【前編】毎日が感動の連続。豪華客船クイーン・エリザベス乗船体験記

撮影・文 神保亜紀子

いま、じわじわと人気が高まっているクルーズ船の旅。食事、アクティビティ、エンターテインメントまですべてが揃い、船の上で自由気ままに過ごす数日間は、特別な非日常体験。これからますます注目が集まる船旅の、体験レポートをお届けします。

【前編】毎日が感動の連続。豪華客船クイーン・エリザベス乗船体験記

乗船したのは、イギリスのラグジュアリークルーズライン「キュナード」が運航する客船、クイーン・エリザベス。イギリスの女王エリザベス2世から名付けられ、現在の船は2010年から運行する3代目。

クルーズ船の中では中型ラグジュアリー船のカテゴリに属し、デッキ1から12までの12階建て、全長は約300メートル。その姿はまるでホテル丸ごと1棟が海を航行しているかのようです。

さっそく船内へ。優雅なアール・デコ調のインテリアの設えは、息を呑むほどに麗しく美しい!

まず乗客を出迎えるのは、船の中央にあるグランド・ロビー。大きな吹き抜けには、緻密な寄木細工でデザインされた初代クイーン・エリザベスの壁画が掲げられています。

船内には6のダイニング、8のバー&ラウンジをはじめ、シアター、ボールルーム、カジノ、ライブラリー、プール、テニスコートなど、船の中で過ごすのに十分すぎるほどの設備やエンターテインメントが充実しています。

もちろん客室も、素晴らしい。

充実したクローゼットは、クルーズ船の特徴なのかも。部屋に到着したら、スーツケースの中身を全部クローゼットに移し替えて、これからの長旅に備えます。

バルコニー付きの部屋はありがたかった。海の色や波の表情、はるか遠くに航行する船を眺めているだけで気持ちが良い。寄港地が近づくと島や港が見えてきて、わくわくする気持ちが抑えられません。朝日を眺めたり、コーヒーを飲みながら次の寄港地でのプランを考えたり。部屋でゆっくり過ごす時間も船旅の魅力だと実感します。

毎日メニューチェンジする大充実の食事

毎日の食事も楽しみの一つ。デッキ9にあるビュッフェ形式のリドでの食事は旅行代金に含まれています。6日間の滞在で同じメニューに出合えないほどの多種多様さには驚きました。午後にはスコーンやケーキ、アイスクリームなどのスイーツがずらりと並ぶので、ついつい手が伸びてしまいます。

リドのほかにも、パブやバーラウンジ、フォーマルディナーがいただけるテーブルサービスのメインダイニングなど、バラエティに富んだ食事エリアがたくさんあるので、長旅の間、飽きるという心配は不要。

一部のレストランやドリンクは有料ですが、船内の美食をぜひ一度体験してみるのもおすすめ。格式高いクルーズ船の雰囲気を味わうことができる特別な思い出となるはずです。

名物アフタヌーンティーは演出も痺れる

クイーンズ・ルームでのアフタヌーンティーは、クイーン・エリザベスでの名物イベント。演出も見逃せません。開始時間の15時になるとウェイターがずらりと整列し、一斉にテーブルサーブがはじまります。キュナードオリジナルのスコーンはプレーンとレーズン入りの2種。サンドイッチなどのセイボリーと、タルトやプリンなどのスイーツが次々と運ばれてきます。紅茶にはたっぷりとミルクを淹れて。

ドレスコードも、とことん楽しむ

クルーズ船に乗ったからには、ドレスコードも楽しみます。船内の18時以降は、フォーマルとカジュアルの中間に当たる「スマート・アタイア」がドレスコード。場所を選べばカジュアルウェアで過ごすこともできるけれど、少し背筋が伸びるようなルールは体験することに価値ありと、スニーカーをパンプスに、Tシャツをワンピースに着替え、ディナーに臨みます。

また、事前に知らされていたガラ・イブニングのテーマナイト「ブラック&ホワイト」や「マスカレード(仮面舞踏会)」は、フォーマルな服装で臨みます。筆者はワンピースが精一杯でしたが、着飾ったゲストたちの雰囲気に興奮冷め止まぬ夜を過ごしました。

どこでどう過ごすかはas you like. 自分だけのお気に入りの場所を見つける

とにかく広い船内には、コンセプトも様々なカフェやバー、ライブラリーなどくつろげる場所がたくさん。旅が進むにつれ自分なりの「船での過ごし方」が見えてくるのが、船旅の醍醐味とも言えます。

こまめに通ったリドは、朝夕の混雑時以外は静かで空いているのでPC仕事に最適。図書室の海向きのデスクでは、日本語版の新聞を読んだりくつろぎの時間を。リシュレッシュしたい時は旅の友を誘って卓球三昧。海風が気持ちいい午後には、デッキに出てぼうっと海を眺めたり……、短い期間だけれど自分にとって心地良いルーティンを楽しむようになっていました。

船内のどこをとっても絵になるクイーン・エリザベス。船好きの誰もが憧れる、というのも納得です。バラエティに富んだ食事は、異国情緒を感じさせ、ここが外国だと実感させられます。また、気づけば毎晩の楽しみになっていたロイヤル・コート・シアターでの観劇。ミュージカルの楽曲で組み立てたオリジナルの演目に痺れ、時には涙するほど心に迫るものがありました。

ずっと船の上にいたら飽きないの?という疑問は一瞬のうちに吹き飛び、6日間の船旅を終えた時は、まだまだ続いてほしいと願ったほど。

こんなにも感動を与えてくれる船旅ですが、意外にも旅行代金がリーズナブルだということをご存じでしょうか。

後編では、船旅の予算から身支度や心得、寄港地での楽しみ方を紹介します!