「ギョニソ」は体に良くない? 昭和のイメージ覆す活用術とは

物価高が続く中、かつては子どものおやつや軽食のイメージが強かった魚肉ソーセージ(ギョニソ)が、肉の代わりに活躍する家庭の食材として注目を集めています。「添加物が多くて体に良くないのでは」と心配になる人がいるかもしれません。でも最近は、保存料や発色剤不使用の製品が主流で、むしろ、魚由来の「良質なたんぱく質」を効率良くとれるヘルシー食材として、見直されているのだそう。管理栄養士の時吉りえかさんに、賢い活用術を聞きました。

写真はイメージです

市場調査会社「インテージ」(東京)の全国消費者パネル調査によると、2025年7月の魚肉ソーセージの平均購入規模は、22年同月比で110%に増加しています。また、レシピサイト「クラシル」でも、25年に魚肉ソーセージのレシピを検索した人は、前年比で1.4倍になりました。

魚肉ソーセージを製造・販売する魚肉ソーセージを製造・販売する「Umios(ウミオス)」(旧社名:マルハニチロ)チルド食品事業部の綿引悠太さんは「魚肉ソーセージは魚が主原料なので、畜肉ソーセージに比べ、カロリーが低く、脂質が抑えられます。100グラム当たりで比較すると、たんぱく質は牛乳よりも多く含まれており、効率的に栄養補給ができます」と話します。

カルシウムの吸収を助ける特定保健用食品や、中性脂肪を下げるEPAやDHAを豊富に含んだ機能性表示食品なども登場し、市場の 牽引 ( けんいん ) 役になっているといいます。

アスパラガスとコーンでピザトーストに花が咲く

かつては「ジャンクなおやつ」というイメージだった魚肉ソーセージ。数か月間、常温保存が可能なのも利点の一つですが、「常温保存ができるのは添加物が多いからでは?」という疑問を抱く人もいるかもしれません。

これについて、管理栄養士の時吉さんは「常温保存ができるのは、加熱殺菌のうえ密封されているためで、缶詰やレトルトパウチ食品と同じような原理です」と話します。現在の主要な製品は、保存料・発色剤不使用のものが多く、着色料も天然由来の成分が使われています。

「魚肉ソーセージは、アミノ酸スコアに優れた良質なたんぱく質を含み、カロリーも控えめです。唯一の留意点は、塩分が比較的多いことですが、1日1本程度を目安にし、調理の際の味付けを少し控えることで、栄養の恩恵を十分に受けられます」

ハート型の器に入った目玉焼き

時吉さんは、魚肉ソーセージの「懐の深さ」を生かした活用術を提案しています。

サラダ&炒め物

サラダ: オリーブオイルやハニーマスタードをかけて。ブロッコリーやゆで卵と合わせれば、たんぱく質もたっぷりの華やかなデリ風の一皿に。

炒め物: キャベツ、もやし、ピーマンなど、お手頃な定番野菜との相性は抜群です。

 煮物

「魚のつみれ」に見立てて、大根と煮込んでおでん風の煮物を。魚のうまみが出て優しい味わいが広がります。

 飾り切り

柔らかいのでバラの形も簡単にできる

ピーラーで薄くスライスして巻けば、ピンクの「バラの花」に。

また、縦に切って2等分したソーセージの端と端をつなげてハート型にし、型の内側で卵を焼く「ハートの目玉焼き」は、朝の食卓に笑顔を添えてくれるでしょう。

時吉さんは「魚肉ソーセージは、肉の代わりになって、食べごたえがあります。おやつとして、そのまま食べるのもアリですが、ひと手間加えると、メイン料理にもなるし、おかずをあと一品足したいというときにも便利です。お弁当に入れる時は、フライパンでさっと焼いてから詰めると香ばしさが引き立ち、水分も抑えられるので衛生面が気になる時期にも安心です」とアドバイスします。

手軽で栄養豊富。価格も比較的安定していて、家計にも優しい。常温保存できるから冷蔵庫の容量を気にしなくても大丈夫。ギョニソは、令和の食卓を救う食材になるのかもしれません。

(読売新聞メディア局 永原香代子)

プロフィル 時吉りえか(ときよし・りえか) 管理栄養士、調理師、食育栄養インストラクターの資格を持つ、料理家・フードコーディネーター。6歳、4歳の子育てをしつつ、「日々に彩りを添える」をモットーに、素材を味わう旬のレシピをインスタグラムで発信中。 https://www.instagram.com/riin_food/