大人気のミャクミャク御朱印帳 想定外の使われ方に驚き「邪道かもしれないが…」

万博会場で人気を集めているミャクミャクをデザインした御朱印帳と入場記念証=京都市南区
2025年大阪・関西万博の会場で販売されている「ミャクミャク御朱印帳」が異例の人気だ。
寺社の参拝の証しを記録する御朱印帳は1カ月で100冊売れれば上々というが、開幕から1カ月で約6千冊を出荷した。製作したのは、従来の発想を超える数々のユニークな御朱印帳を開発してきた京都の製本会社。万博会場ならではの想像を上回る利用方法が、空前の人気を支えている。
「半年の会期中で、1千冊くらい売れたらと思っていたんですが…」
公式キャラクターのミャクミャクを前面に押し出したデザインの御朱印帳を手掛けた早和(そうわ)製本(京都市南区)の御朱印帳担当取締役、津岡正男さんは予想外の売れ行きに驚きを隠さない。
万博を機に、日本独特の文化である御朱印帳を知ってもらいたいと、新商品を考え始めたのは昨年の春。公式ライセンス商品にはさまざまな条件がある。資金面などで従業員11人の小さな会社には荷が重いといったんは諦めたが、約半年後に博覧会事務局側から「日本文化の発信につながる」と打診を受け、参加の決意を固めたという。

ミャクミャク御朱印帳のデザインを手掛けた早和製本の津岡正男さん=京都市南区
御朱印帳は四国の伊予和紙を使い、墨が裏面に染み出ない特殊加工を施した蛇腹折りの24面タイプ(片面12面)。表紙は長方形の通常版とミャクミャクをかたどった凸凹版の2種類を用意した。
万博会場内で特典の入場記念証シール付き(税込み1760円)で販売を始めると、開幕直後から次々と追加発注が舞い込むようになった。
なぜこれほどの人気なのか。答えは会場内にあった。
自身も万博好きで既に5回会場へ足を運んだ津岡さん。現場で目にしたのは、各国のパビリオンや施設に設置されているスタンプを御朱印帳に集めて回る来場者の姿だった。万博会場などには公式スタンプラリーとして200個以上が設置されていて、御朱印帳をスタンプ帳として活用する人が多いようだという。
津岡さんおすすめの使い方は、海外パビリオンのスタッフらとの交流ノートだ。津岡さんが「あなたの国の言語で自由に書いてください」とお願いすると、10を超える国や地域の人が快く応じてくれた。「どんな言語でどんな言葉が書いてあるのかを知るのもわくわくするし、万博に来た思い出としてずっと残すことができる」と話す。

企業などとコラボレーションして作った早和製本の御朱印帳
しかし、御朱印は本来、寺社を参拝した証しだ。スタンプ帳に使われることに、津岡さんは「邪道と言われるかもしれないが、私はいいと思います」。
製本や印刷を手がけてきた同社が、御朱印帳を作るようになったのは約10年前。既に御朱印ブーム真っただ中で後発組に位置する。新技術や発想力で商品開発を進め、中でも若者世代や外国人観光客をターゲットに、菓子メーカーなどとコラボレーションした数々の商品を手がけてきた。
背景には御朱印帳文化や和紙の良さを知ってもらいたいという思いがある。ミャクミャク御朱印帳の多様な使われ方に、津岡さんは「御朱印という文化に興味を持つ人が増えるとともに、万博を盛り上げるアイテムとして使ってもらえれば」と願っている。
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ミャクミャク御朱印帳は万博会場の東ゲートで販売。問い合わせは早和製本の御朱印帳専用番号(070・5558・8454)。(杉侑里香)