「日本に帰りたい」…自ら出頭したかけ子グループのリーダー 3年間に及ぶ〝逃亡生活の果て〟

9月10日に送検されたかけ子グループのトップ、蓮見容疑者

自ら警視庁に電話をして帰国

「もう疲れました。日本に帰りたいです」

かけ子グループのトップは自ら警視庁に電話して、3年以上に及ぶ逃亡生活に幕を下ろしたのだった。

「警視庁暴力団対策課は9月9日、住所・職業不詳の蓮見晋平容疑者(42)を電子計算機使用詐欺容疑などで逮捕したと発表しました。蓮見容疑者は特殊詐欺グループでウソの電話をかける『かけ子』のトップとみられています。8月に自ら警視庁に連絡し、8日に帰国したところを逮捕されました。

蓮見容疑者は’22年5月14日、仲間と共謀し、茨城県内の女性(当時68歳)に市職員を装って『介護保険料の還付金がある』などとウソの電話をかけ、現金約50万円を銀行口座に振り込ませてだまし取ったなどの疑いがもたれています」(全国紙社会部記者)

10日の朝8時半ごろ、検察庁に送られるため浅草署の護送口から姿を現した蓮見容疑者は終始うつむいたまま、護送車に乗り込んだ。その表情からは何の感情も読み取れなかったものの、ただただ全身に疲労感を漂わせていたのだった。

「蓮見容疑者のグループは’22年3~6月の間、高齢女性の名簿をもとに電話をかけ、30都道府県の118人から約1億円をだまし取ったとみられています。

グループはウソの電話をかけてお金を振り込ませる『かけ子』、銀行からお金を下ろす『出し子』、さらに『かけ子』の拠点を調達する担当など、役割を細分化させていました」(前出社会部記者)

蓮見容疑者は茨城県内の女性から現金をだまし取った後、’22年5月下旬にベトナムに出国。その2年後にタイに移動して滞在していた。そして、蓮見容疑者がベトナムに出国した直後、グループは壊滅的な打撃を受けたという。前出の社会部記者が続ける。

「’22年の6月、警視庁はグループの拠点である東京都世田谷区のマンションの一室を捜索し、これまでに暴力団組員ら11人を摘発しました。警視庁は今回の蓮見容疑者の逮捕をもって、このグループはほぼ壊滅したとみています」

現在、蓮見容疑者は黙秘しているというが、今後、捜査はどのように進展するのだろうか。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。

「蓮見容疑者が属していたグループが1億円だまし取ったとしても、お金はあくまで日本国内にあるわけですから、誰かが送金しなければ蓮見容疑者がお金を手にすることはできません。最近、タイも物価が上がって以前ほど安くはないので、生活も苦しかったのかもしれませんね。今回、自ら出頭したことで、蓮見容疑者には多少の情状酌量が認められるかもしれません。

警察が発表した時点では蓮見容疑者は黙秘していたのかもしれませんが、今後、供述を始めても警察は公にはしないでしょう。いくらグループが壊滅したといっても、何らかの形で関わった人間がまだ残ってる可能性はあります。蓮見容疑者もいつかは社会に戻るわけですから、それまでは蓮見容疑者の安全を考えながら保護すると思われます」

カメラマンの前では疲れ切った姿を見せていた蓮見容疑者。

現在、勾留中の身ではあるが、長い逃亡生活を終え、ホッとひと息ついているのだろうか。

終始うつむいたままで護送車に乗り込んでいった

3年間の海外逃亡生活の疲れがにじみ出ているようにも見える

蓮見容疑者のグループは30都道府県の118人から約1億円をだまし取ったとみられている

現在、容疑者は黙秘しているという

取材・文:中平良