ディズニーシー「4500円朝食」貧乏主婦が震えた朝

ディズニーシーのファンタジースプリングスホテルで食べるモーニングビュッフェ(写真:筆者撮影)
『マツコの知らない世界』(TBS系)にも出演した、チェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライターの大木奈ハル子さん。連載「チェーン店最強のモーニングを探して」では、さまざまなチェーン店のモーニングをご紹介しています。
第153回、ご紹介するのは「ファンタジースプリングスホテル」です。
ファストフードに牛丼チェーンにファミリーレストラン。カフェに焼肉に立ち食い蕎麦にドーナツショップ。飲食チェーンがひそかにしのぎを削っているジャンル、それが朝メニュー、いわゆる「モーニング」です。
【画像45枚】1泊約7万〜10万円かかるけど…まさに夢の国!「ファンタジースプリングスホテル」のモーニングはこんな感じ
ただいま連載150回を祝しまして、ちょっと豪華なモーニングを巡り中。今回は東京ディズニーシーの人気ホテル「ファンタジースプリングスホテル」に宿泊した人だけが食べられる、スペシャルなモーニングビュッフェをご紹介します。
(今回は記事の最後におまけアリです。たっぷり60種類以上のビュッフェメニューを写真付きで紹介しています)
予約困難、大人気の東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル

ファンタジースプリングスホテル。50万円以上の部屋もある、ディズニーリゾート最上位ホテル(写真:筆者撮影)
2024年6月、東京ディズニーシーに誕生した新テーマポート「ファンタジースプリングス」。そのエリアに直結する形で開業したのが「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」です。
ディズニーホテルの中でも最上位の「ラグジュアリータイプ」に位置づけられ、運営するオリエンタルランドが総力を挙げたフラッグシップホテルとして、人気を博しています。
ホテルはパークと一体化した設計が特徴で、宿泊者は専用エントランスから直接ファンタジースプリングスへアクセス可能。まさにテーマパークの中に泊まる体験ができる施設です。
客室は「ファンタジーシャトー(デラックスタイプ)」と「グランドシャトー(ラグジュアリータイプ)」の2棟構成。宿泊費は時期により変動しますが、標準的な部屋でも1泊約7万〜10万円。最高級のグランドシャトーともなれば、1泊50万円を超えるケースもあるという、超強気な価格設定です。

幻想的かつラグジュアリーな、ホテルエントランス。ファンタジースプリングスホテル以外では経験できない唯一無二の光景が広がる(写真:筆者撮影)
「最近はディズニーリゾートが高くなって行けない……」なんて、利用者の嘆きがテレビで特集されたりしていますが、このホテルでは事情が全く異なるようです。一般的なホテルと比べればかなり高額にもかかわらず、その人気は凄まじく、公式サイトでの予約は常に争奪戦。
開業以来ずっと、宿泊日の4カ月前の予約開始と同時に満室になる日が多く、「ディズニーホテルの中でも屈指の取りにくさ」と言われています。こうした高いハードルを越えて宿泊したゲストだけが利用できるのが、今回紹介するモーニングビュッフェなのです。
ファンタジースプリングス・レストラン ブレックファストブッフェ4500円

ファンタジースプリングス・レストランのエントランス。入場時間を細かく調整し、混み合わないように工夫されていた(写真:筆者撮影)
朝食会場は、ホテル1階に位置するメインダイニング「ファンタジースプリングス・レストラン」です。座席数は約270席、『塔の上のラプンツェル』や『白雪姫』、『眠れる森の美女』をモチーフにした6つのエリアに分かれており、窓の外には、ファンタジースプリングスの幻想的な景色が広がっています。

レストラン入り口。青い鳥がお出迎え(写真:筆者撮影)
提供時間は朝6時30分から10時。料金は大人税込4500円、中人(7〜12歳)2700円、小人(4〜6歳)2000円で、3歳以下は無料です。メニューは「ブレックファストブッフェ」のみ。利用できるのは宿泊者のみとなっています。料理は洋食メインながら、和朝食ブースもあり。メニュー数は50種類以上(ドリンクやドレッシングを加算すれば100種類近く)あり、デザートも充実しています。
今回筆者の予約受付時間は8時50分。かなり細かく時間が設定されており、混み合うことなくスムーズに席まで案内されました。利用客数に対して、ビュッフェブースが混みすぎていないのは、この配慮があってこそ。
4500円という価格だけを切り取れば、「高いな」と感じる方もいるかもしれません。この朝食は、「おいしい朝食が食べたい人」よりも、「ディズニーの世界観にどっぷり浸かりたい人」に振り切った設計です。
(ハイシーズンだと)1泊50万円以上で、モーニングも4500円……「やや貧乏な初老夫婦」を標榜し、実際やや貧乏な主婦ライターの筆者としては、思わず震えてしまう金額感にも思えます。
しかし、料理単体の価値ではなく「体験込みの価格」だと考えれば、十分に納得できる金額でした。
ディズニーの魔法がかかったスペシャルなレストラン

ファンタジースプリングスホテルレストランのビュッフェエリア。淡い水色のビュッフェ台や曲線を描いた仕切り壁がロマンチック(写真:筆者撮影)
ファンタジースプリングスホテルのモーニングの感想は「最高」の一言です。
その評価は、料理を口に運ぶ前からすでに確定しています。まず圧倒されるのは、その徹底した世界観です。椅子のカーブひとつ、壁の曲線ひとつまで、徹底的に作り込まれており、壁にはディズニーの登場人物たちを描いた絵画が飾られています。どこを見ても「かわいい」の大洪水。まるで、おとぎの国の登場人物になったような気分です。

食事フロアはまるでおとぎの国。曲線を描いた大きな窓からはディズニーシーを望む(写真:筆者撮影)
広々としたビュッフェブースには、金色のモールディングが施された淡い水色のビュッフェ台が並びます。その色味のニュアンスや、コントラストの絶妙さに、乙女心がキュンキュンと締め付けられまくります。

塔の上のラプンツェルをモチーフにした部屋。映画のワンシーンが絵画になり、壁に飾られている(写真:筆者撮影)
メニューもディズニーならではの演出がされています。フリッタータ(イタリア風オムレツ)は、特大のミッキーマウスのステンレス皿に並び、カスタードデニッシュは、『塔の上のラプンツェル』に登場する、太陽のマークがモチーフ。クロックムッシュには、緑色のパウダーで『ピーターパン』のステンシルが施されています。

一口サイズのクロックムッシュの上には、ピーターパンの影が躍る(写真:筆者撮影)
ビュッフェブースで最も心躍ったのは、デザートコーナーにある特大のケーキスタンドです。小さなロールケーキのてっぺんには、花びらや、蝶の羽をモチーフにしたホワイトチョコレートが飾られ、宝石のようなキラキラとしたゼリーが並びます。

デザートコーナーのケーキスタンドは、宝石箱のような美しさ(写真:筆者撮影)
あまりの可憐さに、思わず手を伸ばすのをためらってしまうほどの完成度。「神は細部に宿る」なんていいますが、隅から隅までディズニーの魔法がかけられており、食べる前から大満足です。

一口サイズのロールケーキの上には、色とりどりのエディブルフラワーがトッピングされている(写真:筆者撮影)
世界中の老若男女が「おいしい」と頷く、究極の最大公約数

モーニングビュッフェは、取り分けてもかわいい(写真:筆者撮影)
ここまで、コラムの半分以上をビジュアルと空間の作り込みに費やすという、本連載では異例の展開でお届けしております。それほどまでにこのホテルの没入感は圧倒的なのですが、肝心の「味」についてはどうなのか。結論から言えば「全部ちゃんとおいしい」です。
パンや、ベーコン、ソーセージ、スクランブルエッグといった朝食の定番メニューに加え、鮭の塩焼きやだし巻き玉子などの和食も充実しています。さらに、中東のベジタリアンフードであるファラフェルや、ツナと菜の花のパスタなど、あまり見かけないメニューもあり、ビュッフェの楽しみである「眺める楽しさ」「選ぶ楽しみ」に満ちています。

左上のカスタードデニッシュは、塔の上のラプンツェルに登場する太陽のマークがモチーフ。主食メニューはパンやパスタ、チキンライスなど炭水化物が多めの印象(写真:筆者撮影)
実際にできるだけ多くのメニューを、少しずつ取り分けて食べてみましたが、そこで最初に感じた率直な感想は「おいしいけれど、意外と普通」でした。どの料理もはずれがなく、一定以上の完成度が保たれており、安定感は抜群。ただし、専門店や高級レストランのような、強い旨味やインパクトで記憶に残る一皿があるわけではなく、総じてやさしい味付けに整えられています。

サラダを取り分けたお皿。カラフルなメニューが多く、グリーンサラダにエディブルフラワーが入っていることもあり、華やかに仕上がった(写真:筆者撮影)
それもそのはず、ここはファミリー層を中心に、世界中から人が訪れるレジャー施設に併設されたレストラン。店内を見渡せば、小さな子どもから高齢者まで幅広い世代が同じ空間で食事を楽しんでおり、海外からのゲストの姿も目立ちます。言語も食文化も異なる人たちに向けた「最大公約数のおいしさ」だからこそ、刺激の強い香辛料やクセのある食材は控えめで、誰にとっても食べやすいバランスに調整されていたのです。

デザートを取り分けたお皿。ビジュアルの良さが炸裂している。ロールケーキの上にトッピングされた、蝶の形をしたチョコレートや、エディブルフラワーなど、50代の筆者でも乙女心がくすぐられる(写真:筆者撮影)
パークで遊ぶ前のエネルギーチャージにも最適
メニューは、パンやパスタ、チキンライスにカレー、バラちらしなど炭水化物が多め。パークでの長丁場の歩きに備えたエネルギーチャージとして、これ以上ないラインナップです。
チキンライスの隣にはスクランブルエッグが並び、自分でオムライスを作るしかけがあったり、クロワッサンだけは、焼きたてをキャストがワゴンで運んできてくれるなど、小さな楽しいしかけがあちこちにあり、味だけでなく体験を楽しめるしくみも見事です。
このホテルに宿泊するゲストにとって、真のメインイベントは、大窓の向こうに広がるディズニーシーの世界です。レストランでの体験は極上ですが、味に個性を主張しすぎないのは、旅人たちのこれから始まる冒険を最高のコンディションで迎えてもらうための配慮なのかもしれません。
高額な宿泊費を払ってでも来たくなるのに納得な、ディズニーの物語に紛れ込んだような、没入感に浸る朝です。
【おまけ】ファンタジースプリングスホテル朝食バイキングメニュー一覧

デザートエリアにディスプレイされた、フルーツカービング。ファンタジースプリングスのロゴが描かれている(写真:筆者撮影)
最後までお読みいただきありがとうございました。「文章よりも写真で見たい」という方へおまけとして、写真でたっぷりとお伝えします。
公式サイトでも全メニューは公開されていないため、気になる方も多いのでは? レストランの内装が気になる方は画像ページもチェックしてください。

ハッシュドポテト、ミッキー型のお皿に盛り付けられたフリッタータ(写真:筆者撮影)

カリー、温野菜、ジャーマンポテト、ソーセージ(写真:筆者撮影)

スクランブルエッグ、チキンライス、ベーコンと焼き野菜、ツナと菜の花のパスタ(写真:筆者撮影)

トマトソース、ペンネ、シーフードドリア、ファラフェル(写真:筆者撮影)
人気の「トリュフ風味のロワイヤル」

トリュフ風味のロワイヤルは、一口サイズの茶碗蒸し。大人気で、たくさんの人が食べていた(写真:筆者撮影)

だし巻き玉子、鮭の塩焼き、豆腐ハンバーグ、筑前煮(写真:筆者撮影)

和食もひととおり揃う。ごはんの友も充実(写真:筆者撮影)
クロワッサンは焼きたてが食べられる

パンスタンドにズラリと並ぶパン(写真:筆者撮影)

クロワッサンは焼きたて。キャストがワゴンでテーブルまで運んでくれる(写真:筆者撮影)

カスタードデニッシュは、塔の上のラプンツェルに登場する太陽のマークがモチーフ(写真:筆者撮影)

チョコレートデニッシュ、バターロール、ベイクドドーナツ、パンペイザン(写真:筆者撮影)

パンプディング(写真:筆者撮影)
ステンシルが楽しいクロックムッシュ

ピーターパンのステンシルが施されたクロックムッシュ(写真:筆者撮影)

フロマージュブランロールケーキ、チョコレートロールケーキ、エルダーフラワーゼリー、パンナ・コッタ・マンゴーソース、パンナ・コッタ・抹茶ソース(写真:筆者撮影)

マチェドニア、フルーツ(グレープフルーツ、オレンジ、パイナップル、ラズベリー、ブルーベリー、ライチ)(写真:筆者撮影)
色鮮やかなサラダの数々

ドライフルーツとナッツのテリーヌ(写真:筆者撮影)

ミニトマト、キュウリ、海藻サラダコーン、グレインサラダ、キャロットラペ、ツナサラダ、スモークサーモン(写真:筆者撮影)
華やかなエディブルフラワーに目を引かれる

エディブルフラワーがトッピングされ、花壇のようなガーデンサラダ(写真:筆者撮影)

コールドミート、玉子サラダ(写真:筆者撮影)

シリアルとヨーグルト(写真:筆者撮影)
ドリンクブースも完備

ドリンクブース(写真:筆者撮影)
【もっと読む】「1泊30万超え」「眼下には東京駅の線路とビル群の絶景」はまさに貴族の食事!ブルガリホテル東京「1万円モーニング」に大感動の朝 では、ワタミに買収された「サブウェイ」を、モーニング愛好家の大木奈ハル子さんが訪問。大きく改善されたサービス面や、クオリティの高いモーニングの魅力を詳細に解説しています。
登録すれば本連載の最新記事が届く《こちら》の「著者フォロー」ボタンから。