食後の“血糖値スパイク”を抑える「食べ方」 甘いもの好きでも「順番」を工夫…...病気リスク防ぐ知恵『every.特集』
血糖値が急上昇・急降下する現象の“血糖値スパイク”は、様々な病気を引き起こす恐れがあると言われています。甘いものが好きな人たちが、糖尿病予防のため「血糖値の変化を知りたい」と毎日計測した結果は…。簡単にできる“食習慣”の工夫もありました。
■血糖値を計って生活習慣の見直しを

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糖尿病内科医 山村聡院長
「生活習慣を見直すきっかけにして」
都内の内科クリニックを訪れた入江喜朗さん。腕につけているのは、持続血糖測定器という装置。これは24時間、血糖値を計ることが可能で、血糖値の変化を見ることで生活習慣の見直しができるもの。
血糖値を調べたい 入江喜朗さん(58)
「ここで12時に食べています。このあと反応しているのがわかる」
糖尿病ではないという入江さんはどうして血糖値を計っているのでしょうか?
入江さん
「LDL(コレステロール)が高いということで糖尿病予備軍ではないかと思った。特に甘いものが好きですから、このままだとまずいなと思ったので、もうちょっと血糖値の動きを知ろうと思いました」
■病気の原因に…血糖値の“急激な”変動

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2週間の血糖値のデータを見てみると…
山村医師
「夕食の時に180を超えるようなところがあった。あとお昼の時に白米が入ると上がりやすい」
山村医師が目を止めたのが、この2か所。それぞれ血糖値が急上昇しています。
山村医師
「血糖値が急上昇、急降下するこの現象のことを“血糖値スパイク”と呼んでいます。1つはすい臓に負担をかける」
糖質は体内で利用され、余った糖はすい臓からのインスリンで脂肪に変わります。しかし、糖質をとりすぎ、血糖値スパイクが続くと、すい臓の負担が増し、糖尿病の原因になることも。
山村医師
「血糖値の大きい変動は、長い目で見ると血管に負荷をかけ、動脈硬化を進めている可能性があると言われている」
■“血糖値スパイク”血管の病気リスクも

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山村医師によれば、糖が血液中に増える状態が続くと、血管の壁を傷つけやすく、糖尿病だけでなく血管の病気になるリスクも高まるのだそう。
特に細い血管の、目の網膜や腎臓、脳や心臓の疾患に注意が必要だそう。こうした血管の病気や、糖尿病を予防するため、血糖値スパイクに注意することが大事だと言います。
山村医師
「そういう意味で血糖値スパイクのような大きい血糖値の変動はできるだけ抑えておくように」
糖尿病予防のため、血糖値スパイクを抑えながら、甘いものも食べたいという入江さん。山村医師と相談した食べ方は…
血糖値スパイクを防ぎたい 入江さん
「おいしく食べられる方法はどうかと気にしています」
■食べ方で予防できる“血糖値スパイク”

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まず、ヨーグルトで乳脂肪。続いてオリーブオイルたっぷりの野菜サラダで油を先に食べるオイルファースト。
入江さん
「これを食べるのと食べないのでは変わります。この野菜よくかまないと食べられないような野菜を使っています」
かみごたえのある野菜(豆苗)を、よくかみ、ゆっくり食べるのもいいそう。
入江さん
「今これリアルタイムで本当にゆっくりゆっくり上がる」
オイルと野菜を食べたあとにメインの食事。サバ缶と、玄米ご飯。血糖値はおだやか。そして、最後に入江さんの一番のお楽しみデザートタイム。今日はバウムクーヘンといちじく。甘いものを最後に食べました。
以前、空腹時に甘いものだけを食べたら、血糖値スパイクをおこしていましたが、今回はオイルファーストで、サラダをよくかんでゆっくりと。そして最後に甘いものを食べて血糖値スパイクを抑えることができました。
入江さん
「(血糖値スパイク予防に)これ結構ベストかな、この食べ方が」
■秋から冬の血糖値の変動に注意!

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一方、血糖値スパイクを防ぐため、別の視点から血糖値を研究している専門家がいます。内科医の坂本昌也さんは、10万人以上の糖尿病患者のデータを調べ、血糖値が暑い夏に下がりやすく、寒くなる秋から冬に上がりやすい傾向を見つけました。
しかし、最近の猛暑が、夏の血糖値変化に影響を与えているそう。
国際医療福祉大学医学部教授 坂本昌也 医師
「以前、夏は少し血糖値が下がっていたけれど、暑すぎたとか雨が降ったということで、なかなか運動ができなくなってきている」
「以前よりも1ランク上がって、秋から冬(血糖値の)変動は注意が必要」
この猛暑による運動不足解消のため、坂本医師は必ず階段を使うようにしているそう。
■“夕食三原則”で血糖値スパイクを予防

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さらに…
坂本医師
「みなさんに夕食三原則という話をしている」
“夕食三原則”とは、食べすぎない、遅い時間に食べない、食後に入浴や体を動かす、の3つ。実際に坂本医師が糖尿病患者の指導ですすめている方法。健康な人でも、これからの季節、血糖値スパイクを抑えるために守ってほしいと言います。
坂本医師
「トータルな意味でも、血糖値が上がる血糖値(グルコース)スパイク、血管にダメージがつくことは重要な問題になってきている」
■“甘いもの好き”の食生活 血糖値の変化は…

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山村医師のクリニックに、糖尿病予防のため血糖値の変化を知りたいという方がやってきました。飯塚奈緒子さんです。
飯塚奈緒子さん(51)
「甘いものが大好きでいつも食べるんですけど」
山村医師
「デザートをしっかり食べたいときは、その分ご飯の量を少し減らす、パンの量を減らすとかの工夫をしてトータルでバランスをとっていただく」
腕に持続血糖測定器を貼り付け、スマートフォンと連動し、データを計測し始めました。数日後、飯塚さんを訪ねてみると…
飯塚さん
「血糖値が上がるタイミングは食事じゃないところでした。ごはんではなく間食ですね、完全に。少し食べただけでボーンって血糖値が上がっていました」
この日のスパイクは2か所。1つは、お昼の空腹時に食べた、サンドイッチ。もう1つは、おやつで食べたかりんとうでした。
他にも、朝の甘酒。飲む点滴として、暑い時に栄養補給で飲むそうですが、飯塚さんの血糖値は上がり気味。また、何気なく食べていたおやつのアメ。これも大きなスパイクになっていました。
■血糖値の急変動を防ぐ “食べる順番の工夫”

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2週間後、こうしたデータを山村医師に見てもらいアドバイスをもらうことに…
山村医師
「おやつは確かに上がっています。急上昇、急降下ですね」
そこで、好きな甘いものを諦めずに、血糖値スパイクを抑える方法として山村医師がアドバイスしたのが、食べる順番の工夫。脂質やタンパク質を食べたあとに、糖質をとる方法です。
山村医師
「いわゆるベジファースト、ナッツファースト、チョコレートファースト(の効果)は人それぞれで違う。自分にとってその食材をとったら血糖値の上昇が抑えられるか、試していただくといいと思います」
飯塚さんは、野菜サラダのベジファーストやオイルファーストなどのうち、続けられそうな食べ合わせを試してみることに。まず、朝に甘酒を飲む前には…
飯塚さん
「朝、甘酒を飲みたいので、その前にもずくを食べて。もずくを先に食べて飲んだら上がりづらかったです」
朝起きてすぐに甘酒を飲んだ時は、このように血糖値スパイクに。しかし、もずくを先に食べたあとに甘酒を飲むと、血糖値の上昇がゆるやかに。
山村医師によれば、もずくの食物繊維とお酢を一緒にとる、よいアイデアだそう。
■おやつ前に「高カカオチョコ」 食事前に「ミルクファースト」

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そして、おやつの前に食べておくのが…
飯塚さん
「高カカオチョコを3粒くらい食べて、そこから何時間もアメとか食べても上がらなかったです」
飯塚さんは、アメを空腹時に食べるとスパイクが起きていましたが、山村医師おすすめのチョコファーストを行うと、上昇はゆるやかに。
山村医師によると、糖分が少ない高カカオチョコのカカオポリフェノールが血糖の上昇をゆるやかにしたのだそう。
また、外出先で役立ったのが常温で持ち歩けるロングライフパックの牛乳。
飯塚さん
「牛乳を一緒に飲んだら全然上がり方が違った」
外出先で食べるサンドイッチや、おやつのかりんとうも、牛乳を飲みながらだと上昇がゆるやかになりました。いわゆるミルクファーストとして、いつもカバンの中に常温保存可能な牛乳を入れておき、外出先での食事前に飲むという工夫をしました。
■空腹時に“糖質”をとる前に予防を

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今回、飯塚さんが血糖値スパイクを予防できた食べ方は、いずれも、空腹時にまず脂肪や食物繊維などをとり、最後に甘いものという方法でした。
山村医師
「糖質が入ってくる前に、何かしら他のタンパク質でもいい、野菜でもいい。チョコレートでも結構です。こういったものをとっておくと、おなかの中で準備をさせておいて、血糖値が上がらないように予防することができる」
糖尿病の予防のため、食べ合わせで血糖値スパイクを抑えることは可能ですが、これから食欲の秋に向け、トータルでの食べ過ぎには十分気をつけて欲しいと、医師たちは言っていました。
(9月4日「news every.」より)