西側諸国はプーチン大統領なき後のロシアに備える必要がある:専門家が指摘するロシアの権力移行リスクとは
寿命は延長できない

ロシアのプーチン大統領は、憲法改正を経て2036年まで権力の座に留まることが可能となっている。だが、法文上の任期をどれほど延長しようとも、やがて訪れる自らの死は避けられない。
後継者問題

プーチン大統領は現在73歳。憲法を改正して2036年まで権力の座に留まり続けられるようにしたとはいえ、そろそろ後継者について考えるべき年齢だ。
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不穏な会話も

プーチン大統領自身、自らの年齢問題に無自覚なわけではない。今年9月には、中国の習近平国家主席と交わした、臓器移植を通じて寿命を延ばす可能性についての会話が漏れ聞かれていた。
西側も備える必要がある

「西側社会はプーチン大統領の死に備える必要がある」とはっきり指摘するのは、米シンクタンク「ランド研究所」の欧州部門主任研究員ジョン・ケネディ氏だ。
「ポスト・プーチン」問題

ケネディ氏はロシア問題の専門家として英国政府に参与していたこともある人物。そんなケネディ氏が、仏『レクスプレス』誌の「ポスト・プーチン」特集で取材に応えている。
暴力的移行に備えよ

ケネディ氏いわく、「ポスト・プーチン」において備えるべき事態とはなによりも「予測不可能で、長期的かつ暴力的な」移行が起こるシナリオだという。「後継者となる可能性がある人たちそれぞれについて、検討し備えておく必要があります」
死ぬまで権力を放さない?

だが、その「移行」はいったいいつ起こることになるのだろうか。プーチン大統領は自らの命が続く限り権力を手放さないだろう、というのが大方の予想だ。ケネディ氏はこの点についてこう語っている:「プーチン大統領の周囲には権力を奪いにいくような人はいません。政治活動家としてプーチン大統領を批判しており、対抗馬と目されていたアレクセイ・ナワリヌイ氏も長年にわたる政権からの迫害の末、2022年に獄中死しています。従って、プーチン大統領が現在の任期を超えて政権を継続しようとする可能性は十分にありますし、政治的にも実現できるでしょう」
鍵を握るのはウクライナ

この現状を変え得る要因はあるのだろうか。ケネディ氏はこう語る:「鍵を握るのはウクライナの状況です。もしプーチン大統領が政治的、軍事的に苦境に立たされたと感じることがあれば、方針も変えることになるでしょう」
自身の健康状態も重要

他にもプーチン大統領の計画に影響する要因がある。大統領自身の健康状態だ。もちろん自身の健康には最大限配慮しているだろうが、万一重大な健康問題が明らかになった場合には「後継者をはっきりさせ、移行を安全に行うことで自らのレガシーを維持し、自己と家族の安全を確保しようとする必要を感じ始める可能性はある」とのことだ。
「クレムリノロジー」が復活か

以上の点を踏まえた上で、ケネディ氏は「西側社会はロシアのエリート層についての情報収集を深める必要があります」と語っている。ロシアエリート層のネットワークに入り込み、情報を探る必要があるというのだ。「その際、古典的な『クレムリノロジー』の手法が使えます。これは大統領周辺の些細な情報に注目することで、誰が重用されているのかといった政府内の機微を推察するものです。そういった手法を活用して、後継者候補を探っていくのです」
アレクセイ・デューミン氏

こうした手法からいま注目されているのが、アレクセイ・デューミン氏だ。デューミン氏はプーチン大統領の元個人警護官で、昨年には国家評議会議長に任命された。
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前途多難なロシアを遺すことに

いずれにせよ、移行人事が「驚くべきもの」になるのは必至だろうとケネディ氏は見ている:「プーチン大統領が後継者に託すロシアは、今まで以上に中国に依存することになっています。戦争による内外の問題も山積し、(国内の)健康問題は悪化、人口も減少しているのです」
プーチン大統領の退陣がロシアの穏健化を意味するわけではない

プーチン大統領はその攻撃性から、ロシアによる侵略行為の元凶と見られることもある。だが、ケネディ氏は取材の最後に、「プーチン大統領が退陣したとしても、ロシアの危険性が直ちに減少するとは限りません」と指摘している。ロシアが隣国への帝国主義的野心を示したのはプーチン政権が初めてではない以上、プーチン大統領の後継者が穏健化する保証はないのだ。
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