八丈町特産アシタバ、加工場が損壊…連続台風の被害に弁当店主「ここまでとは想像できなかった」
強い台風23号は13日朝、伊豆諸島の八丈島(東京都八丈町)に最接近し、同日午後にかけて関東南東の海上に抜けた。そのまま東へ進み、14日には温帯低気圧に変わる見通しだ。9日に台風22号による暴風雨で多くの家屋が損壊した八丈島は、5日間で2回目の台風の接近。けが人はいなかったが、再度の強い風雨に島民は「心が安まらない」と疲弊した表情を見せた。(立原朱音)

気象庁によると、台風23号は13日午後9時現在、関東南東の海上を時速40キロで東北東に進んでいる。中心気圧は975ヘクト・パスカル、中心付近の最大風速は35メートル。
八丈町では同日午前から樹木や信号機を強風が揺らし、台風23号が近くを通過していた午前6時15分に最大瞬間風速42・7メートルを観測。午後1時50分までの12時間降水量は130ミリに達した。

台風22号で屋根が吹き飛ばされ、台風23号による降雨で、天井が剥がれて水浸しになった弁当屋の店舗(13日午後、東京都八丈町で)=川口正峰撮影
2階建ての弁当店「八丈ピーコック」は、9日の22号の直撃で屋根の大半がはがれ落ちた。さらに今回の23号で1階の天井部分から大量の雨が漏れ、店舗内は水浸しになった。経営する奥山敏彦さん(68)は「常連さんが待っているのに、いつ営業を再開できるかわからない。ここまでの被害になるとは想像できなかった」と肩を落とす。

強風で壁が飛ばされた食品加工工場で当時の状況を語る山田真之介さん(13日午後、東京都八丈町で)=川口正峰撮影
島の特産野菜「アシタバ」の販売会社「あしたば加工工場」では、22号の暴風を受けて工場が大きな被害を受けた。壁がはがれて中はむき出しの状態。23号による風雨で機械や工具はびしょぬれになった。来年、父親から経営を引き継ぐ予定の山田真之介さん(47)は「知名度を上げていこうと意気込んでいたところだった。本当にショックだ」と話した。
創業40周年を迎え、島内の見学コースにもなっている同社。山田さんは「工場を建て替えるか、別の場所でやり直すかも決められていない。前を向いて頑張るしかない」とも語った。
東京都などによると、13日午後5時現在、八丈島内の停電は約510軒に上る。一部地域で断水も続いており、同3時現在、島内6か所の避難所に住民約140人が身を寄せているという。