尖閣諸島で集団漁業活動、緊張の海は荒れ模様 沖縄県石垣市

朝焼けに染まる北小島(左)と南小島。尖閣諸島という名の通りシルエットは鋭い(松本健吾撮影)

石垣島の新川漁港(沖縄県石垣市)を出てから約8時間。夜明けの波間に、とがった岩壁がいくつも突き出す尖閣諸島の北小島と南小島が見えた。

さらに「あれが魚釣島」と、船長の名嘉全正さん(54)が指差す先に、M字形のシルエットが浮かんでいた。

尖閣諸島周辺で日本の実効支配をアピールする集団漁業活動に同行した。参加者は地元漁業者のほか、国会議員や海外メディアなど計120人。午後9時半、14隻の漁船で出発した。

魚釣島の岩に描かれている日本国旗

途中、台湾のマグロ漁船に遭遇し〝国境〟を実感。夜明け間近に約170キロ離れた尖閣諸島海域へ。「潮目が複雑で波も荒い」という漁師の言葉通り波高は2・5メートルにも及んだ。漁船団は魚釣島を1周し海鳥や漂着船、日本人の足跡を示す石垣などを確認し、漁師の指導で釣りも体験。漁師らは銛(もり)を手に海に飛び込み、手つかずの美しいサンゴ礁の中で、次々とナポレオンフィッシュやイシガキダイなどの大物を仕留めていった。

南小島では漂着船のほか、かつお節工場の名残をとどめる石垣を確認することができた

尖閣諸島周辺は、一昨年の中国漁船衝突事件以来、緊張が高まっている。マグロ漁師の玉城清光さん(54)は「大がかりな中国籍の巻き網漁船が目立つ。じわりじわりと足を踏み込まれている印象」と顔色を曇らせる。

石原慎太郎東京都知事の「購入表明」が一石を投じたものの、国の対応は判然としない。

航行中には台湾船籍とみられる漁船にも出くわした

尖閣の海の〝荒れ模様〟はまだまだ続きそうだ。(写真報道局 松本健吾)