装備不足に悩むロシアが繰り出す奥の手、オートバイ部隊
装備不足への対策を講じるロシア軍

ウクライナの全面的軍事侵攻も長期間続いており、ロシア側も装甲車両の不足に悩まされている。そんな状況のなかで、ロシアが前線へ兵士を送る際に新たな手段を開発しつつあるらしい。仏誌『Géo』が報じている。
装備不足への対策を講じるロシア軍

ウクライナでの戦争が長期化し、ロシア側も装甲車両や人手の不足に悩まされている。そんな状況のなかで、ロシアが前線へ兵士を送るための新たな手段を開発しつつあるらしい。仏誌『Géo』が報じている。
オートバイに頼るロシア軍

最近、ウクライナのドネツク州やハルキウ州では、ウクライナのドローン網をかいくぐって前線まで兵士を送るために、ロシア軍はオートバイに頼り始めているのだという。
攻撃の2割で採用

ウクライナの軍事専門家、パブロ・ナロジニー氏によると、オートバイはロシアの攻撃の「20〜25%で利用されている」という。『デイリー・テレグラフ』紙が伝えている。
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非常に危険な作戦

オートバイは移動に効果的ではあるものの、非常に危険でもある。特にドローンに対しては脆弱で、同紙いわく、露軍は昨年から実験的にオートバイ部隊を運用しているものの、しばしば作戦目標地点に到達する前に排除されているという。
画像:Ministère de la Défense de Russie
ドローンや地雷、穴をかいくぐる

同紙ではこう語られている:「(オートバイ部隊が来ると)ウクライナのドローンが出撃し、追いかけっこが始まる。身を守るすべがないオートバイ兵は、砲撃で空いた穴や地雷の間をジグザグ走行して敵の塹壕に迫ろうとするが、数分のうちに倒されてしまう」
軍指導部による冷酷な計算

一見無謀なこの戦略は、ロシア軍指導部による冷酷な計算を反映したものだ。オートバイ部隊を使うことで、簡単には補充できない装甲車両を温存することができる一方で、人的資源はいまも一定数補充され続けているからだ。
ウクライナのドローン戦術に対応か

オートバイ部隊の導入は、ウクライナ軍によるドローンの活用に対応する形で出てきた側面もある。ドローンによって破壊された装甲車両は多く、2023年から2024年にかけての冬にはとりわけ大きな損害を被っている。
前線が「鉄の墓場」に?

とはいえ、投入される兵士にとっては、オートバイでの突撃はあまりにも無謀で、生還のみこみの低い作戦としか思えない。『デイリー・テレグラフ』紙は、このままではウクライナの前線はやがて「ねじまがった車体と焼け焦げたタイヤの積み重なる鉄の墓場」となるだろうとしている。
他にも奇抜な輸送手段を活用

ロシア軍はオートバイ以外にも奇抜な輸送方法を用い始めている。民間車両や中国製の4輪バギー、果ては電動キックボードまで使われているという。
テレグラム上で生き残り戦略を論じ合う

ロシアのオートバイ兵らも任務の危険性は重々承知しているようで、生き残るためにテレグラムのチャンネル「ランボー・スクール」で情報交換をしているという。『フォーブス』誌が報じている。
ひとつのミスが命取りに

『Géo』誌によると、そのチャンネルでは「オートバイは迅速な移動手段だが、装甲はない。ひとつのミスが死につながる」などの注意が書かれているという。同誌はまた、ドローンのほうも時速200km近い速度を最大10分程度は出せるとしている。
木の多い未舗装道路を優先

テレグラムでアドバイスとして最初に述べられているのは、ドローンがアクセスしやすい、直線的な舗装道路は避け、木の多い未舗装道路を優先的に使うことだという。だが、そういったルートで最高速度を出してさえ、オートバイがドローンに捕捉されるリスクは高い。
音に注意

もうひとつの重要な注意として、常に音に気をつけるように言われている。偵察ドローンが目標を捕捉すると、30~90秒後にFPVドローンが攻撃に来る。その時、頭上や後方から鋭い音が聞こえるというのだ。
3秒以内に対応

そのような音を耳にした場合、3秒以内になんらかの対応を取らなければオートバイ兵には死が待っているとされる。ドローンは死角での位置調整が比較的苦手なため、オートバイ側は木の方を目指して、15~30度程度の角度で蛇行運転することが推奨されている。
オペレーターとの勝負

いずれにせよ、速度を落とせば直ちに死が訪れる:「知能・戦術・速度のすべてで、敵ドローンの向こう側にいるオペレーターの上をいくこと」
ウクライナ軍にとっても脅威

オートバイを用いた突撃は多くの場合失敗に終わるが、万一成功した場合、ウクライナ側に多大な被害を及ぼし得ることも知られている。オートバイ部隊が突入路を開いたことで、より強大な車両が後に続くことになるからだ。
ドローン部隊の対応力を飽和させる

ウクライナのイェフヘン・アルヒモフ報道官はこう語っている:「オートバイによる突撃は、我が方のドローン部隊の対応力を飽和させることを目的としています。前線から離れた地帯に人員を投じて兵站線を攪乱することで我々に、時間やドローン、弾薬などの資源を用いての対応を強いているのです」『Géo』誌が伝えている。
諸刃の剣

オートバイによる突撃はウクライナ軍にとっても悩みの種で、装甲車両も節約できるが、ロシア軍側の人員の消耗も激しい。前線を突破するためとはいえ、ロシア軍はいつまでこのような消耗戦を継続できるのだろうか?
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