「パンダ」が日本からいなくなる……“アメリカと組むな”中国からのメッセージ? 和歌山の4頭を返還【#みんなのギモン】

和歌山のアドベンチャーワールドで飼育されているジャイアントパンダ4頭が、6月末ごろに中国へ返還されることになりました。日中間の契約満了が理由ですが、専門家は政治的な判断が挟まれている可能性を指摘。日本のパンダは今後どうなるのでしょうか?

そこで今回の#みんなのギモンでは、「日本からパンダがいなくなる?」をテーマに解説します。

■「保護共同プロジェクト」の契約満了

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忽滑谷こころアナウンサー

「和歌山県にあるアドベンチャーワールドが24日、飼育しているジャイアントパンダ4頭全てを中国に返還すると発表しました。さらに、東京の上野動物園のパンダも来年に返還期限が迫っています」

「和歌山・白浜町のアドベンチャーワールドでは良浜(ラウヒン)、結浜(ユイヒン)、彩浜(サイヒン)、楓浜(フウヒン)の4頭のパンダを飼育しています。この4頭全てを約2か月後の6月末ごろに中国に返還するということです」

「日本と中国の保護共同プロジェクトの契約期間が満了となり、中国側と協議を行った結果、返還することになったといいます」

■「さみしい」…別れを惜しむ来園者

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忽滑谷アナウンサー

「25日も来園者からは、別れを惜しむ声が聞こえました」

埼玉からの来園者

「本当に言葉が出ない。4頭いっぺんになので、さみしい。どこに行っても幸せでいてくれたら」

岡山からの来園者

「生で見たのが初めてなので感動です。1回は会いに来たいと思っていて、帰っちゃうというニュースを昨日知ったので」

別の岡山からの来園者

「帰らないでほしい。ここで生まれたんですよ」

鈴江奈々アナウンサー

「皆さん寂しそうですし、私もいつか1回は行ってみたいと思っていた場所なので、『え、いなくなっちゃうの?』という感じです」

直川貴博キャスター(元福島中央テレビアナウンサー)

「タイムリミットが迫っている中ですが、私は和歌山県出身なので地元なんですよ。(何度も行ったことは)小さい頃からあります。和歌山といえばパンダと言ってもらえることが地元の自慢でもあったんですよね」

「アドベンチャーワールドがすごいのは、ここで17頭も生まれ育っているということです。そのため衝撃的なニュースで、『え、なんで?』という、いろんなギモンがあります」

■人間なら70歳ほどになる「良浜」

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忽滑谷アナウンサー

「皆さんの愛が伝わってきます。アドベンチャーワールドで現在飼育している4頭のパンダは良浜とその3頭の子どもで、いずれもメスです」

「良浜は人間でいうと70歳くらいにあたるということで、高齢のパンダが安心して暮らすための施設や医療体制が整っている中国でゆったりと穏やかに過ごすことが望ましい、という中国の専門家からの意見を受け、帰国が決まったということです」

「また、その子どもたちである結浜は8歳、彩浜は6歳、楓浜は4歳。繁殖ができる年齢となっていることから、将来のパートナーを探すために中国に帰国します」

「もともと日中での保護共同プロジェクトは今年8月に契約満了でしたが、6月末ごろの帰国となったのはなぜなのでしょうか。パンダは暑さに弱いので、比較的涼しくパンダの負担が少ない時期に、との理由からだそうです」

森圭介アナウンサー

「貴重な動物ですから、なるべく負担を(少なく)ということなんでしょうね。致し方ないのか…」

■園長「中国側とこれからも協議」

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忽滑谷アナウンサー

「保護共同プロジェクトは1994年から始まり、去年9月で30年を迎えました」

「今津孝二園長は24日、『30年間培ったノウハウがあるし、実績をあげることができた。今後もこの経験や知識を中国側と協力しながらジャイアントパンダの保護に生かしていきたい。その実現に向けて中国側とこれからも協議を続けていく』とコメントしています」

「新たなパンダが来る予定はまだないそうですが、来てもらえるようにこれから働きかけていくということでした」

山崎誠アナウンサー

「この4頭はいなくなってしまうので必ずしも同じ存在ではないと思いますが、なんとかこれまでのように愛が注がれて、私たちに癒やしをくれるような存在がまた来てくれるといいですね」

■上野の2頭、来年2月が返還期限

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忽滑谷アナウンサー

「現在日本には、アドベンチャーワールドの4頭の他に、東京の上野動物園に3歳の双子のパンダ、シャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)がいますが、この2頭だけになってしまうことになります」

「さらに、上野の2頭も来年2月に返還の期限が迫っています。東京都としては『中国側と次のパンダに向けた話し合いを希望しています』ということです」

直川キャスター

「『日本で見られなくなるの?』というのが(率直な思いです)。愛好家もすごく多いじゃないですか。東京でも和歌山でも他の場所でも、見られるチャンス(のある場所)が1か所でもあったらいいですね」

忽滑谷アナウンサー

「我々に癒やしをくれるパンダたちですからね」

■返還の舞台裏…「パンダ外交」とは?

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忽滑谷アナウンサー

「上野も、次のパンダが来るかどうかはまだ不明ですが、『パンダ外交』という言葉もありますよね。どうなのか、専門家に聞きました」

「中国外交に詳しい東京女子大学の家永真幸教授によると、パンダ外交の歴史は古く、1941年に中国からアメリカにパンダを贈ったのが最初の事例とみられています。当時は日中戦争中で、中国は日本と戦うために、アメリカからの支持が必要で贈ったということです」

「そしてその約30年後、1972年に日本に初めてパンダがやってきました。日中国交正常化を記念して『友好の証』として2頭のパンダが贈られました」

「今回の和歌山の返還について家永教授は『契約はいずれ満了するので、返還自体は政治的なものではない』とみています。一方で『次のパンダ協力を締結・公表する前に今回の返還となったことについては、政治的な判断があったのだと推測される』と言います」

■米と“貿易戦争”する中国の思惑も?

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忽滑谷アナウンサー

「一方で、こんな見方もあります」

「柳沢高志・NNN中国総局長は『中国がアメリカと“貿易戦争”を繰り広げている中で、日米で中国に対立するような事態にならないか見極めようとしていて、今回のパンダ返還も“アメリカと組むな”という中国のメッセージともよめる』と話しています」

森アナウンサー

「日本とアメリカ、対中国にならないようにということですか…。外交でそれだけパンダの存在感が大きくなっているということにも驚きですし、それだけパンダが愛されているという証拠になるわけですね」

■茨城県で「誘致」の動き…成功する?

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忽滑谷アナウンサー

「重要な動物ということなんですね。『来年日本ではパンダが見られなくなってしまうの?』と不安になっている方もいると思いますが、こんな動きもあります」

「茨城県の大井川知事は25日、『パンダ誘致という目標・目的も実現に結びつけていきたい』と語りました。誘致先は茨城・日立市のかみね動物園です。知事自ら、何度も中国・陝西省にある保護研究施設の視察に出向きました」

「4月19日には、友好県省関係の発展に関する覚書を締結しました。パンダを誘致するために尽力しているということです」

「茨城へのパンダ誘致が成功するかどうかについて、家永教授は『飼育能力があることを示し、かつ中国側がその地域にパンダを送り出すことに意義を見出せば実現するのではないか』と話します。今後の動きにも注目です」

(2025年4月25日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)