福島・三春に東北最大級「モンベル」 社長が明かした出店の決め手

モンベルが中核の「アウトドアヴィレッジ三春」=福島県三春町西方石畑で2025年4月24日、根本太一撮影
福島県三春町西方石畑の三春ダム・さくら湖畔に25日、アウトドア用品モンベル(大阪市)直営店を中核とした施設「アウトドアヴィレッジ三春」がオープンする。町出身の登山家、田部井淳子さん(故人)の記念館を併設し、湖でカヤックも体験できる。東会津や阿武隈高原などにまたがる屋外レジャーの交流拠点としても期待される。
ヴィレッジは、農産物直売所や飲食店などがある「田園生活館」近くの木造2階建てで延べ床面積約1800平方メートル。国から総事業費の2分の1が補助される「デジタル田園都市交付金」を受けた町が、約9億3000万円で整備した。
モンベルは県内初出店で、東北最大級の売り場1380平方メートルに登山や屋外レジャー関係の衣類、道具類などを並べる。遠方からの人の流れも見込まれ、2022年に出店した北海道南富良野町では新型コロナウイルス禍にもかかわらず、隣接する道の駅の売上高が過去最高を記録した。
女性で初の世界7大陸最高峰を制した田部井さんをたたえる記念館は、面積約168平方メートル。エベレスト登頂時に使用したリュックなど遺品を展示する。施設内にはまた、クライミング体験ができる高さ8メートルの塔やレンタル電動自転車もあり、7月にはカヤック乗り場を併設したキャンプ場が完成予定だ。
三春は「滝桜」に代表される全国的な桜の名所。だが「花が散ると静けさ漂う」(坂本浩之町長)ため、桜頼みからの脱却を目指し21年、町長がモンベルに出店を直談判した。同社の辰野勇会長は、県内の複数市町村から「ラブコールがあった中で、決め手は、家族ぐるみで親交した田部井さんの出身地であること」と話した。
中村肇店長(36)は「三春には自然の魅力が眠っていると思う。私たちスタッフは遊びのプロ。その再発見をサポートしたい」と開店を前に意気込んだ。トレッキングやサイクリング、スキー服まで豊富に品ぞろえするという。【根本太一】