麻薬カルテルは大所帯:メキシコで5番目に就業者が多い「業界」

麻薬カルテルは大所帯

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メキシコでは麻薬カルテルに「勤めている」人が17万5,000人いると見られ、実質的に同国における重要な業界の一つになっているという。最新の研究論文が指摘している。

『サイエンス』掲載の論文

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『サイエンス』誌に掲載されたその論文は、独自の数理モデルを用いてメキシコ犯罪組織の規模と人員補充力を見積もった。

末端構成員に注目

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メキシコではカルテルによる麻薬と暴力が大きな問題になっており、研究者たちはそのような活動に直接的にたずさわる街路レベルの売人や武装グループなどに注目した。資金洗浄役や財務担当者といった組織幹部は除外されている。

2012年から2022年のデータを収集

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スペイン紙『エル・パイス』によると、研究チームはメキシコにおける殺人事件、行方不明者、逮捕者、対抗する派閥間の相互作用について、2012年から2022年にかけてのデータを収集したとのこと。

5番目に大きい雇用主

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これらのデータを分析すると、国内の麻薬カルテルをひとつにすればメキシコにおいて5番目に大きな雇用組織とみなすことができるという。通信大手「アメリカン・モビル」や石油企業「ぺメックス」といった大企業に次ぐ規模だ。

コンビニよりも多い従業員数

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メキシコの麻薬カルテルは、たとえば同国最大のコンビニチェーン「OXXO」といった一般市民に身近な企業よりも多くの人材を抱えている。

街のいたるところに

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「OXXO」の店舗は麻薬カルテルの広がりを理解する上で格好の比較対象になるだろう。メキシコでは街のあちこちに「OXXO」がある。

メキシコ最大のカルテル

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論文によると、メキシコ最大の麻薬カルテルは現在「ハリスコ新世代カルテル」だという。カルテル業界におけるリクルートのおよそ20パーセントまでをこのカルテルが占めており、「シナロア・カルテル」が10パーセントでその後に続く。

毎週350人を補充

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同論文によると、麻薬カルテルは毎週350人を雇い入れることができるという。この旺盛なリクルート力により、カルテルは着々と成長を続けているのだ。

麻薬カルテルの成長

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同論文が明らかにしたところでは、データ収集期間(2012〜2022年)を通してメキシコにおける犯罪組織構成者数は6万人も増えたという。

驚異的な成長

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麻薬カルテルが直面している不利な条件を考えると、この成長ぶりは驚異的である。というのも、警察が取り締まりを強化しており、構成員の死亡率も高いからだ。

メキシコ当局の取り締まり

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メキシコ政府はこうした現状にかなり積極的に取り組んでおり、末端構成員を次々と逮捕している。薬物不正取引とカルテルの暴力に関連する容疑で収監される人数は毎年6,000人にのぼっている。

高い死亡率

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論文の推定値によると、末端構成員の死亡率は非常に高く、10年間で麻薬カルテル構成員の17パーセントが亡くなったとされている。しかし、これだけの逮捕者数と高い死亡率にもかかわらず、カルテルの規模は縮小に転じないのだ。

カルテルと戦う最善策?

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以上のデータを踏まえた上で、カルテルがらみの暴力と戦う最善策は、その人員補充を阻害することであると論文は結論づけている。

専門家の見解

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この論文の結論について、外部の専門家らは『エル・パイス』や英紙『ガーディアン』にて大筋で共感を示しつつも、麻薬カルテルの政治的論理を理解することも必要だろうと指摘している。

みごとな数理モデル

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組織犯罪に対抗するためのアルゴリズムや人工知能を開発する米企業「SciVortex Corporation」のCEOであるエドゥアルド・サルセド=アルバランは『エル・パイス』にて、この論文で用いられた数理モデルを「みごとである」と評価している。

麻薬カルテル根絶のために

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本論文の執筆者たちは、カルテルの人員補充と組織拡大の内的メカニズムを解明するうえでこの研究結果は確実な第一歩であると考えている。麻薬カルテル根絶のために、さらなる研究が待たれる。