ユニクロ「おしゃれな人は一切持っていない」今から買ってはいけない“人気アイテム”ワースト5

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第573回をよろしくお願いします。

メンズファッションバイヤーのMB。「『おしゃれに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

◆「ユニバレ必須」のアイテム

 もはや「国民の制服」とも言えるユニクロ。老若男女問わず一度も袖を通したことがない、という人はもはや皆無でしょう。品質がよく、コスパのよいユニクロですが、国民着だからこその問題が「ユニバレ」。

 今回はユニクロが「あまりにも売りすぎた、作りすぎた」ことで電車に乗れば1両に2、3人は見かけてしまう……。そんな「ユニバレ必須」の買わないほうがいいアイテムをご紹介しましょう。「皆が着てるもの」って安心感はあるけど、おしゃれにはなりにくいんだよねえ……。

◆「令和のバーキン」は作りすぎ・売りすぎた

・ラウンドミニショルダーバッグ 1500円

ラウンドミニショルダーバッグ

「令和のバーキン」と持て囃されるほど売れに売れたラウンドミニショルダーバッグ。日本のみならず世界的な大ヒットでユニクロのバッグ史上最高の売上数を叩き出した名作です。

 ミニバッグやサコッシュに辟易としていた中、程よい大きさと洗練されたフォルムで市場を席巻したこちら。このサイズでペットボトルも入るし軽量で持ち運びやすく、かつワンショルダーで服のシルエットも崩さない。よく考え込まれたデザインです。

 ……しかしながら、ユニクロはさすがにコレ、作りすぎた。普通この手のブランドビジネスは「爆発的に売れたら流通量を抑える」のがセオリー。

 NIKEもエアフォースが売れに売れて値崩れが起き始めたとき、急いで生産量を調整し流通制限をかけ、ブランド価値を維持しました。

◆おしゃれな人は一切持ってない

 売れるのはいいことなのですが、「おじいちゃんも子供も持ってる服」というのは「おしゃれなイメージ」から急速に離れていってしまうのですね。なので価値を高めるために1シーズン展開をおやすみするとか、販売店舗を限定するとか、そうした措置をとるのが普通です。

 ユニクロはこれを好機とあまりにも大量のバリエーションを作り、カラーも豊富、素材も豊富、シーズンレスで1年中売り続けるということをしました。結果売れに売れて数字は作れましたがトレンドは一気に収束。今では「令和のバーキン」から「電車の中で何十人も見かけるただのバッグ」に成り下がりました。

 もっとも「おしゃれ用」ではなく「実用品」としてある程度は売れ続けるでしょうから、数字的にはユニクロが正しいのですが……。ただ「令和のバーキン」「安いけどおしゃれ」と思って買った人はなるべく早く見切りをつけるべきだと思います。

 本当に地方でも都会でも海外でもどこでも見ますからねこれ……しかも、もうおしゃれな人は一切持ってない。

◆令和のバーキンをアップグレードするなら?

・パッカブルショルダーバッグ 2990円

パッカブルショルダーバッグ

 おしゃれ目線ならこちらがおすすめ。

 ユニクロUやユニクロCなどの限定ラインは展開店舗数も少なくまさに流通量の少ない「ブランドビジネス」をしている印象です。

 このバッグも色合い・素材感など含め今っぽいトレンド満載。令和のバーキンのアップグレードバージョンとしてぜひどうぞ。

◆もしかして世界で一番売れてる無地Tはコレ?

・エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ/5分袖 1990円

エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ/5分袖

 仕事上、海外によく行くのですが、ヨーロッパでもアジアでもどこに行っても見かけるのがこのTシャツ。旅先ユニクロに行くとどの国でも大量に積んであり、販売されています。日本だけのヒットかと思いきや世界中で大ヒットしているのですね。

 しかも、ユニクロはこの手のTシャツをシーズンレスで売り続ける。春夏のみならず秋冬に行っても必ず目立つように置いてあるし、これもしかして「世界で一番売れてるTシャツ」かもしれないな……。

◆良品なのは間違いないんだけど…

 ユニクロも売れすぎて「被り」を気にする人が多かろうと、未だかつてないほどの色バリエーションを展開し「個性に合わせて色を選べば気にならないよ!」と提案。確かにサイズや色を調整することで「他にない着こなし」や「おしゃれな印象」を作ることもできます。しかしながら、それでももう発売から数年経ち、あまりにもYouTuberが紹介し浸透しすぎた。

 当初は表側がコットン、肌面がエアリズムという「見た目と実用性を兼ね備えた傑作」が話題になりましたが、今や他ブランドでも多く展開されています。GUでも似たようなアイテムが展開されておりしかもユニクロよりも安い。

 加えてシルエットのトレンドが「オーバーサイズ」から「ややフィット感のあるコンパクトサイズ」に進んでおり、このアイテムを買う理由がなくなってしまいました。それでも良品なのは間違い無いんだけど……売れすぎたのよね。

◆今買うならオススメのTシャツは?

・ドライカラークルーネックTシャツ 590円

ドライカラークルーネックTシャツ

 今買うならこっちの方がおすすめ。

 明らかにトップスのサイズはどんどん小さくなってきており、このドライカラーが一番トレンドライク。服好き、おしゃれ好きな人ならこのTシャツの良さわかるでしょう。

 実際業界の人でこれを着ている人ちらほら見かけます。コットンにしか見えないけどポリエステル混紡で洗っても風合いが変わらずしかも590円でカラバリも豊富。ユニクロとはどう考えてもバレない超シンプルデザインで、今のトレンドぴったりのシルエット。超おすすめです。

◆男女問わず超絶大量生産されたスウェットパンツ

・スウェットワイドパンツ 2990円

スウェットワイドパンツ

 これ最高のアイテムです。スウェットなのに洗ってもシワの一つもつかず楽ちん。光沢感たっぷりの風合いで大人っぽく遠目にはスラックスに見えるほど。着心地がとにかくいいので飽きたら部屋着にしてもお釣りが来る。

 ワイドシルエットトレンドとスウェットトレンドをうまく拾ったこのアイテム。おしゃれ層がこぞって購入し、今ではハーフパンツ、パーカーなど同素材で複数展開されておりさまざまな着こなしが楽しめます。

◆独自性が霞んでしまった

 しかしながら、こちらもあまりにも売れすぎて街中でたびたび見かけるようになってしまった。加えてGUが「キャロットパンツ」などのシリーズでほぼ同じようなポンチ素材のスウェットを展開し始めており、独自性が霞んできました。

 ズドンと太いドカンのようなシルエットがユニクロですが、GUはメリハリをつけたスラックスデザインになっており今のトレンドならこちらの方がおしゃれに感じる。

 他ブランドにも大量に真似されてかつ値段も下にくぐられており、ユニクロの特別感は消えつつあります。

 それでも着心地もいいし、部屋着としても使えるから損のないアイテムですけどね。「被り」を気にするならGUのほうが生産数が圧倒的に少ないのでおすすめです。

◆アウトドア・ソロキャンブームで一気に拡散されたこちら

・ギアショーツ 2990円

ギアショーツ

 いっときのアウトドア・ソロキャンブームの中で強烈に支持されたのがこちら。本格的なアウトドア用ショーツがこの値段で手に入ると話題になり、国内外で幅広く売れたようです。

 このサイズのショーツなのになんと6ポケットを装備しており、しかもそれなりの収納量を誇ります。生地は撥水性が高く汚れにくいいわゆる「シャカパン」。

 ベルトはウェイビングベルトを装備しており、片手でウエスト調整ができる優れ物。耐久性も高く、シルエットもそれなりに綺麗なので、「今までグラミチ買ってたけど、ユニクロでいいわ」と乗り換える人も多かった。

 海外でも非常に評価が高く「このクオリティで2000円はあり得ない!」とアウトドアトレンドと相まって愛されました。

◆トレンドは一気に収束…

 しかし、気がつけばアウトドアトレンドはどこへやら。アウトドアの火付け役とも言えるブランド「スノーピーク」も最近はセールが酷く、ソロキャンブームもすっかり終焉。

 ショートパンツもアウトドア用のこうしたシャカパン系、短い丈のものなどが少しずつ下火になってきており、今は逆にスケーターのような少し長めのハーフパンツがトレンドに。

 ギアショーツは展開が独特な派手色が多く「すぐバレる」のも難点。一気にトレンドは収束しています。

◆トレンドを気にするならこちら

・カーゴショーツ 2990円

カーゴショーツ

 今買うならこちらがおすすめ。

 DiorディレクターであるJWアンダーソンが開発したこちら。ヴィンテージ感のある加工をしたカーゴショーツ。

 サイズ感はゆるく、着丈も少し長め。今のトレンドっぽい「ミリタリー」「ハーフ丈」「ヴィンテージ」とすべてが詰まっておりかつ流通量も少ないコラボ品。ギアショーツも良品ですがトレンドを気にするならこちらでしょう。

◆スーツに替わる「ビジネス街の制服」

・エアリズムカノコポロシャツ/ボタンダウン 2990円

エアリズムカノコポロシャツ/ボタンダウン

 夏、ビジネス街に行くと必ず見かけるのがこちら。ポロシャツがビジネスシーンでOKとなってからは、ビジネスマンはポロシャツ探しに余念がありません。

 当初はラコステやフレッドペリーなどの王道に進む人も多かったですが「台襟」がないポロシャツはスポーティーなイメージが強くどうしてもおじさんくさくなってしまう。

 そこでユニクロはシャツ同様にネクタイを結高さがある「台襟」を装備させたポロシャツを発売。加えてエアリズム素材で通気性が良く猛暑に苦しむビジネスマンの救世主となりました。

◆エアリズムポロはもはや作業着

 今や日本のクールビズは「スーツを脱いでエアリズムポロを着る時期」になったくらい浸透しました。いつもはスーツですがクールビズになるや感動パンツとエアルリズムポロにされている人も多いはずです。

 これらは「おしゃれ」ではなくもはや「作業着」ですから、別にトレンドを気にする必要も「ユニバレ」を気にする必要もありません。仕事で使う「作業着」ですからね。

 しかしながら少しでも「おしゃれをしたい」と思うのであればさすがに山手線で「10人単位で被る」エアリズムポロを選ぶことはありません。エアリズムポロは作業着として、大事な時におしゃれをしたい時用にもう1枚ポロシャツがあっても良いのかも。

◆まだ世間にはあまりバレていない

・ウォッシャブルニットポロセーター 2990円

ウォッシャブルニットポロセーター

 ということでこちらです。ユニクロ近年の名作です。

 ただ、昨年から展開されはじめたばかりでまだ世間にはあまりバレていない。

 光沢のある生地とクラシックなデザインが特徴、かなり渋く大人っぽいです。同じポロシャツでもこちらニット素材。雰囲気がドレッシーでめちゃくちゃイケています。

 これに感動スラックスを合わせるだけで伊勢丹で揃えたおしゃれビジネスウェアな印象に。差をつけるならこちらがおすすめ。そして意外と通気性もよく着用感も快適ですのでご安心を。

【MB】

ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)