「子どもは6人、全員私立でも大丈夫?」2男4女のママFPが練り上げたライフプランと、確実に貯める家庭内ルールとは

5歳から高校生まで、2男4女の子育てをしながらファイナンシャルプランナーとして活躍中の橋本絵美さん。6人の子どもたちの教育費は、どのように管理しているのでしょう。さらに、子どもたちのマネー教育は? お金の専門家ならではの工夫やポリシーを聞きました。今日から参考にできることばかりです。※前半<高3までの子育て費用は2170万円!? 6人を育てるママFPに、物価高騰のなかで“楽しみ”を削らない家計術を聞いた>から続く
■確実に貯めるための3つのポイントとは?
――橋本さんの家庭では、教育費はどのように管理していますか。
わが家は、今高校生の長男が中学受験をしました。もともとは私立中学を想定しないライフプランだったのですが、長男が受験を決めた時点で「一人だけ私立中学OK、というわけにはいかない」と考え直しました。現在は、6人全員が中学受験しても家計が回るライフプランにしています。
中学受験には相当お金がかかるので、それを賄う対策として「収入を増やす」「支出を減らす」「利回りを上げる」の3つを駆使しました。以前の私は、夫の扶養の範囲内で働いていたのですが、仕事の幅を大きく広げて収入を増やしました。
また、確実にお金を貯めるために、「自動で」「先取り」「別の場所」を鉄則としています。日々の生活費の中から「余ったら貯金しよう」と思っていても、なかなかできないものです。貯めるお金は先に金額を決めておいて、自動的に生活費とは別の口座に移す仕組みを作ることが大切です。わが家では、学費用にNISA(少額投資非課税制度)を使った積立投資と、貯蓄型の生命保険で貯めています。
投資は長期的に見ると市場が成長し、資産が増える可能性がありますが、短期的に下落する場合もあります。10年以上の運用期間を確保することをおすすめします。現在お子さんが小学生の家庭なら、大学資金のための準備にするとちょうどいいですね。もちろん、投資信託は途中で「減る」可能性もあるもの。そこも考慮して全てを投資にまわすのではなく、投資と預貯金、保険とわけて金額設定することも大切です。
■塾の費用は「特待生制度」を活用しました
――中学受験の塾にかかる支出は、どのように対策したのでしょう?
長男が小3くらいだったでしょうか。テレビのクイズ番組に夢中になり、「僕も開成に行って東大に入りたい!」と、中学受験を宣言したのです。そのために、塾に通いたいと言い出しました。でも、塾の費用は学年が上がるにつれてどんどん高くなり、年間数十万から百万円もかかります。
そこで、いろいろな塾の「特待生制度」を調べたのです。すると、特待生は費用が一切かからないところ、授業料は免除になるけれど指定バッグなどは自費で購入するところ、そもそも特待生制度のないところと、塾によってさまざまでした。長男に「特待生制度で通うなら、塾に行ってもいいよ」と伝えたら、がんばって勉強して特待生試験に受かったのです。

――では、塾代はそこまで負担にならなかったのですね。
そうですね。塾は2ヵ所通ってみたのですが、どちらも特待生制度を活用してだいぶ支出を抑えられました。最初からお金がかかると決めつけるのではなく、いろいろな制度を調べて、知ることはとても大切だと思います。
これは子ども自身にも言えることで、進路について「あそこに行きたい」と思ったら、すべてを親に「出してもらう」のではなく、「どう工夫したらいいか」を考える力をつけるといいでしょう。小・中学生ではまだ難しいですが、高校生になってアルバイトが可能なら、自分でできるところまでお金を貯める経験をする意義は大きいと思います。
大人になると「やりたいことがすべてやれるわけではない」という現実もありますよね。そんなときに「こういうこともあるんだ」と現実を受け入れて、「じゃあどう乗り越えるか」を考える。その練習を早い段階からできるといいなと思っています。
――子どもが「やりたい」と言ったら、ちょっと無理をしてもお金を出す親御さんは多いかもしれません。
そうですね。でも、小学生の段階で無理をしてお金を使いすぎて、子どもが本当にお金を必要になる年齢に「出せない」という状況になると困ります。
そうならないために、家庭で教育費の軸を立てましょう。進路に関して、「わが家はどこまで出すか」を決めておくのです。「中高が私立なら、大学は国公立」「中高が国公立なら、大学は私立でもOK」など、できればなるべく早い段階でプランを考えておくことをおすすめします。
■スーパーでの「お菓子買って!」に、お金のプロはどう対応する?
――橋本家のマネー教育は、どうされていますか。
お金のことは包み隠さず家族で話しています。最近、子どもたちと小さなもめごとが二つあるのです。
一つは、小2の娘の“上履き案件”。足の甲にゴムのついたタイプなら千円以下なのですが、スリッポンタイプは3300円くらいするのです。そこで今、後者を欲しがる娘と交渉中です。もう一つは“タイマー案件”。中3の娘が学習用タイマーを買ってほしいと言ってきました。私はキッチンタイマーで十分だと思っています。学習用タイマーを買ったからといって成績が上がるわけではありません。
――どうしても「欲しい!」というときはどうするのですか?
わが家では「必要なもの」は親が買って、「欲しいもの」は子どもたちが自分のおこづかいやお年玉で買うか、クリスマスなどのプレゼントとして要望するように決めています。
普段の買い物でも、子どもの「このお菓子欲しい」をいちいち聞いていたら大変なことになります。お菓子は大袋に入ったお得用を常備しておいて、平日はそこから食べます。週末だけは「好きなジュースやお菓子やアイス、どれか一つ購入してよし!」としています。買い物中に目に入るカプセルトイも、もちろんお金は出しません(笑)。どうしてもやりたいのなら、おこづかいでやってね、というスタンスです。
子どもが何かを欲しがったときは、「これを買ったらどうなる?」「買わなかったら何ができる?」という話をします。「欲しい!」と思うとそれしか見えなくなってしまうものですが、そこで一度立ち止まることが大切。これを繰り返していると、お金を使うときに「考える」ようになるのです。
お金の使い方を考える習慣は、子どもにとって一生の財産になります。小さな買い物の積み重ねが、やがて大きな判断力につながる。そんな視点で、日々のやりくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
(取材・文/三宅智佳)

〇橋本絵美(はしもと・えみ)/2級ファイナンシャル・プランニング技能士、二種証券外務員。はしもとコンサルティングオフィス代表。福岡県出身、慶應義塾大学商学部卒。子育て世代が安心してもう一人子どもを生めるように、お金の知識でサポートしたいという思いからFPになる。20代のころは「子どもは10人欲しい!」と思っていた。2男4女の子育て真っ最中。家計、保険、資産運用など、お金と上手につきあう方法をわかりやすく解説。著書に『お金が貯まる・使える 紙1枚かんたん家計管理』(日本実業出版社)。
・【前編】高3までの子育て費用は2170万円!? 6人を育てるママFPに、物価高騰のなかで“楽しみ”を削らない家計術を聞いた
・子育て世代、預貯金より投資のほうが未来の家計を守れる? FPに聞く初心者の「投資の心得」6箇条とは
・元外資系投資銀行のトレーダーママが、わが子に電子マネーでお小遣いを渡す理由とは? 「親の価値観もマインドリセットが必要」