食べても大丈夫? タケノコの白い粉の正体は?

食べても大丈夫? タケノコの白い粉の正体は?
2026/03/25 05:00 ウェザーニュース
桜前線の北上の話題が聞かれるようになりました。桜ばかりでなく、春野菜の代表の一つであるタケノコの旬も桜前線のようにまもなく北上を始めます。
独特の歯ざわりで人気のタケノコですが、調理の際に切り口や節の間に白い粉がついていることがあり気になったことはありませんか?この粉の正体について、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
タケノコの白い粉の正体は?

タケノコを切ったとき、節の間に白い粉のようなものや小さな白いかたまりがあるのを見たことはありませんか。
「白い粉を見て『カビや何か体に良くないものではないか』と不安に感じ、念入りに洗い流してしまうという声も少なくありません。

白い粉の正体について、宇都宮市衛生環境試験所がこの粉とアミノ酸の一種チロシンを赤外吸収スペクトルで分析したところ同様の波形をしており、結果、タケノコの白い粉の正体はタケノコに含まれるチロシンであるとしています。
チロシンはアミノ酸の一種で、アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質や皮膚や髪の毛の色素を形成するメラニンの原料となります。
タケノコを茹でた時に溶け出し、冷めていく過程で、白く結晶化するので、白い粉のように見えるのです。
チロシンはタケノコの旨味成分でもあります。また、積極的に摂取すると、脳を活性化し、ストレス緩和、集中力を高める作用があると言われています。もちろん、カビではなく害もないので洗い流す必要はありません。
ただし、いつもと違う匂いやぬめりがあったり、白いふわふわしたものがついていた場合はカビの可能性がありますので、食べないようにしましょう」(吉田さん)
食べ過ぎには注意
旬を迎えたタケノコは柔らかく、風味も豊かでとてもおいしい食材ですが、一方で食べ過ぎには注意が必要だといわれています。
「タケノコには独特のアクとえぐみがあります。これは主に『シュウ酸』でほうれん草にも含まれていますが、タケノコの含有量は圧倒的です。
シュウ酸は体内でカルシウムと結びつき、結石(特に腎臓や尿管)を作り出す原因物質なので、食べ過ぎるのはよくありません。
しかし、シュウ酸はカルシウムと結びつきやすいので、しらすやサクラエビなどカルシウムを含む食材と一緒に食べると、腸内で結合して、体外へ排出されやすくなるとされています。
春はシラスやサクラエビが旬を迎えるので、タケノコの煮物などに合わせると、体にもよい、ということになります」(吉田さん)
タケノコを上手に保存する方法

春のこの時季にしか味わえない生タケノコは、ぜひ楽しみたい旬の味覚です。ただし、1本丸ごと購入すると量が多く、食べきれないこともあります。
「皮付きの生タケノコを入手した場合は、皮のままゆでて、そのまま冷ましたうえで、ゆで汁ごと密閉容器に入れて冷蔵保存するのがおすすめです。ただし、もともと保存性が高い食材ではないため、できるだけ早めに食べ切るようにしましょう。
タケノコは約9割が水分で構成されていますが、カリウムや食物繊維といった栄養も含まれています。カロリーが控えめな点もあり、腸内環境を整えたい人やダイエット中の食事にも適した食材といえます」(吉田さん)
皮付きの生タケノコは出回る期間が限られた、まさに今だけの旬の恵みです。旬の移り変わりとともに店頭に並ぶこの味覚を、ぜひ手に取って味わってみてはいかがでしょうか。