ハーバード大学VSトランプ政権:最新の動向
対立の激化

トランプ政権とハーバード大学の対立が激しくなっている。トランプ大統領は、新規留学生の入国を6ヶ月間停止し、ハーバード大学に在籍している留学生のビザ取り消しを検討するという文書に署名した。
大統領の布告

この文書は、大統領の布告としてホワイトハウスのウェブサイトで6月4日に発表され、「ニュース(News)」の中の「大統領の行動(Presidential Actions)」という項目の下に収められている。
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大学側は差し止めを要求

翌日、ハーバード大学はマサチューセッツ州連邦地裁に布告の差し止めを要求した。
一時的に差し止めが決定

連邦地裁のアリソン・バローズ判事は申し立てに応じ、大統領の布告を一時的に差し止める命令を同日中に出した。CNNなどが報じている。
期限の延長

ロイター通信によると、この一時的な差し止め命令は、2週間後の6月19日に期限を迎えることになっていた。それに先立つ16日、連邦地裁ではハーバード大側の意見陳述のための審理がもたれ、バロウズ判事は差し止め命令の期限を19日から23日まで延ばすことに決めた。
「なるべく早く意見を打ち出す」

審理の終わりにあたってバロウズ判事は、もう少し時間をかけて裁定を作成したいと話し、「なるべく早く意見を打ち出す」と語ったという。ロイター通信によると、バロウズ判事はオバマ大統領によってその職に任命されている。
国家安全保障上の懸念

問題となっているこの布告のなかで、トランプ大統領はしかじかの決断に至った根拠として、国家安全保障上の懸念をあげている。
ハーバード大学を非難

それによると、留学生を受け入れる教育機関は、留学生についての(身元や違反行為などの)情報を連邦政府の求めに応じて不足なく提供する必要がある。にもかかわらず、ハーバード大学はこの点をずさんにしているのだという。
「機会の平等」

また、ハーバード大学が米国人の「機会の平等」を損ねているという主張もこの布告書ではなされている。
「非平等主義的な国から学生を受け入れている」

「ハーバード大学は米国人を入学させるかわりに、米国とその同盟諸国を破壊しようとしている国や、米国や同盟諸国の人々を殲滅せんとする国など、非平等主義的な国から学生を受け入れている」というのだ。
ハーバード大学が即座に反応

布告が出された6月4日、ハーバード大学インターナショナルオフィス(HIO)はウェブサイトで短い声明を出した。その全文は以下のとおりである。
「法に抵触する報復的な処置」

「これはまたしても法に抵触する報復的な処置であり、憲法修正第1条に保障されているハーバード大学の権利を踏みにじるものである。ハーバード大学はこれからも外国人留学生を守り続ける所存だ」
学長の発信

その翌日、6月5日、ハーバード大学のアラン・M・ガーバー学長は「留学生と外国人研究者にたいする支援についての最新情報」と題した文章を同大学ウェブサイトに掲載した。この文章は「同大学コミュニティの構成員各位」に宛てた書簡という形をとっている。その一部を引用しよう。
留学生の利益を擁護

「私たちは一人一人が、真にグローバルな大学コミュニティの重要な部分を成しています。(中略)私たちは国外からやってくる学生や学者をことほぎ、サポートし、その利益を擁護し、私たちの憲法上の権利を引き続き主張していく所存です」
学生総数の27.2%が留学生

ハーバード大学によると、同大学には2024-2025年度、6,793人の留学生が在籍しており、これは学生総数の27.2%にあたる。
「15%以下にとどめておくべき」

一方でトランプ大統領は、ホワイトハウス執務室で記者団に対し、同大学は留学生の割合を学生総数の15%以下にとどめておくべきだったと述べている。この発言は5月28日になされたもので、ロイター通信をはじめ各社が報じている。
「とても過激な人々」

ハーバード大学の学生新聞『ハーバード・クリムゾン』によれば、同じ会見でトランプ大統領はこうも語った。「ハーバード大学にはとても過激な人々がいる。世界の非常に過激化しているエリアから人々を受け入れているからだ。こういう人々にわれわれの国で面倒なことを起こされるとたまらない」
トランプ大統領の事実誤認

トランプ大統領はさらに、留学生のリストを提出していないとしてハーバード大学を非難しているが、『ハーバード・クリムゾン』紙によるとこれは事実誤認だという。学生たちの名前と出身国は国務省のデータベースに保管されており、また大学ウェブサイトでは、どの国から何人の留学生を受け入れているか公表されているからだ。
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