生理、白いユニホーム、更衣室なし… 10代女子スポーツ選手の悩み語り合い、解決策探る

女子がスポーツを続ける上での悩みや本音を語り合うイベントで、トークセッションをする参加者ら=12月1日、東京都文京区(長谷川あかり撮影)

学生時代、スポーツに打ち込んでいたのに途中でやめてしまったり、卒業後にスポーツから遠ざかってしまったりする女性が多いのはなぜかー。こんなテーマを語り合うイベントが、東京都内で開かれた。部活動に打ち込む女子高校生や、女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」の元選手、スポーツ庁長官も出席。女性特有の「問題」がスポーツを続ける上での障害となっている現状や対応策について、活発な議論が交わされた。

新ユニフォームのパンツを着用して見せる藤枝順心高校のサッカー部の生徒(右)=12月1日、東京都文京区(長谷川あかり撮影)

「やめたいと思った」7割以上

女子がスポーツを続ける上での悩みや本音を語り合うイベントで発言する近賀ゆかりさん=12月1日、東京都文京区(長谷川あかり撮影)

イベントは12月1日、サッカー女子プロリーグ「WEリーグ」とSOMPOホールディングスが主催し東京都文京区で開催された。冒頭、同社が11月に全国の女子高生やスポーツ経験のある女性ら約2千人を対象に行った「10代女子がスポーツを続ける上での悩みや本音に関する意識調査」の結果が紹介された。

これによると、「スポーツをやめたいと何度も/時々思ったことがある」と回答した現役女子高生は計74・1%に上った。理由として「自信喪失」「チームの雰囲気が合わない」「顧問との相性」のほか、「体調不良による休みに不寛容」「生理などによるユニホームや見た目への影響」なども挙がった。

ユニホームが白いことで「何度も/時々困ったことがある」と回答したのは計48・6%。具体的には「下着が透ける」「汚れが落ちない」「汗や体形が目立つのが恥ずかしい」との声があった。練習場所や試合会場に「更衣室がまったく/ほとんどない」との答えも、「時々ない」を含めると計47・5%に上った。

下着の透けや生理の影響、それらを隠せないユニホームの色、更衣室の不備といった女性特有の不安が競技継続の妨げになっている現状が浮かび上がった。

生徒の声で「伝統の白」を変更

続いて、高校女子サッカーの強豪・藤枝順心高(静岡)の部員や、WEリーグ特任理事で女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」で世界一になった経験を持つ近賀ゆかりさん、スポーツ庁の河合純一長官らによるトークセッションが行われた。

ユニホームの上下、ソックスが白で統一されていた藤枝順心高は、生徒らが声を上げ、パンツを紺色が基調のものに変更。今月29日から始まる全日本高校女子サッカー選手権にも新しいユニホームで挑むという。

元「なでしこ」メンバーで2011年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で日本の初優勝に貢献した近賀さんは「これまで女子だから仕方ないと思っていたことを一緒に変えていきたい」と力を込めた。

イベントでは、更衣室の問題を解決するため、災害時に避難所となる学校に設置された災害用テントを使うなどのアイデアも紹介された。

耳傾け、違和感を口に

一方、SOMPOホールディングスの意識調査では、白いユニホームによる悩みや更衣室がないことを相談しなかったことについて「『そういうものだ』と思い、疑問に思わなかった」との回答がそれぞれ6割以上に達した。「恥ずかしくて言えなかった」「言っても無駄だと思った」との答えも多かった。

イベントを共催した担当者は「このような隠れた不満が、女子がスポーツから離れる一因となっている可能性も考えられる」と指摘。環境改善のため、まず耳を傾ける▽違和感を口にする▽みんなで変えていくーの3点が必要とした。

「女性スポーツが受けてきた扱いは障害者スポーツと似ている」。パラリンピックの水泳競技で活躍してきた河合長官はこう話し、「さまざまな声を聞き、スポーツを通じて豊かになってもらいたい」と語った。(長谷川あかり)

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