夫はもうすぐ60歳、私は39歳-- 「21歳差、交際0日」で結婚 "4人の子宝"にも恵まれた《ベリーダンサー》彼女の生き方

50歳前後で「パパ」となった男性に、リアルな子育てライフを聞く本連載。今回はスピンオフ企画として、「アラフィフパパの妻」に話を聞く。

【クリックして写真を見る】「やっぱり写真では親子にしか見えないかな?」と笑い合う“現在の2人”。夫はもうすぐ還暦、妻は39歳だ。

第2回で紹介した後藤高浩さんは、もうすぐ60歳になる。45歳の時に21歳年下の妻と「交際期間0日」で結婚し、4人の子宝に恵まれた。

妻の美香さん(39)が明かす、夫との馴れ初めやベリーダンサーとしての仕事、現在の暮らしとは――。

「21歳差婚」に対する周りの反応は

美香さんは結婚当時、24歳だった。夫とは、新卒で入社した大手進学塾の職場で出会った。結婚に至るまでの詳細はここでは割愛するが、美香さんにとって高浩さんは、互いに職場を離れても悩み事があるときには必ず連絡をする、信頼している相手だった。

結婚を決めたとき、父はその年齢差を聞いてやや難色を示したが、いつも親身に娘の相談に乗ってくれている上司の存在を知っていた母は、夫を説き伏せ美香さんの背中を押してくれた。

「結婚を報告した友人たちにも、まったく驚かれませんでした。むしろ『美香の性格だったら、まあ、そうなるよね』って納得されたくらいです。どちらかといえば、今知り合った人からの方が『え?!親子くらいの年齢差だよね?』って驚かれることが多いです(笑)」

しかし、そのことで嫌な思いをしたことはほとんどないという。

「今まで年齢差のことを人から揶揄された記憶もないですし、気にしたこともなかったですね」

「21歳差婚」に対する周りの反応は, 4人の子育てとベリーダンス「彼のおかげ」, 同世代とのデート中に本心に気づく, 動じない夫は心の拠り所

「やっぱり写真では親子にしか見えないかな?」と笑い合う後藤夫妻。夫はもうすぐ60歳、妻は39歳だ(写真:筆者撮影)

4人の子育てとベリーダンス「彼のおかげ」

「21歳差婚」に対する周りの反応は, 4人の子育てとベリーダンス「彼のおかげ」, 同世代とのデート中に本心に気づく, 動じない夫は心の拠り所

インタビューは夫・高浩さんが経営する進学塾の教室で行った(写真:筆者撮影)

後藤さん夫婦は共働きをしながら4人の子どもを育てている。現在12歳の長女に続き、10歳、8歳、5歳の男の子の4人きょうだいだ。

美香さん自身、夫の経営する進学塾で英語の授業を担当しているが、それだけではない。プロのベリーダンサーとしても活躍しており、普段はショーなどに出演するほか、スポーツクラブやコミュニティでベリーダンスを教えるインストラクターとしても活動している。また、年に一度は海外で開催されるショーや大会などにも遠征するという。

このキャリアと4人の子育てを両立できるのは「彼とだから」と美香さんは言い切る。

「ベリーダンスを仕事にしていなかったときから、彼は常に全面的に協力してくれました。『じゃあ自分はどうサポートできるか』って。それは昔から全く変わりません」

「21歳差婚」に対する周りの反応は, 4人の子育てとベリーダンス「彼のおかげ」, 同世代とのデート中に本心に気づく, 動じない夫は心の拠り所

プロのベリーダンサーとして活躍する美香さん。ダンサーネームは『Mikayla(ミカイラ)』だ(写真:後藤さん提供)

美香さんがベリーダンスと出会ったのは今から約13年前。不妊治療中に妊活も兼ねて始めたベリーダンスに心を一気に引き込まれ、うまくなりたい一心でレッスンに励んだ。出産後は仕事にすることを目標に鍛錬を続け、やがてプロのダンサーとしてデビューするほどの腕前になった。

「4人の子育ても、振り返ると大変だった印象はほとんどなくて。夫のサポートのおかげで、ベリーダンスという生きがいを見つけることができたからだと思います。その柱があるから、4人の子育てもなんとかできている。そういう感覚があります」

同世代とのデート中に本心に気づく

一度、過去に話を戻そう。交際0日という珍しいケースで結婚を決めたふたりだが、夫の高浩さんは過去の取材で「プロポーズをする瞬間まで、美香さんを結婚相手として意識したことはなかった」と話していた。

一方、美香さんはどのような心境だったのだろう。

「いや、薄々『好意を寄せられているんだろうな』とは思っていましたけど、私は本当にまったくその気はなかったので、ずっとスルーしていましたよ(笑)」

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15年前、21歳上の夫と結婚した美香さん(写真:後藤さん提供)

高浩さんは照れ隠しでそう言ったのか、本当に無自覚だったのか今となっては知る由もないが、それぞれから聞いた話の微妙なズレに思わず笑ってしまった。しかし、そういう相手に対して、もしも嫌悪感などを覚えたら、距離を取るのが通常ではないだろうか。

「そうなんですよね。なんででしょう。その時はそれでも嫌じゃなかったんでしょうね」

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美香さんが結婚相手として高浩さんを選んだ理由は?(写真:筆者撮影)

では、美香さんが結婚相手として彼を選んだのは何がきっかけだったのだろう。

「実は当時、同世代の男性と付き合いたいと思っていたんです。だから、親しくなった人と何度かデートにも行ってみたんですが……相手に何も落ち度はないのに、私自身がその時間を全然楽しめなくて。それと同時に、21歳上の元上司といるときの方が、一番自然体で楽しくいられるということに気づいてしまったんです」

そして、その気持ちが数日経っても揺らがないことを確信し、美香さんの方から気持ちを切り出した。その時から今に至るまで「この人と結婚してよかった」と思う気持ちは変わっていない。

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結婚当初の写真。夫・高浩さんは45歳、妻・美香さんは24歳だった(写真:後藤さん提供)

動じない夫は心の拠り所

「今でも、子どものことやキャリアのことなど、悩んだときはなんでも彼に相談します。彼は『こうした方がいいよ』とは言わず、いつもそのときの気持ちを自分の言葉で伝えてくれるんですが、それに毎回ハッとさせられるんです」

最近では、思春期に入った長女が、親に苛立ちをぶつけることが多くなった。

「私もできる限り共感できるところは共感するけれど、受け止めきれないなと感じることもあるので、基本的には夫が寛容に対応してくれています。本当にありがたいですね」

子どもが多い分、どうしても一人ひとりに対して割ける時間は少なくなる。だからこそ、できる限り夫婦で分担しながらそれぞれの子どもと1対1の時間を作るようにしたり、夫婦で適切な対応を都度話し合うようにしたりしているという。

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取材に応じた後藤夫妻(写真:筆者撮影)

豊富な経験と知識を持つ夫の言葉の中には必ずヒントがあり、たとえ親にも言えないようなことでも夫になら相談できるという。美香さん曰く夫は「どんな時でも感情の起伏があまりなく、動じているところをほとんど見たことがない」。そういう存在は家族にとって、大きな精神的支柱になるだろう。

「みんなの心の拠り所になっていると思いますし、何かあっても彼がいれば安心だ、という気持ちは常にあると思います」

そう語る美香さんの安心した表情が印象に残った。

(後編へ続きます)