米国が中国に「イランを説得せよ」…トランプ訪中直前、北京が握った“ホルムズの切り札”

イラン外相、中国に米国との協議状況を説明…仲介役としての支援に期待

中国、「仲介者」の地位固めへ…実利と外交的名分を同時に狙う

引用:UPI通信

米中首脳会談を1週間後に控える中、中国外相がイラン外相と会談し、ホルムズ海峡の開放や停戦問題を協議するなど、仲介役としての存在感を示した。

米国とイランによる2週間の休戦合意の過程で、中国が一定の役割を果たしたとの見方が出る中、イラン側から「ホルムズ海峡の開放問題を解決できる」との発言まで引き出し、米中首脳会談を前に交渉上のレバレッジを強化する姿勢を見せている。

米国が中国に「イラン説得」を要求…北京はイラン外相を招き外交攻勢

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今回の仲介外交は、米国が先に中国の役割論を公然と提起し、それに中国が呼応する形で展開されている。

米国のスコット・ベッセント財務長官は4日(現地時間)、FOXニュースのインタビューで、イランによるホルムズ海峡封鎖の危機に関連し、「中国が建設的な役割を果たすべきだ」と促した。

これは、世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡問題の解決において、中国の影響力を認める一方、中国がイラン軍事力の資金源となっている点にも言及し、一定の責任があることを浮き彫りにしたものと受け止められている。

特に、この発言が米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談を前に飛び出したことから、中国に対する公開圧力の意味合いが強いとの見方が出ている。

米国の圧力が影響したかは不明だが、中国は直後にイラン外相を北京へ招いた。

中国外務省は、イランのアッバス・アラグチ外相が6日に北京を訪問し、同日午前に中国の王毅外相と会談したと発表した。

また、中国外務省は、アラグチ外相の訪中を発表する際、「応邀(招待に応じて)」という表現を使用し、中国側の要請によって実現した訪問であることを明確にした。

イラン外相の訪中は、2月末のイラン戦争勃発以降初めてで、外交筋では、中国が事実上、仲介局面を主導しようとしているシグナルとの見方が出ている。

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中国の本音…実利と外交的名分の「両取り」狙う

中国が中東問題に積極的に関与する背景には、複雑な戦略的な思惑がある。

まず、ホルムズ海峡を巡る緊張が高まれば、米国が同海域への影響力をさらに強める可能性があり、エネルギー輸送路の安定を重視する中国にとっては大きな負担となる。

実際、中国はイラン産原油の最大の輸入国であり、昨年はイラン産原油の80%以上を輸入したとされる。

また、イランが中国の「一帯一路」構想において、中東と欧州を結ぶ重要拠点となっている点も考慮されたとの分析が出ている。

戦争の長期化は、エネルギーやインフラ協力をはじめとする既存投資全般に打撃を与えかねない。

さらに中国は、ドル中心の金融秩序への依存度を下げ、人民元建て取引を拡大する戦略も並行して進めている。

最近では、イランが人民元や暗号資産でホルムズ海峡の通行料を受け取っているとの報道もあり、「ペトロダラー体制」の弱体化の可能性まで取り沙汰されている。

中国にとっては、イランへの既存投資による利益を守ることも重要な課題だ。

2021年、王毅外相のテヘラン訪問を機に締結された「25カ年協力協定」に基づき、中国は約4000億ドル(約62兆4,000億円)を投資する代わりに、イラン産原油を低価格で供給されることになっている。

イラン情勢が急変すれば、こうした基盤が揺らぐ可能性があるだけに、中国の利害関係は一層鮮明になっている。

同時に中国は、紛争解決の過程で「責任ある大国」としてのイメージを強化しようとする狙いも鮮明だ。

上海国際問題研究院・中東研究所の劉中民教授は、中国国営メディアの環球時報に対し、「米国とイスラエルがイランを攻撃した後、中国は一貫して建設的な役割を果たしてきた」とし、「今回のアラグチ外相の訪中も、そのような努力の一環だ」と述べた。

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中国に仲介役期待のイラン…高まる「中国カード」の存在感

中国による仲介外交は、すでに一定の成果を上げているとの評価も出ている。

中国とイランのこの日の外相会談で、中国側はアラグチ外相から「ホルムズ海峡の開放問題は早期に解決できる」との発言を引き出したほか、停戦実現に向けて中国が積極的な役割を果たしてほしいとの直接的な要請も受け、注目を集めた。

中東紛争の当事国である米国とイランの双方から仲介役として期待を寄せられたことで、中国は両国間交渉におけるレバレッジをさらに強化した格好だ。

王毅外相はこの日の会談で、全面的な停戦と対話の必要性を改めて強調し、ホルムズ海峡を巡っては、国際社会が求める正常な航行再開に当事者が応じるべきだと促した。

中国外務省によると、アラグチ外相は会談で王毅外相に対し、米国との最近の交渉状況やイラン側の紛争終結構想について個別に説明したとのことだ。これは、イランが中東問題について中国と積極的に協議しているとのメッセージとも受け止められている。

国際危機グループ(ICG)のアリ・バエズ顧問はロイター通信に対し、「中国はイランを最初の交渉テーブルへ導いた実績があり、イランが再び協議に乗り出せば、中国が外交的に重要な役割を果たすことになる」と評価した。

外交筋では、米国とイランが2週間の休戦に合意する過程でも、中国が水面下で一定の役割を果たしたとの見方が出ている。

王毅外相は先月の休戦合意成立前までに、イラン、ロシア、サウジアラビアなど関係国と26回にわたり電話会談を行い、仲介に向けた調整を続けてきた。また、米国とイラン双方に配慮する「バランス外交」を展開したとも評価されている。

米中首脳会談を前に、中国がイランに対する影響力を交渉カードとして活用しようとしている点については、おおむね見方が一致している。ただ、イラン問題の解決策を巡る米中の温度差は依然として大きい。

シンガポール南洋理工大学国際関係大学院の李明江教授は、「米国は中国を通じてイランにさらに強い圧力をかけ、譲歩を引き出そうとしているが、中国がイランとの関係を犠牲にしてまで米国の要求を受け入れる可能性は高くない」と指摘した。

一方、米国側は、ドナルド・トランプ大統領が14~15日に中国を訪問し、習近平国家主席と首脳会談を行う予定だと明らかにしている。

中国側は関連日程を正式には確認していないものの、この日の外務省会見では「トランプ大統領の訪中時期について、中米双方は意思疎通を続けている」と説明した。

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