餅はこれで選べ!「いつもの雑煮」格上げする極意

お正月といえば「おせち料理」が花形ですが、もともとは雑煮が主役。柚子の皮を添えると、ぐっと豪華に(写真:筆者撮影)
もち米100%の餅を使うのがおすすめ
クリスマスも終わり、世間はいよいよお正月モードです。お正月といえば、スーパーや百貨店、コンビニエンスストアなどでも購入できる「おせち料理」が花形ですが、もともとは雑煮が主役。おせちは雑煮に添えられた数品のつまみが江戸時代後期に発展したもの。逆にいえば、お雑煮さえ食べられれば形になるのです。
【写真deレシピ】“このマーク”を確認すれば一目瞭然! 雑煮の味を激変させる「餅」を見分けるポイントとは?
お雑煮に欠かせないのが餅。もち米を蒸して臼と杵でつくのも楽しいですが、最近は便利な切り餅を使うのが一般的です。
店頭に行くとさまざまな種類の切り餅が並んでいますが、目利きポイントは、原材料に「もち粉」ではなく「もち米」を使っていること。もち粉やデンプンなどを混ぜても餅はつくれますが、100%のもち米を使用している製品は食感がいいようです。
「国内産水稲もち米100%」を示すこちらのマークを参考にするのもいいでしょう。このマークは全国餅工業協同組合が与えているもので、もち粉ではなく、もち米が原材料。それも高品質な国産もち米を使っていることを示します。

切り餅は未開封であれば長期間保存できます(写真:筆者撮影)
お雑煮 材料 2人分
昆布 7〜12g
かつお節 7〜12g
水 700ml
しょうゆ 大さじ1
みりん 小さじ1
塩 ひとつまみ
〈具材〉
鶏もも肉 小2分の1枚(80〜100g程度)
小松菜 4分の1わ(50g)
にんじん 適量
大根 適量
切り餅 2個
年に1度のお正月ですから、昆布とかつお節でダシをひくところから始めましょう。とはいえ、一般的なだしパックと手間はそれほど変わりません。

700mlの水でダシをとると、出来上がりは600mlになります(写真:筆者撮影)
ダシの基本は昆布とかつお節。関東風はかつお節だけでダシをとりますが、昆布のグルタミン酸にかつお節のイノシン酸をかけ合わせることで、うま味を7〜8倍に感じる相乗効果といわれる現象が起きます。
人間の唾液にはグルタミン酸が含まれているので、イノシン酸だけを口に含んでもうま味を強く感じますが、世界に幾多ある食材の中でもトップクラスにグルタミン酸が含まれている昆布は最強のダシ食材です。
真昆布か羅臼昆布を使ってほしい理由
鍋に水を張り、昆布を入れ、10分以上戻します。昆布にはさまざまな種類がありますが、今回おすすめする昆布は真昆布、または羅臼昆布。どちらもうま味物質の量が多く、柔らかいのが特徴です。

前日から水に漬けておくと楽です(写真:筆者撮影)
乾物である昆布に水を含ませることで、効率的に風味を抽出できます。昆布が戻ったら中火にかけ、95〜97℃まで加熱します。60℃で1時間煮出すことで100%近いうま味物質を抽出することができますが、沸騰直前までの加熱でも8〜9割は味が出るので、こちらの方法を採用しています。
温度が上がったら昆布を取り出します。真昆布か羅臼昆布を使えば、お正月のおせち料理に欠かせない昆布巻きや煮物などにも使えるので、冷凍保存しておくといいでしょう。
かつお節を加え、弱火のまま2〜3分加熱します。

かつお節には荒節と本枯節がありますが、種類を問いません(写真:筆者撮影)
ザルに不織布タイプのキッチンペーパーを敷き、こし入れます。かつお節を絞ると苦味や渋味が出るといわれていますが、絞ってしまっても大きな問題はなく、出し殻を捨てるのが楽になります。また、ザルでこすだけでもいいのですが、不織布タイプのキッチンペーパーを敷くと、洗い物の手間も軽減できます。
雑煮を澄んだ味に仕上げるコツ
小松菜は軸の硬い部分を切り落とし、根本を流水で洗います。大根とにんじんは短冊などの薄切りにする手もありますが、せっかくのお正月なので丸く、形を整えましょう。これは日の出を意味する飾り切りの1つで、元日に食べるお雑煮にぴったりです。

型がない場合はいちょう切りでもいいでしょう(写真:筆者撮影)
鶏肉は一口大のそぎ切りにしましょう。
鍋に湯を沸かし、大根、にんじん、小松菜を入れ、1分30秒ゆでた後に冷水にとります。
同じ湯で鶏肉を湯に通し、同じように冷水で洗っておきます。これは霜降りといって、鶏肉の臭みを和らげ、澄んだ味に仕上げるテクニックです。普段の料理では省略することも多いですが、お正月くらいは丁寧な作業をすることを心がけると、普段とは違う「ハレ」の料理に仕上がります。
切り餅は半分に切り、フライパンに並べ、水大さじ1を加え、ふたをして中火にかけます。餅は蒸し焼きにすることで水分が戻り、ふっくらとした食感に仕上がります。
ふたの内側に蒸気がこもったら、2分加熱します。途中でSiセンサー(鍋の底面の温度が220℃に達することを知らせるセンサー)が働くと思うので、そうしたら火を弱火に落としましょう。

半分に切ることで加熱時間を短縮できます(写真:筆者撮影)
裏返してふたをし、もう2分加熱します。ちなみに、さきほどSiセンサーが働きましたが、鍋底の温度は220℃でも表面温度は180〜190℃くらいなので、フッ素樹脂加工が傷む心配はありません。
ただし、この方法だと餅に焦げ目がつかない、という弱点もあります。鉄のフライパンを使えば表面温度を220℃以上に上げられるので、中火で焦げ目がつくまで焼くと、さらにおいしく仕上がるでしょう。
盛り付けのルールは食材をそろえること
ゆでてから4cm長さに切った小松菜、大根、にんじん、霜降りした鶏肉をダシに加え、中火にかけます。沸いてきたら弱火に落とし、3〜4分煮ていきます。しょうゆ、みりん、塩で味を整えたら完成です。この段階で鍋の中身をかき混ぜないことがきれいに仕上げるコツです。
盛り付けのルールは食材をそろえることです。最初はお椀に具材だけを盛り付け、最後に汁を張るようにすると、きれいに盛り付けられます。

お椀が小さい場合は無理に全部盛り付けず、おかわりするようにしましょう(写真:筆者撮影)
柚子などがあれば、仕上げに添えましょう。これは天盛りと呼ばれるもので、普段は形にはこだわりませんが、お正月は松葉の形に切るのが定番。これだけでも雰囲気が出ます。
今回は鶏と小松菜を使った東京風のお雑煮のレシピを紹介しましたが、もちろんお雑煮は地域によってさまざま。それぞれの家庭の違いも楽しいものです。