【解説】あえて撮らせたか…会談後に異例の事態 中国側は厳しい態度 日中局長会談

台湾有事をめぐる高市首相の国会答弁に中国側が反発を強める中、18日、日本と中国の外務省の担当局長による会談が行われました。緊張高まる日中関係。北京支局の柳沢高志支局長が解説します。

■劉局長、両手をポケットに入れぶぜんと…あえて撮らせたか

──18日の日中の局長級会談、中国側はどのような反応でしょうか?

今回の会談は中国外務省の中で行われたのですが、会談終了後、きわめて異例とも言える事態が起きました。

会談を終えた外務省の金井局長と中国外務省の劉勁松局長が、報道陣がカメラを構える前に姿を現したのです。

劉局長は両手をポケットに入れ、ぶぜんとした表情で。そして威圧的な雰囲気で、金井局長に何かを話しています。会談後、劉局長は次のように語りました。

中国外務省 劉勁松局長

「(会談内容に)当然、満足していない」

「(雰囲気は)厳粛だった」

通常、中国外務省の建物の中で、このような形で撮影をすることは許されません。つまり、あえてメディアに、この2人のやりとりを撮らせたとも言えます。

■会談を印象操作に使ったか

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実は、今回の金井局長の中国訪問については、17日から一斉に中国メディアが大々的に報道していて、私のところに中国メディアから「局長が泊まるホテルはどこか?」と事前に問い合わせが来たほどの関心の高さでした。

それというのも、中国側としては金井局長の訪中を中国国民に対して「日本から、わざわざ弁明に来たぞ」「やはり、自分たちの立場の方が上だ」という形で、アピールする材料として使ったとみられます。

つまり、中国側はこの会談を、自分たちの正当性を国内外に見せるための印象操作の手段として、利用したと言えると思います。

■中国側の“反高市政権キャンペーン”とどまらず

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──中国側の表情や言葉を見ていると、中国側は、かなり厳しい態度だったということでしょうか?

先ほど中国外務省の報道官は18日の会談について、「中国側は、高市氏の中国に対する誤った発言に対して、改めて日本側に厳正な申し入れを行った」と話し、従来の主張を繰り返しました。

今回の問題はすでに、習近平国家主席自身が直接、決定を下す事項となっていて、外交当局者同士の話し合いだけで大きく前進させることは、そもそも難しい状況でした。

中国側としては「あくまで高市首相が発言を撤回しない限り、圧力をかけ続ける」という立場は変えていません。

ある日中関係筋は「レアアースの規制など、経済制裁を強められるのが一番厳しい。中国は日本の経済界を締め上げて、日本側を分断しようという戦略だ」と指摘しました。

政府・メディアが一体となった“反高市政権キャンペーン”はとどまるところを知らず、在留邦人や経済界の不安は高まっています

──中国にいる日本人に安全面を考慮して呼びかけなどはいま、されている状況でしょうか?

17日夜、日本大使館から在留邦人に対して、外出するときは複数人でなるべく行動するようにといった、安全を確保するようにという強い注意喚起が出されました。