【年金密着】家賃2万円で悠々自適の84歳、恋人に告げられた“余命1週間”―「妻を一人でおく訳には…」経営が厳しくても店を続ける86歳
2026年度最初の年金支給日となった4月15日。街では様々な声が聞かれました。物価高に追いつかない年金への不安を口にする人がいる一方で、置かれた状況の中でささやかな幸せを見つけ、豊かに暮らす人々の姿も…。それぞれの人生が垣間見えた、年金受給者たちに密着しました。
■2026年度最初の年金支給日 街の人たちの反応は?

年金受給額 約16万円/月 ©ytv
月々約16万円の年金を受給しているという74歳の女性。夫と息子の家族3人、持ち家で暮らしているそうですが…。
(年金受給者(74))
「私自身は自分の年金で生活できるようにしようと思っているけど、約16万円では足りないです。だから、今切り詰めているのは、衣類を買わないこと。おめかしして行くような所には行かない。ただ、風邪を引いて医療費を払うよりも、暖かくしていたほうが良いし、“健康にはお金を惜しんだらダメ”。水・光熱費などには結構ふんだんに使っています」

年金受給額 月額約12万円 ©ytv
こちらは大阪市内に住む70歳の男性。「月額約12万円の年金では生活が厳しい」といいます。
(年金受給者(70))
「今の(物価の)値上がりに年金がついていってない。“物価高対策”と言っても、年金なんか、そんな上がりませんし…」

夫婦で金銭感覚のズレが… ©ytv
一方、現在の収入は年金のみだというこちらの仲良し夫婦は、金銭感覚のズレがあるようで…。
(夫婦(70代))
「僕は国民年金がメインやから月6万円ぐらい」
「私は厚生年金で15万円」
Q.趣味とか日々の楽しみは?
「別にないなぁ。テレビ見るぐらいしかない。あんまり出かけてない」
「私は出かけて、ポイとお金使ってます。着物が好きなんです。一着50万円ぐらいかな」
Q.ご主人はどう思っていますか?
「ムカついている(笑)」
そう言いながらも“大阪ならでは”の息の合ったご夫婦でした。
■高齢者に人気『スクエアダンス』で人生豊かに!

少ない年金でも楽しんでいることが… ©ytv
(年金受給者(82))
「年金は掛け損なって、月に3万円しかもらってないの」
こちらの女性は、少ない年金でも楽しんでいることがあるといいます。
(年金受給者(82))
「スクエアダンス。週に1回、習いに行っているの。みんな、上手な人ばっかり。私みたいな、年配の人ばっかりだけど、楽しいの」

高齢者に人気の『スクエアダンス』 ©ytv
『スクエアダンス』とは、8人1組で、『コーラー』と呼ばれる人の指示に合わせて踊る、ゲーム感覚のダンスで、今、高齢者に人気なのだといいます。
こちらの教室では、生徒全員が年金受給者ですが、週に1度のレッスンで月々1500円と、年金生活でも通いやすいと好評だといいます。また、ダンスは特徴的な掛け声を瞬時に頭で理解し、行動に移す必要があるため、脳の活性化につながることが期待できるのだとか。

「年金が少なくても…」 ©ytv
Q.常に笑顔でいらっしゃいますね
(年金受給者(82))
「年金が少なくても、豊かに暮らしていると思うよ」
■家賃2万円の部屋で悠々自適な生活!告げられた恋人の“余命1週間”

年金受給額は月額約9万5000円 ©ytv
続いて、年金支給日に出会ったのは、月々の年金受給額が約9万5000円の金子さん(84)。そんな金子さんの自宅へお邪魔すると、家にはたくさんの機材が置かれていました。「撮影した映像の編集用」だといいますが、趣味が高じてプロ並みの機材を集めてしまった金子さん。家賃約2万円のこの部屋で、どんな生活をしているのでしょうか。

部屋の真ん中に布団を敷いて… ©ytv
Q.機材だらけですが、寝るときは、どうしているんですか?
(金子さん(84))
「ここ(部屋の真ん中)に布団を敷いています」

ご飯は小さな炊飯器で炊く ©ytv
Q.食事はどうされているんですか?
(金子さん)
「狭いけど、ガスコンロは、中華料理店が使っているガスコンロのデカいのです。ご飯はこれ(小さな炊飯器)で炊いている。炊きたてが一番おいしいから」
トイレは共同のものを使い、お風呂は近くの銭湯に通っている金子さん。悠々自適な生活を、約20年続けているといいます。

長年連れ添った恋人が… ©ytv
そんな中、つい最近、つらい出来事がありました…。この取材の1週間前に、長年連れ添った恋人(83)が、がんで亡くなったのです。金子さんが医師から伝えられた恋人の余命は、わずか1週間でした。
(金子さん)
「劇的な別れだった。お花見に行った写真とか、釣りに行った写真とか見せて、ぱっちり目開いちゃって、『うんうん』ってうなずいていたけど、会話はできなかった。それから1時間ぐらいかな…眠ったまま息を引き取った。お付き合いし始めたのは20年ぐらい前かな。すごく私に尽くしてくれて、一生懸命、私の好きなものを冷蔵庫に用意してくれて、優しい人でした」

「最愛の人の分まで生きていく」 ©ytv
「最愛の人の分まで生きていく」と、にこやかに語ってくれた金子さんでした。
■時代の流れで客は減少 経営が苦しくても妻のために…

個人商店『ショップ中村』 ©ytv
福岡県にある個人商店『ショップ中村』。この店の店主は中村義則さん(86)。現在は妻と2人暮らしで、受給しているのは国民年金のみだといいます。そんな『ショップ中村』では、駄菓子やたばこ、自身の畑で育てたミカンの販売や、クリーニングの取り次ぎも行っています。

妻と二人で店を切り盛りしてきた ©ytv
長崎県生まれの中村さんは就職で福岡に移り住み、車の運転が好きだったため、選んだ職業は長距離トラックの運転手でした。25歳のときに、3歳年下の妻・弘子さんと結婚し、2人の息子を懸命に育ててきました。そして56年前の30歳のとき、『ショップ中村』をオープン。当時は大繁盛だったといいます。
当時から従業員は雇わず、妻・弘子さんと2人だけで店を切り盛りしてきた中村さんですが、時代の流れとともに街の開発が進み、『ショップ中村』を訪れる客は激減しました。

妻がパーキンソン病に ©ytv
経営が厳しくても中村さんが店を続ける理由は、パーキンソン病と闘う妻・弘子さんのためでした。パーキンソン病は体の震えや筋肉がこわばる症状が出る国指定の難病で、妻・弘子さんは今も数か月ごとに入退院を繰り返す生活を送っています。

口数が減ってしまった… ©ytv
(中村さん)
「やっぱり言葉を、あんまりしゃべらなくなるんですよ。私が言っても、『うん』『はい』って、ただそれだけなんです。もう答えが返ってこない。何でもしゃべって、カラオケ行ったら歌っていたけど、それが全くないです」
大好きだった旅行も、フラダンスも、これまで出来ていたことができなくなり、口数が減ってしまったという弘子さん。それでも「この店だけは、どうしても続けていきたい」と、中村さんに打ち明けたといいます。

自分のお店以外にもアルバイト ©ytv
(中村さん)
「やっぱり、店をやりたい気持ちはあるんですよ。お客さんと対面で話すだけでもいいみたいですね」
そんな妻を支えるために、中村さんは店の経営以外にも、月10日ほどマイクロバスの運転手のアルバイトをしています。

ソフトボールの「鉄人」 ©ytv
86歳とは思えない体力の秘密は、46年間続けているソフトボールです。所属チームの最年長ベテラン投手で、チームメートからは『鉄人』と呼ばれています。そんな中村さんが長年、愛用しているのが、年季の入ったグローブです。

グローブには妻・弘子さんの名前が… ©ytv
つぎはぎだらけのグローブ…。そこにハートマークとともに刺しゅうされていたのは、妻・弘子さんの名前でした。
(中村さん)
「人生いつ終わるか分かんないんですよ。明日なのか分からんし。妻を一人でおく訳にはいかないです。私が元気で面倒が見られる間、私が生きている間は、見たらなあかんです」
(「情報ライブミヤネ屋」2026年4月27日放送)