40mm厚装甲、武装は重機関銃と対戦車ミサイル……残骸の写真から見る試作歩兵戦闘車「BMP-55」の性能
試作車の残骸が見つかる

陳腐化した旧型戦車T-55を改修した、ウクライナの試作歩兵戦闘車の残骸とみられるものが写真に収められた。詳細がほとんど知られていない車両だが、写真から分かることをまとめてみよう。
「BMP-55」の残骸か

問題の歩兵戦闘車「BMP-55」の残骸とみられるものが写った写真は4月下旬からSNSに出回り始めた。初出はあるテレグラムチャンネルだとも言われているが、そこにはウクライナのどこかで破壊されたと思しき試作車両「BMP-55」が捉えられていた。
画像:X @T_90AK
損傷は部分的か

ウクライナの軍事メディア「Militarnyi」は写真について、「同車両にはまだ履帯(キャタピラ)や煙幕弾発射機が備わっており、対戦車ミサイルランチャーの痕跡も見られる」としている。だが、そもそもBMP-55がいかにして戦場に投入されたのかは明らかとなっていない。
画像:X @T_90AK
ソビエト時代の戦車を流用

BMP-55は、ソビエト時代の戦車「T-55」の車体に近代的な装備を載せて作られた試作車両だ。
画像:Wiki Commons, Uncedited, Public Domain
旧式の戦車を近代化

「Militarnyi」はこう書いている:「現代的な戦場では使えない旧式の戦車を、歩兵輸送に使える装甲車両に転換するというのがこの改修の主要な目的だ」
画像:Wiki Commons By Khaosaming, Own Work, CC BY-SA 3.0
多くは知られていない

BMP-55についてはあまり情報がない。軍事メディア「Defence Blog」は、同車はハルキウ機械設計デザイン事務所(Kharkiv Machine Building Design Bureau: KMBD)で設計されたとしている。
近代化計画の一環

ウクライナはかねてから、陳腐化してしまったソビエト時代の戦車T-55を再利用する改修・転用計画を進めており、BMP-55もその一環だ。
砲塔は撤去

BMP-55ではT-55の砲塔は撤去され、エンジンとトランスミッションは車体前方に移動している。そのため一風変わった見た目となっているが、歩兵を運搬する空間も生じている。
画像:X @T_90AK
エンジンを前方に移し、歩兵輸送用に

エンジンを前方に移したことで、車体後部に乗り降りのための板を付けることができるようになり、戦闘中の素早い乗降が可能となっている。
画像:X @T_90AK
優れた防弾性能

「Defence Blog」ではBMP-55の装甲を40mm厚と見積もっており、これはNATOの防弾規格STANAG 4569のレベル4(200m離れた距離から発射された14.5×114mm弾を防ぐ)に相当するという。
画像:X @T_90AK
地雷にも耐えられる

また、BMP-55は車体装甲も増圧されたと見られており、TM-57対戦車地雷にも耐えられる(NATO規格でレベル5に相当)とされている。
ソビエト時代の歩兵戦闘車よりも優れている

こういった性能諸元から「Militarnyi」は、BMP-55の装甲はソビエト時代の歩兵戦闘車BMP-1やBMP-2よりも優れているとしている。
輸送力や火力もある

BMP-55の本懐は歩兵輸送にあり、最大10人の兵士を輸送可能だ。運転には3人のオペレーターが必要で、作戦中には火力支援を行うこともできる。
重機関銃と対戦車ミサイルで武装

軍事メディア「The War Zone」は先述の写真から、BMP-55の武装として遠隔操作式の12.7mm重機関銃及び2機の対戦車ミサイルランチャーがあると報じている。
画像:Telegram @mag_vodogray / Edited by The Daily Digest
可能性としての試作にとどまっていた

「Defence Blog」によると、BMP-55は試作段階にとどまっており、旧型の戦車T-55を保有する国に経済的な転用プランを提示する、ひとつの可能性に過ぎなかったという。
貴重な一両

「The War Zone」はこれまで存在が確認されたBMP-55の完成品は一両しかなかったとしており、それだけに今回その一両と見られる車両の残骸が発見されたことは「特筆すべきこと」であると述べている。
画像:X @T_90AK
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