“コメ離れ”に“コメ余り”「どうすれば…」 農家のホンネは?
20年目を迎えた『news zero』がお届けする特別企画、3夜連続で「コメ」についてお伝えしています。8日は「コメを作る農家のホンネ」です。取材を進めると、新米が高値で取引される中で、ある不安も口にしていました。
■“価格高騰”うれしい半面、「受け入れてもらえるか」

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日本を代表するコメどころ、新潟県。魚沼市と南魚沼市に、あわせておよそ90ヘクタールの田んぼを持つコメ農家、関隆さん。
コメ農家・関隆さん(73)
「(今年は)びっくりする高い値段、これで平年作並みの収量があれば大当たり、その可能性が高い。(おととし)令和5年産、ものすごく品質が悪かった、猛暑の影響で…」
精米されたコメをじっくりと見つめる関さん。
コメ農家・関隆さん
「まあまあだな。今年は大丈夫だろう」
今年、関さんの田んぼでとれた新米。一粒一粒、弾力があるのが特徴だといいます。さっそくとれたての新米を車に積み込み、近くの土産店へ。ここでは、新米を5キロ5800円などで販売。
コメ農家・関隆さん
「この価格で(客に)受け入れてもらえるか」
土産店店主
「そうやの」
“コメの価格高騰”、農家にとってはうれしい半面、消費者の“コメ離れ”には不安も。
コメ農家・関隆さん
「消費者のみなさんがコメを喜んでいっぱい食べてくれれば、われわれ農家だって、作る張り合いがある。今までみたいに(コメの価格が)安ければ作る張り合いがない。もし、消費者のみなさんが“高すぎるぞ”といえば、それも張り合いがない」
■「概算金」これほどまでに上がるワケは?

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取材中、農家からコメを買い取るJAは、“ある決定”をしました。
コメ農家・関隆さん
「農協(JA)が、仮渡し金(概算金)4000円アップ」
仮渡し金ともよばれる「概算金」とは、JAなどがコメの収穫前に農家に対して提示し、実際に農家からコメを集荷するときに一時的に支払うお金のこと。
販売価格やそれに関わる経費などを見込んで価格設定しますが、今回、「JA全農にいがた」は、県内各地のJAに対して「概算金」の追加払いを決定。
なぜ、農家に追加払いをしてまでコメを集荷するのか。『news zero』は概算金の価格についてJA全農にいがたに取材しました。
――概算金を上げることになった理由は?
JA全農にいがた 担当者
「集荷現場ではかなり高い価格での集荷をして、競争が激しい状況となっている。(JAとしては)取引先の要望に応えるために確実にコメを集める必要がある」
集荷競争を懸念した業者が、他よりも高い価格を農家に提示しコメの確保に走る動きもあり、JAとしても、コメを確保するために、農家に高い価格を提示せざるを得ない状況になっているのです。
「概算金」については、農家の仲間とも話題に。
コメ農家・関隆さん
「農協(JA)の仮渡し金(概算金)4000円上げて(60キロで)3万7000円。想像つかない値段出してきた」
――ここまで上げることは何年もない?
コメ農家・関隆さん
「はじめて」
コメ農家・坂西浩一郎さん(78)
「はじめて。これほど上がるとは思わなかったし」
■「国が責任を持って考えてもらいたい」

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ただ、関さんにはある懸念が。
コメ農家・関隆さん
「令和7年産のコメはじゃぶじゃぶに余ってくる、だぶつく。そうすれば、どこかでこの価格は崩れる」
今後、コメが余り価格が暴落すれば、農家にとっては経営の危機です。高値が続けば消費者の負担に、下がれば農家が苦しむことに。
コメ農家・関隆さん
「コメ作りの現場は疲れている。ずっと低米価で採算割れのコメ作りをやってきたので、後継者も入れられない、設備投資ができないから生産力も上げられない。コメ作り農家は、じゃあどうやればいいんだという戸惑いになる」
慢性的な後継者不足に積み重なる生産コスト。消費者の“コメ離れ”への懸念。コメ作りの現場には、越えなければならない課題があります。関さんの願いは、“安定したコメ作り”を続けること―。
コメ農家・関隆さん
「日本人にとってコメはものすごく大切なもの。そのコメが消費者のみなさんが高すぎて買えない、農家が安すぎて作れない、それはあってはいけない。ちょうどいい価格は市場に任せていてもダメだから、国がちゃんと責任を持って考えてもらいたい」
(10月8日放送『news zero』より)