた。しかし、次第に違和感を覚えるようになる。

「事務所との方針の違いや、自分が本当にやりたいこととの隔たりがだんだん大きくなり、モデル業を引退しました。これからは別の道を探そう、という時に、壮絶なイジメを受け、それが原因で病気になってしまったのです」

そこから人生は一変した。

「病気を患ってから20年以上、日常生活もままならない状態でした。とくに症状がひどかった30代は当時の記憶がほぼありません。外出もできず、人とのコミュニケーションも取れない。心身共に絶望的な状態の中、白髪になってしまったことでさらに追い打ちをかけられましたね」

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ガーリーはファッションにも唯一無二のセンスが光る(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

当時の姫さんにとって、白髪は病気の象徴のような存在だった。鏡を見るたびに、健康だった頃の自分との違いを痛感させられた。

「最初は美容室で白髪染めをしていました。でも月に1度では追いつかないほどのスピードで白髪が増えていく。美容室に頻繁に通うのも精神的に辛く、自宅でのセルフカラーが日常になりました」

しかし、頻繁な白髪染めは頭皮と髪に深刻なダメージを与えていた。40代になった頃には、頭皮が炎症を起こし、白髪染めができないほど痛んでしまったという。

「もう限界でした。美容師さんに相談したところ、『これ以上のカラーリングは危険』と言われて。どうしようもなくなって、残っていた黒髪も全て真っ白にブリーチして金髪にすることにしたんです」

もちろんブリーチも髪へのダメージはあるが、白髪染めを月に1度するよりも、白髪に合わせたカラーをすることで新たな白髪が生えてきたとしてもうまくぼやかせるので、その分レタッチをするまでの期間が長くなる。

20代で「髪の半分以上が白髪」に, 「白髪」は病気の象徴のような存在だった, 「素敵な髪色ですね」と言われるように, しかし、ブリーチもできなくなってしまった, 52歳の今、人生で最も輝いている

写真は、白髪をそのまま生かしている現在の姫さん。ブリーチしていた頃と同じようなスタイリングを楽しめている(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

「素敵な髪色ですね」と言われるように

そして、この決断が姫さんの人生に大きな転機をもたらすことになった。

「ブリーチをして金髪にした当初は鏡を見るのも嫌で、自分の姿をなかなか受け入れられませんでした。でもInstagramで『すごく似合っている』と言っていただいて。これまで白髪を隠すことばかり考えていたのに、初めて髪を褒められたんです」

金髪にしたことで、周囲の反応も劇的に変化した。街を歩けば「素敵な髪色ですね」と声をかけられ、友人からも「おしゃれ」と評価されるようになった。

「それまでは美容室でも『白髪を隠したい』としか言えませんでした。でも金髪にしてからは『今度はピンクのメッシュを入れてみたい』『グラデーションにしてみたい』と、初めて自分から提案できるようになったんです」

カラーのメッシュを入れ、ヘアスタイルを楽しめるようになったのもこの頃だ。髪に対する意識が「隠すもの」から「楽しむもの」へと変わった瞬間だった。

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年齢の概念を無力化するような存在感に憧れが集まっている。写真一番左が姫さん(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

金髪生活は約10年続いた。しかし、姫さんの心の中には常に後ろめたさがあった。

「『どうしたらこんなにきれいな金髪になれますか?』と聞かれる度に『本当は白髪だから』と言えず、後ろめたさを感じるようになって……。せっかく髪を褒めてもらえるようになったのに、素直に喜べない自分がいました」

しかし、ブリーチもできなくなってしまった

そんなとき、コロナ禍が終わって久しぶりに訪れた美容室で、衝撃的な事実を告げられる。

「ブリーチをした直後に髪の毛が半分以上切れてしまって……。その状態を見た美容師さんから『ブリーチはもう控えた方がいい』と言われました。その瞬間、今後はもう地毛の白髪で生きていくしかないと覚悟が決まったんです。本当は50歳という節目で打ち明けようと思っていた『地毛が白髪である』という真実を、1年前倒しにして告白しました」

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結婚して23年目を迎えた夫と。夫婦仲がよく、アラフィフ夫婦の日常をSNSで発信している(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

カミングアウト投稿には、予想を上回る反響があった。

「『ありのままでいいよ』という温かい声や、同じ悩みで苦しんでいる方から共感の言葉をいただいて、本当に打ち明けてよかったなと思います。中には『私も白髪染めをやめる勇気をもらいました』というメッセージもあって、涙が止まりませんでした」

特に印象的だったのは、30代の女性からのメッセージだった。

「『若白髪で悩んでいましたが、姫さんを見て白髪も素敵だと思えるようになりました』という言葉をいただいたとき、自分の経験が無駄ではなかったと感じました。苦しみながら白髪と向き合ってきた時間が、誰かの希望につながっているなんて」

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夏にはあまりにも可愛らしい水着ショットも話題となった(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

こうした経験を通じて、髪が自己肯定感に与える影響が非常に大きいことを姫さんは痛感したという。

「髪の状態は、心にも生き方にも影響するものだと思います。グレーヘアを楽しむ方々が増えてきたとはいえ、まだまだ白髪にはネガティブなイメージがある。特に女性にとって髪は重要な要素で、それが思うようにいかないと自信を失ってしまいがちです」

姫さん自身も白髪になった当初は、世間の目をいちばんに意識していた。

「染めないとみすぼらしいと言われ、白髪は隠さなくてはいけないものと思って生きてきました。でも今思えば、それは誰かが作ったルールにすぎなかった。なぜ白髪がダメで、染めた髪がいいのか。その根拠を深く考えたことはありませんでした」

現在、姫さんは定期的に美容室でカットとトリートメントを受け、白髪を活かしたスタイリングを楽しんでいる。時にはカラートリートメントでほんのり色味を加えることもある。

現在の姫さんにとって、ヘアは完全に自己表現の手段となった。

「そう思えるようになったのは、世間一般のルールではなく自分がどうしたいかが重要だと気づくことができたから。私の人生は私のもの。他人の評価に振り回される必要はないんです」

20代で「髪の半分以上が白髪」に, 「白髪」は病気の象徴のような存在だった, 「素敵な髪色ですね」と言われるように, しかし、ブリーチもできなくなってしまった, 52歳の今、人生で最も輝いている

自分の好きなヘアスタイルやファッションを楽しむ姫さんに、同世代だけでなく若年層からも支持が集まる(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

52歳の今、人生で最も輝いている

この境地に至るまでには、長い時間がかかった。パニック障害の症状も年々改善し、現在では日常生活に支障をきたすことはほとんどなくなった。

「コンプレックスを乗り越え、白髪の自分が好きだと心から言えるようになった今、毎日を心地よく過ごせるようになりました。

今は、人に見てもらえることも嬉しくて、『今日はどんなふうに見せようかな』と考える時間が、私の楽しみになっています。今日はどんなスタイリングにしようかなって」

姫さんは今後について、こう語る。

「感性が赴くまま、自分らしいヘアスタイルを楽しんでいきたいです。そして、私の発信を見て勇気を持ってくれる方がいる限り、ありのままの自分を伝え続けたいと思います」

20代で「髪の半分以上が白髪」に, 「白髪」は病気の象徴のような存在だった, 「素敵な髪色ですね」と言われるように, しかし、ブリーチもできなくなってしまった, 52歳の今、人生で最も輝いている

年齢で「好き」を諦めたくない、と姫さんは言う(写真:姫さんの公式Instagram @h_1515153より)

最近では、ヘアスタイルだけでなく、メイクやファッションについても発信の幅を広げている。エイジングを前向きにとらえ、年齢を重ねることの美しさを伝える姫さんの活動は、多くの女性にとって希望の光となっている。

52歳の今、姫さんは人生で最も輝いて見える。それは、長い苦しみの末に手に入れた、真の自己受容の美しさなのかもしれない。