赤木雅子さんが奈良県の高市早苗首相の事務所で直接の訴えも… 森友学園問題「再調査は必要ない」と高市首相

 学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、高市早苗首相は参院本会議で「新たな事実は判明していないため、第三者調査は不要」と答弁。これに対し、夫・俊夫さん(当時54)を失った赤木雅子さん(54)は「理解できない」と憤りを隠せない。

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「どうしても再調査はしたくないんだなって、すごく感じました」

 赤木雅子さんは、語気を強めて話す。

 学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却をめぐる、財務省の公文書改ざん問題。財務省近畿財務局の職員だった夫の俊夫さん(当時54)は、国有地売却をめぐり文書の改ざんに加担させられたことを苦に、2018年3月に自ら命を絶った。

 真実を知りたい――。

 その一心で、雅子さんは複数の裁判を起こし闘ってきた。裁判にはことごとく負けてきたが、「第三者による再調査を」と訴えてきた。

■「新たな事実が判明していない」と高市首相

 今月4日、雅子さんは手紙を携え、高市早苗首相の奈良県にある高市事務所を訪ねた。高市首相は不在だったが、便箋2枚にわたり書いた手紙にも、「森友事件の遺族のお願い」として、「第三者による再調査をしてください」などと書いた。

 だが、高市首相は翌5日の参院本会議で、森友学園問題に関する第三者委員会による再調査を野党から求められたのに対し、「新たな事実が判明していないため、改めて第三者による調査が必要とは考えていない」との考えを示したのだ。

■今年4月から公文書の開示が始まった

 森友学園への国有地売却に関する公文書の開示は、今年4月に始まった。17万ページあまりあるとされる文書のうち、これまで4回にわたり計約5万4千ページが開示された。その中で、森友学園への国有地値引きが不当だったこと、売却に至る経緯の詳細などが新たに判明した。さらに、10月上旬には、国土交通省大阪航空局の調査で、値引きの根拠とされた国有地に埋まるゴミの埋設量が、想定の4分の1しかなかったことも明らかにされた。

 雅子さんは言う。

「新しい事実はたくさん出てきているのに、高市首相が『新たな事実はない』と言い切るのは理解できません。再調査で国有地売却に問題があったことが明らかになっても、今さら認められないからではないでしょうか」

 公文書の改ざんは、当時の財務省の理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏が主導したとされている。だが、これまでの開示では、佐川氏の関与を示す文書は出てきていない。雅子さんらは10月中旬、財務省に対し、「佐川氏ら財務省幹部らのメールや手控えを中心に優先的に文書を開示してほしい」と申し入れを行った。

■夫が亡くなった年齢に追いついた

 これを受け、高市首相は、10日の衆院予算委員会で、「できる限りの対応をするよう財務大臣に指示をした」などと述べた。次の開示は12月の予定だ。ただ、佐川氏らのメールが出てくるかどうかわからない。雅子さんは強く訴える。

「文書開示より、第三者による再調査をお願いしたいです」

 今年、雅子さんは、夫が亡くなった年齢に追いついた。

「(夫は)年上だと思っていたけど、最近は、だんだん自分が追いついているんだなと感じます」

 真相究明への道のりは長い。でも、諦めない。

「ずぶとく生きていきます」

(AERA編集部・野村昌二)

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