物価高のソウルで人気の韓食バイキングとは? ランチタイムに約1000円で多彩なメニューが食べられる!【韓国の個人旅行ガイド】

ソウル鐘路3街エリアの商店街の通りに掲げられた店の看板、「Korean Food Buffet」という英語の表示があって助かった
ソウルの物価高が止まらない。昨年の夏頃からじりじりとあがりはじめた。ランチで2万ウォン、約2000円などといった値段をつける店はもう珍しくない。
そこでいま増えているのがコスパバイキング。韓食バイキング、韓食ビュッフェともいわれる。とくにオフィス街に急増しているという。料金は8000ウォンから1万ウォン。日本円で千円前後のバイキングだ。
■物価高のソウルで人気を集めるコスパバイキング
バイキングだから食べ放題。サラリーマンたちは、ここぞとばかりに皿にさまざまな料理を盛る。最近は韓食だけでなく、和食や洋食を加える店も増えてきた。メニューを見ると、とんかつ、ナス炒め、チゲ、ナムル、揚げ魚、スパゲティ、目玉焼き……と韓和洋中が混在。節操はない。
コスパバイキングの店は本来、夜を中心にした店が多い。スンドゥブ、チェプチェ、サムギョプサル……。そういった店が昼、コスパバイキングをはじめている。訊くと、食材が値あがりし、収益は減少傾向。それを補うためにランチに参入。そのひとつがコスパバイキングだという。営業時間は正午から午後2時ぐらいまでが一般的だ。
料理人は本来の食材を応用し、若いサラリーマンが好きそうなメニューを考える。韓食だけにするとバラエティ感に欠けるので、和食や洋食も加える。デザートの果物も、その日の安いものを仕入れて並べる。
江南で働く中堅サラリーマンのKさんは3日に1度はコスパバイキングに足を向けるという。
「がっつり昼食を食べたいときに行きますね。並ぶ料理は日替わりだから目も楽しめる。野菜不足も一気に解消です。私がよく行く店は路地裏の店で、バイキングは8000ウォン。内容を考えるとコスパはいいですよ」
鐘路(チョンノ)にコスパバイキングで有名な店があると聞いた。行ってみることにした。
鐘路3街駅で地下鉄をおり、そこからつづく商店街を進む。
「このへんだと思うんだけど」
と何回かNaver Map(ネイバーマップ)を見た。しかしなかなかみつからない。ふと見ると、看板の韓国語混じって「Korean Food Buffet」という英語をみつけた。ここかもしれない。見ると階段がある。2階にある店のようだった。

建物の2階にあがる。ここが店の入口
店に入ったとたん、一瞬、足が止まった。サラリーマンで埋まったテーブルという想像は一気に裏切られてしまった。よく見ると、なかには若い女性やサラリーマンもいる。しかし7割以上は老人、シニアだったのだ。ふたりでテーブルに座る老夫婦やシニアの女性グループもいた。
韓国ドラマでも、シニアたちが主人公になるドラマは少なくない。高齢化は日本同様に韓国でも進んでいる。『ディア・マイ・フレンズ』はシニア世代の友情、そして人生を描くヒューマンストーリーだ。韓国のベテラン女優がそろったキャスティングが話題にもなった。キム・ヘジャ、ユン・ヨジョン、ナ・二ム、コ・ドゥシムらが出演している。
同行した知人がレジにいた主人らしき人に訊いてくれた。
「昔からシニアは多いですよ。ここは鐘路だからね。うちは昼だけじゃなくて夜までやってます。夕食に使ってくれる人も多い。ここに仲間で集まって食事をするのを楽しみにしているシニアは多いんです」
見ると焼酎(ソジュ)を飲みながら食事をしているグループもいた。シニアたちの社交場の雰囲気だ。そこに混じって周辺で働く人たちが席を埋める。
料金は1万ウォン。レジには日替わりのメニューが書かれていた。
「これはその日の目玉メニュー。今日は魚の唐揚げです。あまりたくさん食べられるとなくなってしまうので、数を制限させてもらっていますけど」
店はそこそこの広さで、壁際に料理のトレーが並んでいる。店員ができあがった料理を運び、補充している。
メニューは豊富だった。野菜を中心にした炒め物、揚げ物、スープ、サラダコーナー、そして魚揚げ……。なぜかフレンチトーストもある。その先には豆腐コーナー、そばまであった。
(つづく)

ビュッフェの料理はこんな感じで並べられていた