ロシア軍による即決処刑の実態:「司令官は捕虜にして、残りは殺害しろ」
捕虜をその場で処刑するロシア軍

ウクライナがロシア軍の無線通信を傍受した結果、同軍の司令官が前線で捕らえたウクライナ兵をその場で処刑するよう命じていたことが発覚したという。CNN放送が伝えた。
ウクライナ軍が傍受した無線通信

この事実はウクライナ軍が大規模な通信傍受を行う中で発覚したものであり、ロシア軍による処刑の様子を撮影したドローン映像までウクライナ側に流出していた。なお、事件そのものは2024年11月にザポリージャ州で発生したと見られている。
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CNN放送による取材

一方、CNN放送はウクライナの情報機関から無線通信の内容とドローン映像を入手。ロシア軍司令官が下した処刑命令を文書化し、事件の一部始終を報道した。
ドローン映像の内容

同放送いわく、ドローン映像には地面にうつ伏せになったウクライナ兵6人が映っていたが、そのうち2人はすでに至近距離から銃撃された後で、別のひとりが連れ去られるところだったとのこと。
ウクライナの情報機関は事件を捜査中

ウクライナの情報機関はドローン映像のスクリーンショットをCNN放送に提供したほか、ロシア軍が行ったウクライナ兵の処刑については現在、捜査中だと伝えた。
無線通信を行っていたのは誰?

無線通信を行っていたロシア軍司令官の氏名や階級は今のところ不明だ。しかし、録音の中で2人の兵士はお互いを「アルタ」「ベイリー」というコードネームで呼び合っていた。
25分間にわたる通信

ウクライナの情報機関がCNN放送に語ったところによれば、傍受された通信はロシア軍による急襲が始まった正午過ぎの12時5分(現地時間)に開始され、12時31分まで続いたとされている。ただし、CNN放送はこの情報について、独自に検証することはできなかったとしている。
「司令官以外は殺害せよ」

傍受された通信記録によれば、ロシア軍司令官は「(ウクライナ側の)司令官は誰か尋ねろ。司令官は誰だ? そいつを捕虜にして、残りは全員殺害しろ」と命じたとされる。同様の指令は4分後にもふたたび繰り返されている。
敵司令官の捕獲にこだわるロシア軍司令官

「はやくしろ。司令官を捕虜にして、残りはやっちまえ。以上。上官を捕まえて、残りは始末!」CNN放送によれば、このロシア軍司令官は捕虜となったウクライナ兵の中から敵の司令官を探し出すよう、しきりに部下を急き立てたという。
6回にわたる処刑命令

結局、コードネーム「アルタ」はウクライナ側の「上官」を発見したと報告。ドローン映像には、6度目の処刑命令が下された12時28分に、緑色の服を着たロシア兵の一団が近くの茂みから姿を現す様子が映っていた。
ドローン映像は4分間

ただし、ウクライナ側が手に入れたドローン映像は12時27分から12時31分のわずか4分間に過ぎない。とはいえ、傍受された無線通信とこの映像の間には関連性があるようだ。CNN放送が報じている。
処刑命令の実行

ロシア軍司令官はふたたび「おい、上官を連行して、残りは始末しろと言ってんだよ!」と指示。伝えられたところによれば、ウクライナ兵がロシア兵に何らかのジェスチャーを見せた途端、覆面のロシア兵が発砲したという。
命令を実行したという報告

その後、「もうやったか? 返答しろ。もうやったか? 」「アルタ! こちらベリー。了解。上官以外は全員、殺害した」という交信があった。
ウクライナ軍の司令官らしき人物を連行

ドローン映像にはその後、ウクライナ軍の司令官らしき人物が映し出された。この人物は防弾チョッキを脱がされ、連行されていった。その後、付近で爆発があったことをドローンが確認したため、ロシア軍部隊は引き上げたという。
事件を起こした部隊

ウクライナ保安庁(SBU)はこの事件を起こしたロシア軍部隊について、第127自動車化狙撃師団の傘下にある第394自動車化狙撃連隊の「ストームZ」部隊ではないかと見ている。
上層部のお墨付き

裁判なしの即決処刑や恣意的な処刑に関する国連特別報告者のモリス・ティドバル=ビンツ氏はCNN放送に対し、今回の処刑のような事例はロシア上層部のお墨付きのもと実行されているとの見解を示した。
ロシア軍が行った即決処刑は150件あまり

いずれにせよ、今回の報道は最前線で日常的に行われている戦争犯罪の実態を改めて浮き彫りにするものとなった。ウクライナ国防省情報総局が5月24日に公表したデータによれば、ロシア軍による即決処刑の事例は記録されているだけでも150件あまりに上るとのこと。
実際にはもっと多い可能性

しかし、『キーウ・インディペンデント』紙によれば、同情報総局は最前線で実際に行われた処刑の件数はもっと多いと見ているようだ。同紙いわく、ロシア軍による即決処刑の件数は2024年初頭から急増しているとのこと。
国連による指摘

ウクライナの人権状況を調査する国連の独立国際委員会もまた、3月19日付の報告書の中で、投降したウクライナ兵がロシア軍によって負傷・殺害されるケースが増加していると指摘している。
「捕虜は不要。その場で射殺すべし」

国連報告書によれば、「ロシア軍の脱走兵らは当委員会に対し、捕虜はとらずに殺害するよう命令されたと証言している」そうだ。さらに、ロシア軍のある旅団副司令官などは「捕虜は不要。その場で射殺しろ」と述べたとしている。
国連人権監視団の懸念

2025年2月にはウクライナにおける国連人権監視団(HRMMU)も同様の懸念を表明。その時点では79件の即決処刑が記録されていた。
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