「いいタイヤなのに滑った。なんで?」の声も “いつも通り”が一番危ない! バイク販売店の“プロ”に聞いてみた 冬の道路に潜む危険箇所とは
冬の寒さがライダーの体温と集中力を奪う、SNSでも不安の声
厳しい寒さに包まれる冬の時期にバイクに乗ると、ライダーは思う以上に強い走行風を体に受けることになります。
とくに首元や手首、足首などの隙間から冷たい空気が侵入すると、ライダーの体温が急激に奪われ、筋肉が硬直して思うような操作ができなくなる場合があります。
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その結果、普段よりも体力を消耗しやすくなり、集中力の低下を招く恐れがあるため注意が必要です。
また、体温の低下は体調不良に直結するケースも考えられるため、冬にバイクを運転する際は厚手の重ね着や冬専用のグローブを用いた徹底的な防寒対策が不可欠になります。
路面状況の変化についても、この時期は特に警戒しなければなりません。SNSでは、冬の走行に対する不安や実体験に基づいたコメントが数多く投稿されています。

タイヤが温まるまでの挙動や路面の凍結、白線などの滑りやすい箇所への警戒が重要
具体的には、「昼間の明るい時間帯だったのに、交差点でタイヤが滑りかけて肝を冷やした」「高性能なバイクなのに昼間の交差点でタイヤがスリップしかけた」という声があるようです。
なかには「いいタイヤ履いているのに滑った。なんで?」「高いタイヤを使えば滑らないと思っていたのに、なんてことないカーブでリアが滑ったことがある」など、高性能なタイヤを使用するライダーの疑問の声もありました。
そのほか「見た目には凍結しているように見えなかった場所で、スクーターが転倒している現場に遭遇した」「交差点を曲がる時に配達のスクーターが転びそうになっていた」という報告も散見されます。
さらに「冬場は路面が怖くて山道には近づきたくない。生きて帰れる気がしない」といった意見や、「都心部でもバイクに乗るのが怖い。想像していない場所で転びそうになる」と話すライダーの声も上がっています。
このように、多くのライダーが冬場の運転に不安を覚えているようです。
では、冬の間は具体的にどのような点に気をつけて運転すべきなのでしょうか。
タイヤの温度管理と市街地の落とし穴、販売店が教える冬の鉄則
冬場の安全な運転方法について、ある中古バイク販売店担当者は次のように話します。

無理な走行は避け、余裕を持ったスケジュールでバイクを楽しむ
「冬場はいつもと異なり、路面のコンディションが大きく変化します。
大前提として、路面が凍結していたり雪が積もっていたりする場合、バイクでの走行はできません。
また、雪が積もっていない場合でも、路面の温度が低いため、タイヤと路面との接地感が薄くなりがちです。
そのため、他のシーズンに比べて滑りやすい条件が整っています。
さらに、晴れている日であっても油断は禁物です。走り出した直後のタイヤは非常に冷たく、ゴムが硬い状態になっています。
この状態で急に大きなパワーを伝えようとすると、タイヤがグリップせずにスリップを引き起こすリスクがあります。
とくに冬の朝一番の出発時や、ツーリングの休憩などでタイヤが冷え切った後は、しばらくの間は控えめな運転を心がけ、タイヤを徐々に温めるように意識しましょう。
くわえて、一部のサーキット走行を想定したタイヤは路面温度に依存する性能で、路面が冷え切っていると正しいグリップ力を発揮できないことがあります。
ほかにも、そのようなタイヤは冷え切っているとスリップしやすくなるので、タイヤ選びにも注意が必要です」
このように、タイヤの温度が適正になるまでは、急加速や深いバンクを避けることが安全面で重要だといいます。

都市部でも気温差によって滑りやすい場所が発生することがある
また、都市部や郊外に潜む危険箇所について、同担当者は次のように話します。
「都心部を走行する際は、冷え切ったマンホールや横断歩道の白線に注意が必要です。
また、日光が当たらない建物の影などは、路面が凍結したまま残っている箇所が少なくありません。
たとえ雪が降らない地域であっても、日陰の走行には細心の注意を払いましょう。
そして、この時期の山道走行は極力控えることを推奨します。標高が高い場所では予期せぬ積雪や凍結に遭遇する恐れがあるためです。
万が一の転倒でバイクを引き起こせなくなったり、電波が届かない場所でレッカー車を呼べなくなったりする事態になれば、生命の危険にも繋がります。
そのため無茶な計画は立てず、安全を最優先にした判断や行動が重要です」
このように、冬の走行時は路面やタイヤの状態を常に把握する姿勢が重要だといいます。
無理な走行は避け、余裕を持ったスケジュールでバイクを楽しむことが、冬を無事に乗り切るための鉄則といえます。
※ ※ ※
冬のバイク走行においては、徹底した防寒対策で体力を維持するとともに、タイヤが温まるまでの挙動や路面の凍結、白線などの滑りやすい箇所への警戒が重要になります。
とくにトラブル時の救助が困難な山道走行は控え、常に路面の状況に合わせた慎重な運転を心がける必要があります。
いずれにせよ、冬季の間は無茶な計画や走行を控えることが大切です。