クマ出没急増の“異常事態”いつまで? ブナの実不作に加え他の要因も…【#みんなのギモン】
いま“異常事態”となっているクマの出没─。そこで今回の#みんなのギモンでは、なぜクマの出没が急増しているのか、「データ分析 クマ“異常事態”いつまで?」をテーマに、忽滑谷こころアナウンサーが解説します。
■秋田市のクマの出没状況…学校、公園、庭での目撃情報も

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忽滑谷こころアナウンサー
「秋田県が公開している情報をもとに、クマがどのような場所に出没しているのかまとめました」
「10月の1か月間で人の生活圏のどのような場所に出没し、目撃されたのか、情報が寄せられた回数を分類すると、一番多かったのが『道路』で664回。次に多かったのが『住宅』で587回、『車』からの目撃などが364回でした」
「人は、屋外では道路や車の中にいる時間が多いので、必然的にそういった場所でクマを目撃する機会が多くなるわけですが、このように住宅などの敷地、建物、学校、公園、庭といった場所での目撃も多くなっています。
鈴江奈々キャスター
「学校などの子どもたちが過ごす空間にも出てきているとなると、安心して暮らすということが難しい状況になりつつあるのかなと感じますね」
■クマが意図的に人の生活圏に侵入…今年の異常な状況

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忽滑谷アナウンサー
「クマの生態に詳しい岩手大学・山内准教授によりますと『クマが意図的に人の生活圏に侵入してきていることが今年の異常な状況を示す特徴で、一線を越えているクマが増えている』といいます」
「以前は考えられなかったような行動が多く、例えば『人がいると分かっているのに家の中に入って米を食べる』『日中に何度も倉庫を襲う』といった、人間を全く恐れない行動が増えているといいます」
森圭介キャスター
「これまで見なかった場所で見るのもそうですし、これまでの対策が効かなくなってきているということですね」
■10月秋田での出没件数“並外れて多い”

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忽滑谷アナウンサー
「特に今年の10月の出没数は並外れて多いと言えるそうで、ここ3年間の秋田県での出没情報件数を見てみると、一見してわかります」
「10月は、特に多かった2023年は1488件、去年は39件、今年は5781件と急増しています」
「これは、去年、新たに出没情報を共有できる新たなツールができたので、今年は特に情報が寄せられたという背景もあるのですが、それにしてもかなり多いといいます」
■クマの食べ物の不作が原因か…他の要因も

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山﨑誠キャスター
「特に多かった2023年と比べても3倍、4倍ですし、去年と比べると桁が違いますね」
忽滑谷アナウンサー
「状況が全く違うといえそうです。去年より急増した理由は、ドングリなどクマの食べ物の不作が原因と考えられています」
「ブナの実は年によって豊作、凶作のサイクルがあって、東北森林管理局によりますと、秋田は2023年度は『大凶作』、去年度は『並作』でした。そして6日に発表された今年度の状況は、秋田のほか、青森、岩手、宮城、山形で『大凶作』でした」
「また、山内准教授によりますと『今年は猛暑により、夏に食べる桑の実なども不作で、クマは春先からずっと空腹の状態だったのではないか』といいます。『要因は他にもあって、去年はエサが豊富だったため、多くのメスが今年の冬眠中に子どもを産んで、クマ自体の数が増えたのも原因のひとつではないか』といいます」
■徐々に人里に近づくクマ…JR秋田駅付近でも

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忽滑谷アナウンサー
「こうした状況の中、エサを求めて人里におりてきているクマが多いということなのですが、出没情報を見ても、だんだんと人里に近づいていることが分かります。秋田市で10月に出没した場所を、地図に反映したものを、5日ごとに区切って見ていきます」
「10月1日から5日までに出没したのは、青い点、まだ山の中が多いですよね」
「だんだん日を追うごとに街中に近づいてきて…。10月半ばになるとオレンジの点、JR秋田駅の近くでも出没しています」

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忽滑谷アナウンサー
「さらに10月末頃にかけて、赤い点が、JR秋田駅付近で急増していることがわかります」
鈴江キャスター
「JR秋田駅となると人通りがそれなりにあるでしょうし、徐々に(市街)中心地に近づいてきているのが不思議ですね」

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忽滑谷アナウンサー
「はい。どんどん人里におりてきているということなのですが、しかも、2023年など、過去にエサが凶作だった時に人里で農作物や生ゴミなどおいしいものを食べる『成功体験』をしたクマが人里に出ることを学習してしまい、人間を恐れないクマが増えている可能性もあるということです」
■冬眠は? 一部のクマは“12月以降も徘徊する可能性”

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森キャスター
「今後はどうなっていくと予想されているのでしょうか」
忽滑谷アナウンサー
「山内准教授は『人里に柿などが残っている限り、今月いっぱいまでは同じようなレベルでの出没が続く』と予想しています」
「というのも、クマが冬眠するきっかけは、寒くなったからではなく『エサがなくなること』がきっかけなんだそうです。つまり、エサがある限りは活動するんですね」
「山内さんは『人里にエサがあると知った一部のクマは12月以降も徘徊(はいかい)する可能性がある』とも話しています」
「今年の冬は、市街地では、冬に親とはぐれた子グマなどが、突発的に現れたり、強い個体がいる森には戻らずに、農家の納屋などで冬眠してしまうクマも出てくる可能性もあるのではないかということでした」
鈴江キャスター
「これまでのクマ対策が通用しないという話もありましたが、活動する時期もいつもとは違うかもしれない、という心構えが必要かもしれません」
森キャスター
「エサの話がありましたが来年、実がどうなっていくのか、本当にしっかり調べ、自治体ごとに綿密な対策を取っていかなければいけませんね」
忽滑谷アナウンサー
「冬の間もクマが街をさまよう状況が続く可能性はあります。クマを見かけたら、ただちに身を守る行動を取ることが大切です」
(2025年11月7日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)