「安全の保証」も含まれず ウクライナが和平案拒否 米は圧力強化か

ウクライナの国旗=ゲッティ
ロシアとの停戦へ向けて、ウクライナと米英仏独の政府高官が協議した23日のロンドンでの会合は不調に終わった。米国の和平案はロシアによる占領を追認する内容で、ウクライナは受け入れられなかった。今後、停戦実現を「成果」としてアピールしたいトランプ米政権から、さらなる圧力がかけられるおそれもある。
会合に出席したウクライナのイエルマーク大統領府長官は終了後、X(ツイッター)で「我が国は核心となる原則を堅持し続ける」と訴えた。ウクライナは、露軍に占領された領土の割譲を認めない立場で、今回もその方針を貫いた。
キーウ国際社会学研究所が今年1月に発表した世論調査によると、「停戦のために領土の一部を割譲してもよい」と答えたウクライナの市民は38%だった。戦争長期化に伴って賛成の割合が増えているものの、世論の多くは反対している。
ウクライナは停戦交渉にあたり、ロシアの再侵攻を阻止するための「安全の保証」も強く求めてきた。
米ニュースサイト「アクシオス」の22日の報道によると、米国の和平案はこの点について明確な内容を含まず、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は不可としている。領土問題に加え、安全保障面でもロシア寄りの内容だったことから、ウクライナは承服しかねたとみられる。
イエルマーク氏は「即時かつ無条件での停戦が交渉の第一歩でなければならない」との立場を米側などに伝えたとXに記した。【ベルリン五十嵐朋子】