安倍晋三元総理の三回忌追悼行事 銃撃現場でNHK党・立花孝志氏が演説を行い現場はドタバタ

献花台は多くの花で溢れており、日本会議奈良支部の面々が花をケースに移し替える場面も
’25年7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で安倍晋三元総理の三回忌追悼行事が行われた。
3年前の7月8日、参院選の候補者応援演説に駆けつけた安倍元総理が同駅前で演説中、山上徹也被告(44)が用意した手製の銃器を発砲し、凶弾に倒れた。
殺人や銃刀法違反などの罪に問われている山上被告の裁判は、今年10月28日に初公判が開かれることが決まっており、これまでに7回の公判前整理手続きが行われた。山上容疑者は母親が旧統一教会に多額の寄付をしていたことから恨みを募らせ、事件を起こしたと供述している。
NHK党の街宣車が…現場は物々しい雰囲気に
銃撃現場の近鉄大和西大寺駅前に設置された献花台には朝から多くの人が訪れ、弔問者の数は3日間で約1700人あまりだったという。
献花台は7月6日から8日まで設置され、日本会議奈良支部が係員などを配置した。金属探知機による検査を行い、献花台へ進むルートが設定されていた。事件が発生した同時刻の11時31分には黙とうが行われ、現場は静寂に包まれた。
黙とうが終わり、献花等が粛々と進む中、NHK党の街宣車がやって来た。立花孝志党首が現場近くで街頭演説を行うということだ。
当初、駅ロータリーでの演説が予定されていたようだが、警察の指示により場所が変更となり、献花台が設置されている商業施設の並びにある立体駐車場前に演説場所が設定された。
街宣車が動くたびに現場で警備にあたっていた機動隊員らも一斉に移動し、街宣車や周囲を見守っていた。
街宣車がいよいよ演説準備を行うと、機動隊員のほかに私服警察官らが周囲に配置され、現場は物々しい雰囲気に。元々演説を聞きに来た人や、献花を終えた人の一部が演説場所の周辺に集まり始めた。
「意外とまとも」「こんな時に売名してんのか」弔問者の反応
12時30分過ぎ、立花党首を乗せた車が到着した。冒頭、安倍元総理への黙とうを行い、演説がスタートした。
立花党首は、
「このような派手な格好で哀悼の意を表するのは、非常に緊張もし、何か怖い思いもある。当時、テレビで一報を聞いたときはどうか命だけは助かってほしいと。あんな優しかった人が、あんな強かった人が……そういう思いで3年前を迎えた。特別国会の際、本会議場を退出される際、笑顔でこちらへ来られ、他党の私に『頑張ってね』とひと言声を掛けていただき、本当に優しさや強さを感じた。
今日、この場に私が来ていいのか、悩みもしましたが、私はこれからも政治家として国民の生活とこの国を守るという自負がある。いずれにしても安倍晋三元総理本当にありがとうございました。これからも日本のことをよろしくお願いいたします」
と神妙な面持ちで安倍元総理への思いについて演説を行い、20分ほどでその場を後にした。
街宣車のスピーカー音量も普段よりは小さいボリュームで演説しており、いつもの「NHKをぶっ壊す」のフレーズも一切言わない演説会となった。
演説を聞いていた40代の男性は「安倍さんの献花に来たけど、演説しているのを知って聞きに来ました。案外まともなこと言う人なんやなと見方が変わりました」と話す。
また、献花を終えた50代の男性は「奥のほうで誰か演説してる思ったけど立花やとわかってこんな時に売名してんのかなと感じた。来るんやったら安倍さんに手合わせてそのまま行けばいいのに」と話した。
一方、奈良市内の霊園には安倍元総理の慰霊碑である「留魂碑(りゅうこんひ)」が建立されており、遊説で訪れていた石破総理が献花・黙とうを捧げたが、奈良市内の参院選候補者の応援演説のため10分弱でその場を後にした。

事件発生時間の11時31分に黙とうを行う参列者たち。当時演説を行っていた場所は花壇になっている

NHK党街宣車が到着すると機動隊員らが警戒を行っていた

演説を行うNHK党の立花党首

’22年7月8日の事件発生当時、現場は緊迫した雰囲気に包まれていた
取材・文・PHOTO:有村 拓真