同じヘッドスピードなのに30ヤードも差が出るのはなぜ?「速く振る」が飛距離につながらない人の解決策
HSを速くするだけでは飛距離アップは実現しない
基本的に、ヘッドスピードが速いほどボール初速は出やすくなります。ボール初速のアップは飛距離を伸ばす重要なファクターの一つですから、速く振ろうとすることは方向性としては間違っていません。

ゴルファー自身のヘッドスピードが速いほどボール初速は出るが、ミート率が低ければそれは相殺されてしまい飛距離は思ったほど出ない
ただ一方で、ヘッドスピードが速くなったとしても低いミート率では「相殺」されてしまい、結局は飛ばない結果になってしまうという現実問題もあります。
つまり「もっと速く振れ」のアドバイスは、半分は正解ですが半分は間違っているということ。
【写真】ロフトを立てた構えで失敗するゴルファー多数! これが正しく構えた時の景色です
ヘッドスピードだけを速くしたいのなら頑張って振るしかありませんが、ボール初速をアップするには「それ以外の要素」も併せて向上させる必要があるのです。
フェースの芯でボールを打ってミート率アップを目指す
弾道計測器が普及してきたことで「ミート率」という言葉自体はアマチュアのみなさんにも定着しつつありますが、直接的に「ミート率」という項目を計測しているワケではありません。
「ミート率」とは、単純に「ボール初速」を「ヘッドスピード」で割った数字です。しかも「ドライバーでは1.5」といわれるように番手によって理想的なミード率の数字が変わり、常に「目安」でしかありません。

ミート率(ボール初速÷ヘッドスピード)をアップする第一の方法は、フェースの芯でボールを打つこと
何故ならロフトが大きくなるほどインパクトのエネルギーが「打ち出し角」と「スピン量」に多く配分されるため、理想的なミート率や弾道の内容が変わってくるからです。
ドライバーで目指したいミート率は、今話したように「1.5」になります。この数字に近づけるためのポイントは、ズバリ「打点」をフェースの芯にすることです。
例えばヘッドスピード45メートル/秒の場合、ミート率が「1.5」ならボール初速は67.5メートル/秒になり、270ヤード前後の大きな飛距離が得られます。
しかしフェースの芯を外してしまうほどミート率は落ちるため、ミート率「1.3」ならボール初速は58.5メートル/秒となり、30ヤードほど飛距離をロスしてしまいます。しかも、このボール初速ならヘッドスピード39m/sでミート率「1.5」の場合でも出せる数字。
いたずらにクラブを振り回して無理にヘッドスピードを上げるよりも、しっかり芯に当ててミート率を上げる方が現実的という意見には、こんな根拠があるのです。
HSのピークが右足の前になるように振りたい
では、どうすればフェースの芯で打ててミート率を高くできるのでしょうか。結局はインパクト時の軌道とフェース向きの安定感を高めるのが近道です。
インパクトで得られた全エネルギーから「打ち出し角」と「スピン量」に使われたエネルギーを引いたものが「ボール初速」なので、過度な入射角にならずロフト通りにインパクトするという当たり前のことをするのが、スイング方法をあれこれと変えるよりも簡単かつ現実的な対策です。

クラブを逆に持って素振り(左写真)をして、右足の前あたりで「ビュン!」と音が出るのかどうかをチェックしたり(中央写真)、クラブを振ってボールの前で「寸止め」をしたりすると(右写真)、ヘッドスピードと入射角のバランスを確認できる
ドライバーショットでは、スイングの最下点より少し先にティーアップされたボールがあります。感覚的なコツとしては、右足前あたりでヘッド軌道が最下点を迎えてヘッドスピードのピークが来るようなイメージが持てると、適度なアッパーブローかつ適度な打ち出し角を得やすくなります。
ピークの位置が正しいかどうかのチェック法としては、クラブを逆さまに持って右足前あたりで「ビュン!」と音がするか確認するのがお勧め。
また、普段通りにクラブを持って軽くスイングし、右足前あたりで「寸止め」してみるのもいいでしょう。ヘッドが高い位置にあったりフェースが開いていれば、入射角が鋭角過ぎてフェースが真っすぐになっていない証拠です。
最初はゆっくりしたスイングからチェックしていけば、スピードを上げても「芯に当たる」ミート率が高いインパクトの感覚をつかめると思います。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティ「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
猿場トール
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