国防の要・最新鋭イージス艦「まや」の中枢にテレビ初潜入!

国防の要・最新鋭イージス艦「まや」の中枢にテレビ初潜入!
1月23日(金)放送の『沸騰ワード10』では、8年越しの交渉を経て、最新鋭イージス艦「まや」への潜入が実現。その中枢・CIC(戦闘指揮所)にテレビ初潜入!
“自衛隊に取り憑かれた”カズレーザーが今回やってきたのは、横須賀駅から徒歩7分の海上自衛隊横須賀基地。米軍との敷地を含め、面積は東京ドーム約30個分に及ぶ。
様々な能力を備えた艦艇がある中で、国防の要と言われる最新鋭イージス艦「まや」。全長170m、高さはビル18階分にも相当する超ビッグサイズ。イージス艦の「イージス」という名は、ギリシャ神話に登場する「あらゆる邪気を払う盾」に由来するそう。
乗員数は約300名。まずは士官室で艦長に挨拶。士官室は、同盟国の高官など要人との打ち合わせに使われ、コーヒーを出すなどの給仕もすべて乗員が務める。
「まや」は、弾道ミサイル防衛の任務に就く艦。一発で国土に壊滅的ダメージを与える弾道ミサイルに対し、海上自衛隊と航空自衛隊が連携して監視を行い、その最前線で迎撃にあたるのがイージス艦だ。弾道ミサイルの危険を知らせるJアラートも、イージス艦などの情報が元となっている。
24時間365日、全8隻が交代で日本を防衛しており、「まや」の他に、「こんごう」や「あたご」が存在する。「まや」はその中でも最新鋭で、兵庫県の八方を見渡せる摩耶山に由来し、他のイージス艦にはない装備も備えているという。

海上自衛隊で最大の5インチ砲
まずは、前甲板に備えられた巨大な大砲を見学。約60mの甲板には、海上自衛隊で最大クラスの5インチ砲が。

戦闘機・艦艇・戦車まで狙え、約80度まで角度を上げることができ、射程距離は約24km。高性能ガンコンピューターの計算により、相手が音速のミサイルを発射してきた場合でも、5インチ砲で迎撃が可能だという。
さらに、その弾にも秘密があるということで給弾室へ。丸いハッチの先に広がる内部には、砲塔の下に弾薬を装填する巨大な機械が。
使用されるのは分離弾。弾丸を飛ばすための装薬と、弾頭が別々になっており、弾丸の重さは約32kg。

通常は一体化されている弾丸とは異なり、5インチ砲では分離弾を採用。これにより、ミサイル迎撃には爆発する弾丸、装甲の厚い戦車などには貫通する弾丸と、目標に応じて弾の種類を変更できるメリットがあるそう。給弾はすべて人力。弾の種類を瞬時に変更できるのが、人力装填ならではのメリットだという。
連続発射のオーダーが出れば、1分間に約15〜20発を発射可能。多い時は30発以上にも及ぶとのこと。
メイン装備・VLS
続いては、ヴァーティカル・ランチング・システム(VLS)を見学。日本の領空に侵入してきた他国の脅威となる航空機や弾道ミサイルに対処する対空のメイン装備だ。
甲板に広がる床一面に並ぶ分厚い金属の板。その下には、迎撃用ミサイルが1本ずつ格納されている。前方に64セル、後方に32セル、合計96セルを備え、垂直打ち上げ方式でミサイルを発射する。

今回は特別にフタを開けてもらうことに。戦闘指揮所(CIC)へ安全装置で信号を送ると、重厚なフタがオープンする仕組み。
VLSの発射速度は驚異的で、重力に逆らって垂直に打ち上げるにもかかわらず、発射直後に音速に到達。しかも、96発のミサイルは多数の脅威に対し同時対処も可能。
格納されているミサイルは状況に応じて使い分ける。航空機やミサイルには、自動追尾システムを搭載したSM-2。遠距離の潜水艦には、水中を自動航行する魚雷・VLA。最大の脅威である弾道ミサイルにはSM-3。
VLSは、1つの発射装置で空・海・水中、そして宇宙空間まで対応できるため「まや」の防衛力の中核を担う装備システムとなっている。
対艦ミサイル・SSM-1B
相手の軍艦に対する重要装備品が対艦ミサイル・SSM-1B。「Surface to Surface Missile」の略で、艦内には8発が搭載されている。

近距離まで接近してきた小型高速船などを迎撃する5インチ砲に対し、SSM-1Bは遠距離にいる相手の主力大型艦を狙う装備。射程距離は100km以上。一撃で大きなダメージを与える、最大級の威力を持つ対艦ミサイルだ。
海の状況を正確に把握する測深隊
「まや」には、海の重要な情報を収集するスペシャリスト・測深員がいる。測深に使われるのが、ロープの先についた鉛。重さは3.2kgあるという。

「測深始め」の号令とともに、隊員は鉛をぐるぐると空中で回し始め、勢いをつけて海へ投げ込むと「水深13m」と測定結果が告げられた。
大きく回してから投げる理由は、波や潮の流れに邪魔されないよう、遠心力を使って鉛をまっすぐ海底へ落とすためだという。最大200mまで測ることができ、より正確な情報を得るため、アナログと電子の両方を使いダブルチェック体制を取っているとのこと。
水深を正確に測る理由の1つが錨を下ろすため。エンジンの不具合などで洋上に停泊する際、船を固定する錨の重さは5600kgにもなる。
ハンドルを緩めると、鎖が勢いよく海へと繰り出されていく。鎖の長さは400m。自動による故障のリスクを抑えるため、止めるのは手動で行われているという。
世界初 ハイブリッド方式のエンジン
続いて案内されたのは、「まや」のエンジン。

エンジンの出力は1基2万8000馬力で2基搭載されており、乗用車約400台分以上に相当する。「まや」は、燃料で動くガスタービンエンジンと電気モーターを組み合わせた、世界初のハイブリッド方式のイージス艦。低速時は電気モーターのみで運行することで、従来より燃費効率を3割も向上させ、運航期間が大幅に伸びた。
さらに艦内には発電装置も備えられており、動力が切れることはない。航海は長期にわたることもあり、実際に1か月から半年近く出航したこともあるという。
今回は、カズレーザーが民間人初としてエンジン点火を体験させてもらうことに!操作盤の前に立ち、指示通り起動スイッチを3秒ほど回してから戻す。

空気が注入され、温度は一気に400℃へ。音が変わり、エンジンが着火する。「ドキドキした」と、カズレーザーは思わず本音を漏らした。
天敵に対抗する2大装備品
イージス艦の天敵に対抗するための2大装備品の1つが、潜水艦を迎え撃つための装備。
内部に魚雷が収まっている発射装置から発射される魚雷は、空気によって打ち出され、その後スクリューを使って自走する仕組みになっている。今回は特別に、空撃ちでその衝撃も体験した。

また魚雷は内蔵コンピューターで、近距離にいる潜水艦を自動追尾し撃破することができる。
さらに、潜水艦を見つけ出すための重要装備品が対潜哨戒用のヘリコプター。艦の飛行甲板には、航空機が着艦できるスペースが。そこに着艦するのが潜水艦ハンターとも呼ばれる国産哨戒ヘリ・SH-60。
主に潜水艦との戦闘や対潜戦を担い、海中に潜む相手を探し出す役割を持つという。音波の跳ね返りを利用して海中深くに隠れた潜水艦を探知する特殊装置ソーナーを搭載。さらに、一撃で潜水艦を航行不能にする魚雷も搭載している。波に揺られる不安定な艦の上に着艦するため、高い操縦技術が求められる。

海・空の脅威を同時に捉えるSPYレーダー
情報収集も重要。「まや」には、陸・海・空すべての相手戦力を同時に発見・捕捉できるSPYレーダーが搭載されている。

このレーダーは、複数のミサイルに同時に狙われたとしても迎撃が可能な同時防御システムを備えており、別名「イージスシステム」とも呼ばれている。
さらに、迎撃ミサイル発射後に重要なのが、ミサイルの最終誘導装置・FCS(ファイアコントロールシステム)。レーダーの情報を元にミサイルに積んだコンピューターで正確に誘導するという。
「まや」ならではの機能として紹介されたのが、CEC(共同交戦能力)。僚艦と目標情報をリアルタイムで共有し、本艦が探知していない目標であっても、共有された情報をもとに攻撃が可能になるというもの。
「まや」は、姉妹艦「はぐろ」と目標情報を共有。遠く離れた味方からの情報を活用し、長射程のミサイルで対応することで、より広大な範囲を防衛する体制が整えられている。
そして、最強の情報収集システムを管理する心臓部で目にしたのは、無数のレバーが並ぶ操作盤。艦内には発電機が4台あり、出力は合計15,600kW。約4万世帯はこの船の電力で賄えるとのこと。
立入検査隊の装備とは?
相手が民間船などに偽装して侵入してくる場合もある。そんな状況で活躍するのが立入検査隊。洋上で国籍不明の不審船などに乗船し違法行為がないかを直接確認する任務で、常に危険と隣り合わせ。
隊員たちは9mm拳銃を携行し、防弾チョッキ、特殊警棒、手錠などを装備。

拳銃を抜くまでにかかる時間は1秒未満という早技。
訓練では、カズレーザーが不審者役として参加することに。所持品確認の場面では、抵抗できないよう足を大きく開かせ体勢を崩しにくくするなど、相手の抵抗を極限まで防ぐ手順が徹底されていた。
相手が外国人の場合に備え、隊員は英語にも対応でき、女性が相手の場合は原則として女性隊員がボディチェックを行うなど、細かな配慮もなされている。
中枢・CICへ
いよいよ、自衛官の中でも限られた者しか入ることを許されないCICへ。

中にいるBMD長(Ballistic Missile Defense)は、弾道弾からの防衛任務を任される人物。室内には大きな画面があり、複雑多岐にわたる情報を整理するため、各コンソールには複数のモニターが備えられている。
陸・海・空すべての目標について、その位置や数を同時に探知できるSPYレーダーの情報も、このCICに集まる。
集まった膨大な情報を瞬時に整理し、見やすく表示させるのがCICスーパーバイザーの役割。目標の種類や数、位置などの情報は、電子的な処理だけでなく必要に応じて手書きでも書き込まれ、全面のディスプレイに反映されるという。
その情報をもとに、実際にどう対応するのかを判断し、作戦を立案するのがタクティカル・アクション・オフィサー。
8隻のイージス艦は、24時間365日、弾道ミサイルが発射されないかを監視。わずかでも我が国に危険が及ぶ可能性を察知すれば、イージス艦などの情報を元にJアラートが発令され、着弾する恐れがあれば即座にCICの指令で弾道ミサイルを迎撃する。
最大の脅威・弾道ミサイル迎撃訓練
最大の脅威とされる大陸間弾道ミサイル。その迎撃訓練を今回メディア初公開した。
弾道弾が発射された瞬間、自衛隊の人工衛星とイージス艦のSPYレーダーが即座に反応し、情報はCICへ。目標の飛翔経路と落下地点を割り出し、危険と判断された場合、SM-3ミサイルを発射。
誰も慌てることない訓練の様子に驚いたカズレーザー。「すごい緊迫感でしたね。本当に淡々と。これが日常なんだってこと。飲み込まれましたね」と振り返った。
隊員は、叫んだりせず各自淡々と決められた処置と報告をしていくサイレントオペレーションにあたっていると説明。「ミスできないという思いは当然あります」としたうえで、「これに備えて何百回、何千回と訓練を重ねてきているので、訓練通りにやればできるという自信もあります」と語った。
訓練を終え、隊員たちからカズレーザーへ記念品が。

カズレーザーは「自衛官という仕事は、これだけの緊張感の真剣な仕事なんだというのを知ることができて本当に勉強になりました」とお礼を述べた。