トランプ氏、共和党内の影響力は今なお強大 予備選で反旗翻した現職議員の公認阻止

トランプ氏、共和党内の影響力は今なお強大 予備選で反旗翻した現職議員の公認阻止
【AFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領は中西部インディアナ州で行われた州上院選に向けた共和党予備選で圧倒的な政治的影響力を示し、支持率の低下やイラン戦争への懸念の高まりにもかかわらず、共和党内での影響力が依然として強固であることを如実に示した。

トランプ氏、共和党内の影響力は今なお強大 予備選で反旗翻した現職議員の公認阻止
5日の予備選では、トランプ氏に反旗を翻した現職候補7人中5人が同氏に送り込まれた「刺客」に敗れ、インフレ、外交政策の混乱、厳しい中間選挙になるとの懸念が共和党を悩ませる中でも、岩盤保守層に対するトランプ氏の影響力が健在であることを改めて示した。

トランプ氏、共和党内の影響力は今なお強大 予備選で反旗翻した現職議員の公認阻止
通常は全米の注目を浴びることのない予備選に数百万ドル(数億円)もの大金が投入されたにもかかわらず、反旗を翻した現職候補のほとんどが二桁差で刺客候補に敗れた。
残る2人のうち1人は勝利したが、もう1人は接戦で勝敗が確定していない。
これらの結果は、少なくとも共和党予備選では、トランプ氏への反逆が依然として大きな政治的リスクを伴うことを最も明確に示した事例の一つとなった。
インディアナ州選出連邦上院議員2人のうちの1人、ジム・バンクス氏(共和党)は米ニュースサイトのポリティコに対し、「ここには大きなメッセージが込められているが、それは新しいメッセージではない」「過去10年間でわれわれが学んだメッセージは、『共和党はドナルド・トランプの党だ』ということだ」と述べた。
トランプ氏はこの結果を大いに喜び、開票が進められる中、ソーシャルメディアで勝利のパフォーマンスを繰り返した。
この予備選は、11月の中間選挙を前に連邦下院選挙の区割り変更をめぐる争いが全米で激化する中で行われた。
刺客を送り込まれた現職議員たちは、トランプ氏が働き掛けた区割り変更案の採決で反対に回り、反旗を翻していた。この区割り変更が実現していれば、州内に残る民主党寄りの選挙区は消滅していた。
トランプ氏の支持者たちは、反逆した現職議員を落選させるために異例の積極的な選挙運動を展開し、インディアナ州にとどまらない大きな影響を与えるであろう結果を勝ち取った。
南部の保守的な傾向の強い各州は、連邦最高裁が最近、投票権法の重要な条項を弱体化させる判決を下したことを受け、新たな区割り変更案を検討している。この判決は、区割りで人種への考慮を制限する内容で、共和党に有利な区割りにつながる可能性がある。
■「揺るぎない忠誠心」
インディアナ州での区割り変更運動に関わる戦略家はポリティコに対し、「今夜の投票結果を受け、区割り変更案の採決で共和党議員が賛成に回る可能性が格段に高まった」と語った。
今回の予備選は、中間選挙を控える米国政治において、二極化が深刻化している現実を浮き彫りにした。
トランプ氏の全米での支持率は、経済的な不満と対イラン軍事作戦をめぐる共和党内の分裂を背景に低下している。
だが、共和党予備選の結果を左右する岩盤保守層の間で、トランプ氏の影響力は今なお強大だ。
この流れは、これから行われる共和党予備選、特に今月末に行われる注目のケンタッキー州の予備選に大きな影響を与える可能性がある。ケンタッキー州の予備選では、トランプ氏に公然と反旗を翻す数少ない共和党下院議員の一人、トーマス・マッシー議員が出馬しており、トランプ氏はその対抗馬を支持している。
アナリストらは、5日の予備選は11月の中間選挙に向けて形成されつつある構図を浮き彫りにしたと指摘する。共和党はトランプ氏を旗頭に結集し、民主党は有権者の広範な不満がトランプ政権への反発につながることを期待している。
民主党のバラク・オバマ政権で大統領上級顧問を務めたデビッド・アクセルロッド氏はX(旧ツイッター)への投稿で、インディアナ州での選挙結果は、なぜこれほど多くの共和党議員がたとえ長年の信条に反するとしても、トランプ氏を支持し続けるのかを如実に示していると指摘。
「トランプ氏は米国民の3分の2からとてつもなく嫌われている。しかし、彼は支持基盤の揺るぎない忠誠心を維持しており、反逆者に対しては、予備選でその支持基盤を武器として攻撃するという脅しをちらつかせている」と述べた。
さらに、「だからこそ、彼が要求した異例の、10年を待たずに行う区割り変更に反対するという蛮勇(と勇気)を示したインディアナ州上院議員に対する報復の脅しを実行に移すことが、(見せしめとして)極めて重要だった」と付け加えた。(c)AFP
【翻訳編集】AFPBB News