〈とらやの新春和菓子4選〉菓寮で味わうおいしい厚さの羊羹、シンプルを極めた純白のできたてきんとん

誰もが知る銘菓。
お正月が過ぎ、和菓子の世界は一足早く暦の上での春へと向かいます。
特に「梅」は、まだ寒い時期から蕾をほころばせ、あたたかな春への予兆を感じさせる縁起のいいモチーフです。
今回は、とらやを代表する“梅”にまつわる銘菓、雪に見立てたふんわりとしたきんとんをご紹介しましょう。
とらやを代表する銘菓「夜の梅」

「羊羹 小倉羊羹『夜の梅』」飲み物付き1,760円。
とらやを代表する銘菓といえば小倉羊羹 「夜の梅」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
羊羹を切ったときの断面にある小豆が夜に咲く梅を思わせることから、この名前が付けられました。「夜の梅」というモチーフ自体は、『古今和歌集』にも登場し、浮世絵や錦絵にも、暗闇にほんのりと咲く梅を愛でる様子が描かれています。
また、とらやに「夜の梅」という名前の羊羹が登場したのは、200年以上前とされ、その名づけのセンスには脱帽です。

小倉羊羹「夜の梅」。
さて、最近は手みやげなどに「小形羊羹」が人気です。たしかに、大きな棹羊羹は小さい家族では持て余してしまうかもしれません。
小形羊羹はぱくりと食べやすいのですが、羊羹のおいしさの決め手は食感とも言われるため、ぜひ一度は少し厚みのある羊羹を味わってみてください。厚く切り分けた羊羹は、しっかりと噛みしめたあとに上品な甘味の中にも小豆の風味の余韻が……羊羹好きにはその違いがわかるはず。
とらやのお菓子を表現する「少し甘く、少し硬く、後味よく」という言葉は、まさにこの羊羹を表しています。

虎屋菓寮で楽しめるのがうれしい。
虎屋菓寮では、この“厚み”のおいしさが楽しめる約24ミリに切り分けた羊羹をお好みの飲み物と一緒に楽しめるので、ぜひここで“羊羹の真髄”を味わってみてください。
ちなみに、飲みものの中でいちばん人気は抹茶。ほかの日本茶はもちろんのこと、コーヒーにもよく合い、虎屋菓寮のメニューにはありませんが、おうちでウイスキーに合わせるのもおすすめだそうです。
シンプルを極めた純白のきんとん

「雪餅」飲み物付き1,969円。2月14日(土)まで。
できたてを楽しめるきんとんは、新春恒例の「雪餅」が登場しています。
黄色に染めた白餡を芯に、つくね芋と砂糖だけで作ったそぼろをまとわせた、とてもシンプルなお菓子です。

つくね芋。
つくね芋は薯蕷(じょうよ)饅頭の生地の原料として知られ、加熱すると山芋らしい優しい粘りが生まれます。ここでは一度蒸かして裏ごしし、さらに砂糖を加えて、裏ごし。しっかり練ることで口どけのいい生地になるのです。

なめらかなそぼろの生地。

そぼろ状にするために裏ごし。
普段扱っているそぼろとは違い、粘りのある生地は扱うのが少し難しいそうです。でも、口に入れた瞬間のやわらかさや口どけは上々。

そぼろをつけていくところ。
ねっとりとした生地ですが、少しずつ丁寧に、職人技によってあんこに付けていくので、口当たりはふんわり。毎年、年明けはこちらを目当てにカウンター席から予約が埋まっていくというのも頷けます。

カウンター席では目の前で完成。
「新年を真っ白なところから」という、とらやの想いが込められたきんとんです。
春の訪れを少しずつ予感させる和菓子

求肥製「 霜紅梅」540円。1月31日(土)まで。
和菓子の世界は、新年を迎えると同時に春の兆しをモチーフにしたお菓子が登場しはじめます。
こちらは、紅梅にうっすらと霜がおりた様子を見事に表現した和菓子です。紅梅ならではの深い紅色に染めた求肥に、新引粉をうっすらとまとわせた様子が、寒い朝に見つけた小さな「春」のよう。
中には白飴が入っています。

黄身餡製「曙」540円。1月31日(土)まで。
曙は夜明け直前の白み始めた時間のこと。『枕草子』にもあるように、春の曙はなんとも趣きがあります。
刻々と移り行く空の色合いを表現したのが、こちらの「曙」。中には赤く染めた餡が入っていて、自然に入った割れ目からほんのりと色が感じられます。
まさに山の向こうにゆっくりと昇る太陽を思わせる、縁起のいいお菓子です。
TORAYA GINZA

ビルの入り口は中央通りから1本入った「すずらん通り」に面している。
所在地 東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル4F
電話番号 03-6264-5200
営業時間 11:00~19:00(L.O.18:30)
定休日 元日、第2月曜(祝日の場合は第3月曜)