毎日のカフェイン摂取が認知症リスクの軽減に役立つ可能性があるとの研究結果

コーヒーや紅茶に含まれているカフェインは天然の中枢神経系刺激薬であり、心身にさまざまな影響を及ぼします。合計13万人以上の人々を分析した新たな研究で、1日あたり2~3杯のコーヒーや紅茶を飲むことが認知症リスクの軽減に関連するとの結果が示されました。

Coffee and Tea Intake, Dementia Risk, and Cognitive Function | Lifestyle Behaviors | JAMA | JAMA Network

https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2844764

Consuming 2-3 cups of coffee daily associated with lower dementia risk, better cognitive function | EurekAlert!

https://www.eurekalert.org/news-releases/1115330

Daily Caffeine Could Reduce Your Risk of Developing Dementia, Study Shows : ScienceAlert

https://www.sciencealert.com/daily-caffeine-could-reduce-your-risk-of-developing-dementia-study-shows

マサチューセッツ総合病院ブリガム医療センターやMIT・ハーバード大学ブロード研究所などの研究チームは、看護師健康調査で収集された女性8万6606人と、医療従事者追跡調査で収集された男性4万5215人のデータを分析しました。

2つの調査はいずれも1980年代からデータ収集が開始され、被験者は最大43年にわたって追跡されました。カフェイン摂取量は2~4年ごとに実施されたアンケート結果を基に算出され、被験者は記憶力・注意力・その他認知能力の変化についても回答しました。また、約1万7000人の被験者は電話による認知機能テストに複数回応じました。

データを分析した結果、被験者13万1821人のうち1万1033人が追跡期間中に認知症を発症しました。そして、カフェイン摂取量が最も多かった人々は、カフェインをほとんどあるいはまったく摂取しなかった人々と比較して、認知症の発症リスクが18%も低いことがわかりました。

以下のグラフは縦軸が認知症の発症リスクを、横軸が1日あたりのカフェイン入りコーヒー摂取量(杯)を示したものです。認知機能への効果はカフェイン入りコーヒーを1日2~3杯、紅茶を1日1~2杯飲む人で最も顕著でした。カフェイン摂取量が増加しても効果は横ばいで、悪影響にはならないことも示されています。

また、認知機能低下を自覚している人の割合を調べたところ、コーヒーを飲まない人が9.5%であるのに対し、カフェイン入りコーヒーを飲んでいる人々は7.8%とわずかに低くなりました。一部の被験者では、カフェイン入りコーヒーを飲む人は客観的な認知機能テストでもわずかに優れたスコアを記録したと報告されています。

紅茶の摂取量が多い被験者でも同様の効果がみられましたが、カフェイン抜きのコーヒーを飲んだ被験者では効果がみられませんでした。これは、カフェインが神経保護効果を生み出す活性因子である可能性を示唆していますが、詳しい因子やメカニズムを特定するにはさらなる研究が必要です。

論文の筆頭著者であり、ハーバード公衆衛生大学院の博士課程に在籍するユー・チャン氏は、「私たちは認知症発症の遺伝的素因が異なる人々を比較しましたが、それでも同様の結果がみられました。つまり、コーヒーやカフェインは認知症を発症する遺伝的リスクが高い人と低い人の双方にとって、おそらく同様に有益であるということです」と述べました。