「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤(宮崎紘一)

かつて尾崎は所かまわずスパスパと(C)日刊ゲンダイ
24日から始まった男子ツアー新規大会の「前澤杯 MAEZAWA CUP」(千葉県・MZ・GC)。10日間のプロアマ戦の参加費を1組100万円で販売するなどの企画が話題を集めたが、大会が始まる直前に、ある問題が物議を醸した。大会を共催する日本ゴルフツアー機構(JGTO)から、主催者の前澤友作氏に問い合わせがあり苦言を呈した一件だ。
前澤氏は自身のXにその内容を公開している。「JGTOより、ホールとホールの移動の際に、選手やキャディーがたばこを吸ってもいいですかと問い合わせがあり、耳を疑いました」「もちろん断りました」「多くのお子さんもいるギャラリーから見える場所で、試合中に選手がたばこを吸うって、どういう感覚をしているんだろう。だからダメなんだよ。変えていかないと」と即座に拒否した理由をつづっている。
これは前澤氏だけではなく、ファンの声も代弁しているのではないか。
プレー中に喫煙する姿を見せるプロスポーツなど聞いたことがない。
日本の男子ツアーは何十年も前からプレー中の喫煙が問題視されてきた。その元凶だったのは、全盛時の尾崎将司や青木功らを筆頭とするスター選手である。
彼らは大勢のギャラリーの前で平気でたばこの紫煙を吐き散らしていた。尾崎はフェアウエーでも吸っていたし、くわえたばこでサインしていたこともある。
その尾崎を崇拝する丸山茂樹は、米ツアーで優勝した直後に日本のツアーに凱旋出場。現場にいた筆者は、プレー中に煙を吐き散らし、ファンに不快な思いをさせていたシーンを覚えている。
スター選手がこれだから、他のプロも当たり前のようにたばこを吸っていたが、当時のプロゴルフ協会やその後のJGTOは、スター選手に気兼ねをし、スポーツ紙やゴルフ誌も同じ理由で素知らぬ顔。マナーの悪さを断じ続けたのは、日刊ゲンダイただ1紙。筆者も一緒に記事で訴えたが、馬の耳に念仏だった。
時代がそれを許さなくなったのか、近年は喫煙プレーが姿を消したと思っていたが、ティーイングエリアで煙の少ない電子たばこを吸っている者はまだいる。煙が少なければいいと思っていたら大間違い。今回の選手からの問い合わせで、その反省が全くないことが露見した。
さらに、それをとがめるどころか、選手からの要請で、主催者に「吸ってもいいですか」と問い合わせたJGTOの能天気ぶりには呆れるばかりだ。こうしたことも、人気低迷の一端になっていることに気付いていないのだろう。
前澤氏の「だからダメなんだよ。変えていかないと」とは、正鵠を射た苦言だ。
(宮崎紘一/ゴルフジャーナリスト)