「指名No. 1」「億男」「○○を推せ」全部NGでホスト看板が「黒塗り」に! 線引きが曖昧で“現場”は混乱? 改正風営法の影響を徹底取材

「指名No. 1」「億男」「○○を推せ」全部NGでホスト看板が「黒塗り」に! 線引きが曖昧で“現場”は混乱? 改正風営法の影響を徹底取材

新宿・歌舞伎町に“黒塗りの看板”が並んでいる。6月28日から風営法が改正され、ホスト業界に“異変”が起きているのだ。テレビ朝日社会部の岡部蒼人記者に「改正風営法の詳細」と「ホスト業界で起きている異変」について聞いた。

“黒塗り看板”について岡部記者は「改正風営法によって、ホストクラブなどの社交飲食店の宣伝広告への規制が盛り込まれた。警察庁の通達によると、ホストクラブのようなきらびやかな広告が著しく遊興と飲食の意欲をそそり、違法な営業や料金トラブルなどを助長していることを問題視して、今回広告が規制の対象になった。黒塗りの看板の下にはおそらく『No.1』や『総支配人』などの役職が書かれていると思われる。これらの文言がホスト同士の競争をお客さんに煽り、それが高額な飲食をさせる要因になっているとされて規制の対象になった」と説明した。

他にも規制される文言として「『年間売り上げ1億円突破』などは事実であれば問題ないと思われるかもしれないが、『あなたがたくさんお金を払ったおかげでこんな広告も設置することができた。次は2億円を目指したい』など高額な飲食を過度に煽る危険性があるとして今回規制の対象になる。『幹部補佐』などの役職についても営業成績が上位であると推測できてしまう点からホスト同士との競争を過度に強調していて規制の対象になる」と述べた。

ホストクラブの営業自体にも変化が起きているという。

岡部記者は「例えば店内で『No.1』『No.2』『No.3』というランキング制度が廃止され、毎月の締め日などに行われていた『今月1番売れたのはこの人』などという売り上げの発表をやめる店もあるようだ。その結果、お客さんからすると頑張って注文しても自分の担当ホストの成績が見えづらく、ホストにとっても仲間同士で争う競争意識がなくなる面がある」と説明した。

警察も分かっていない?

ホストクラブという“現場”では何が起きているのか? 冬月グループ統括ディレクター 橘優輝氏にも話を聞いた。

橘氏は改正風営法について「まず大きく変わったのは看板差し替えだ。歌舞伎町中の看板、店舗の看板、あとは店内の“ナンバー表”なども全部外して新しく差し替えた。また、元々『No.1』を目指した男の子たちは『どういうモチベーションでホストを続ければいいのか』と悩んでいる子も数人いる」と実情を語った。

一方で橘氏は看板などに掲載できない文言については「警察もわかっていないようだ」と戸惑いを見せた。

「具体的な数字に関わるようなもの、お金にまつわるようなことは載せてはダメとなっている。とはいえ、キティちゃんみたいに“リンゴ何個分”と表すのはOKなのかはわからない。また、『生誕祭』は明確にNGだが、バースデー『パーティー』は許されるのか警察もわからないようだった」

さらに橘氏は「広告・看板に関しては少し厳しいのでは、という本音はある」としつつも「数字だけにとらわれては良くない。より健全な売り方、お店もホストもキャバ嬢さんも、真っ当なやり方で健全な売り上げを上げられる店や人が生き残り続けてほしいし、そうではない店や子たちは淘汰、もしくは変化していってほしい」と述べた。

無許可営業の罰則が150倍の3億円に

橘氏が指摘した“線引きの曖昧さ”について岡部記者は「例えばホストの方がSNSのライブ配信などで『今月1位を目指しているので、明日の営業に来てたくさんお酒を入れてください』と宣伝する点について関係者の方に話を聞いたところ、『広告・宣伝に関する条文はホストクラブの店舗の周辺の環境を害さないことを目的としているため、ネット空間であれば場所が変わるため規制はされないのでは』という声もあった。一方で、今回の風営法改正の1つとして、客の恋愛感情に乗じて酒などを注文させる、いわゆる“色恋営業”はNGとなった。ホストとお客さんという関係が明確な上で、SNSの生配信などで『俺と別れたくないならシャンパンを入れて』などと要求することは営業行為の一部とみなされる可能性もあるという声もある」と現状を説明した。

ホストクラブにここまで厳しくなった背景には何があるのか?

岡部記者は「ルールを守って健全に営業しているホストクラブもあるが、一部のホストクラブではお客さんに多額の売掛金を背負わせたり、支払いができなくなったお客さんに対して風俗のスカウトを通じて違法な売春をさせる行為などがあり、これが問題視された」と述べた。

さらに、改正によって罰則も変わるという。

「このようにルールが増えてくると風俗営業の届け出を出さずにこっそり営業する接待飲食店も増えてくる可能性がある。そこで無許可営業に対する罰則が200万円から150倍の3億円に、経営者個人に対する罰則も拘禁刑も2年以下から5年以下に、個人に対する罰金も200万円以下から1000万円以下に変更された」

(ABEMA/ニュース企画)

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