先陣を切るウクライナのエリート狙撃兵部隊、その名も「バフムートの幽霊」
狙撃兵からなる特別部隊

2022年2月に勃発した戦争が長引く中、バフムートで戦闘にあたるウクライナの狙撃兵部隊は、廃墟となった街で高価値目標に狙いを定め狙撃を行っている。部隊の司令官たちによれば、所属スナイパーたちはますます腕を上げているようだ。
「バフムートの幽霊」

熟練兵たちからなるこの部隊は「バフムートの幽霊(the Ghosts of Bakhmut)」と呼ばれており、ロシア軍との戦闘の中でもっとも過酷かつ困難な任務をこなしてきたという。
コールサインは「幽霊」

ニュースサイト「ビジネスインサイダー」は2023年に「バフムートの幽霊」の活動を取材し、同部隊の司令官でありコールサインで「幽霊」と呼ばれる人物にインタビューを行っている。
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ロシア兵558人を排除

司令官の「幽霊」いわく、配下の兵士たちは祖国防衛に燃えており、それまでに計558人のロシア兵を排除したとのこと。そのうち118人ついては司令官自ら狙撃を行ったという。
大隊規模の戦闘員を排除?

同サイトはこの戦果について独自に確認することはできなかったとしているが、もしこの数字が正確なものだとすれば、「バフムートの幽霊」は大隊規模に相当する戦闘員を排除したことになる。
現実は映画ではない

「ビジネスインサイダー」のインタビューに対し、司令官「幽霊」は「スナイパーの任務を美化し、ドラマチックに仕立てるアメリカ映画と現実はまったく違っています」と答えている。
過酷な任務

同司令官はさらに、「我々は24時間体制で戦っており、昼も夜も関係ありません。週末も休みなどありません。へとへとですよ」と言葉を続けた。
取り乱す兵士たち

同司令官によれば、配下の兵士たちは激務に圧倒され、作戦から戻って来るとすっかり取り乱してしまっていることが多いという。
狙撃距離は?

エリートスナイパーは通常、およそ70メートル離れた場所からターゲットを狙撃するが、最近では4キロメートルあまり離れた標的の排除など、長距離狙撃を複数成功させている。
先鋒としての役目

しかし、「バフムートの幽霊」の任務は市街地の敵を排除することだけではない。味方の歩兵隊がやって来る前に一帯を掃討する先鋒の役目も担っているのだ。
激戦地での任務

司令官「幽霊」は「ビジネスインサイダー」に対し、「我々は激戦地に投入されます。攻撃や反撃が計画されている地域に真っ先に乗り込み、一帯を掃討するわけです」としている。
どのような武器を使っているのか?

この部隊が主に使用する武器は米バレット・ファイヤーアームズ社製の対物ライフル「M107A1」だが、同社製のスナイパーライフル「MRAD」やウクライナ製の「UAR-10」「Snipex Alligator」も用いられているようだ。
狙撃兵部隊の規模

司令官「幽霊」は部隊の規模を明かさなかったが、数十人の兵士が所属していることを仄めかしている。また、2023年7月にBBC放送が暴露したところによれば、「バフムートの幽霊」は20人規模だとされる。
スナイパーだけでは勝てない

BBC放送の特派員ジョナサン・ビールは「小規模な狙撃兵部隊だけで戦争に勝つことはできないし、バフムートを取り戻すことすら難しいでしょう。しかし、彼らは戦況を変えることならできると確信しています」と伝えている。
集中的な訓練

「ビジネスインサイダー」によれば、この部隊に所属する狙撃兵たちは戦場でロシア兵たちと対峙する前に、10ヵ月にわたる集中的な訓練を受けたとのこと。
もっとも大切なスキルは……

けれども、司令官「幽霊」がもっとも重視するスキルは狙撃能力ではなく、任務から無事に生還する能力だ。同司令官いわく:「狙撃の腕前は完璧でも、生きて戻って来られなくては何の意味もありません」
兵士を厳選

配下の兵士たちを厳選し、集中力と粘り強さこそ狙撃兵に必要な資質だと説く司令官「幽霊」。また、祖国防衛の意識も不可欠だ。
狙撃兵に必要な資質

同司令官いわく:「屈強で打たれ強く、とても集中力があり、精神的にも立ち直りが早くなければいけません。もちろん、祖国防衛の意識も大切です。なぜなら、何のために戦うのか理解する必要があるからです」
負傷者はほとんどいない

任務中に負傷したのは司令官「幽霊」と隊員1人だけ。同司令官は地雷の爆発により12日間入院していたが、無事に回復し部隊に戻って来たのだ。
部隊の団結力

同司令官によれば、この部隊が成功を収めているのは自主性と団結力によるところが大きい。部隊員たちが結束して任務に当たることで、戦死者を出さずに済んでいるというのだ。
兵士一人一人を結ぶ信頼感

同司令官いわく:「私はともに戦う兵士一人一人を信頼しています。我々はこの部隊のほか頼るものがありません。しかし、だからこそ全員生き残ることができているのでしょう」
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バフムートで今も戦闘継続

「ビジネスインサイダー」によれば、「バフムートの幽霊」は同市の市街地や周辺部で交戦するほか、戦闘の焦点を近郊の原野に置きつつあるという。