ウクライナは今後、数ヵ月間で厳しい防衛戦を強いられる(エストニア国防省)
難しい立場に立たされるウクライナ

ロシアとの和平交渉が進展しなければ、今後数ヵ月でウクライナ軍は激戦に見舞われる。最新の情報分析によって示された見通しだ。とはいえ、拙速な和平交渉はそれ以上に深刻な結果を招くおそれもあり、ウクライナは難しい立場に立たされている。
各国は協議を活発化

ここ最近、ウクライナ和平をめぐって活発に協議が行われていることから、およそ4年間におよぶ戦争の終結が見えてきたとする観測も出ている。しかし、現状ではロシア側が交渉の主導権を握っており、米国はウクライナに大きな譲歩を迫る姿勢を見せている。
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ウクライナはトランプ和平を受け入れる?

ウクライナが米国主導の和平案を受け入れるかどうかは不透明だ。ただし、早期に和平合意に至らなければ、ウクライナ軍は今後数ヶ月間にわたって激しい防衛戦を強いられるかもしれない。
エストニア国防軍による警告

エストニア国防軍のアンツ・キヴィセルク大佐はロシア軍が小規模ながら前進している現状を指摘。和平交渉が早期にまとまらなければ、ウクライナは「極めて厳しい冬」を迎えるだろうと述べた。
画像:International Centre of Defense and Security
事実上の包囲

同大佐の分析によれば、ロシア軍が攻勢の主軸とするポクロウシク・ミルノフラード方面は「事実上包囲された」状態にあるという。エストニア公共放送ERRが伝えた。
画像:DeepStateMap / Edited by The Daily Digest
「拠点の長期間維持は不可能」

同氏いわく:「ウクライナ軍の補給線は強い圧力にさらされており、この状況下で拠点を長期間維持するのは不可能だ」『ウクラインスカ・プラウダ』紙が報じた。
各地で攻勢を強めるロシア軍

ロシア軍はさらに、ハルキウ州のヴォウチャンシクやクピャンシク方面、ドネツク州シヴェルシク、ザポリージャ州フリャイポレ周辺など、他の戦線でも圧力を強めている。
ロシア軍が全面的に優位

これについて、キヴィセルク大佐は「総じてウクライナ軍は厳しい状況に置かれており、ロシアは局地的な戦術的成果を挙げている。加えて、ロシアは兵力、砲兵、弾薬、装備のすべてで優位に立っている」
和平交渉の行方がカギ

同大佐はさらに、「ウクライナにとって受け入れ可能なブレイクスルーが和平交渉でなされなければ、戦線は極めて緊張した状態が続き、今後数ヵ月間にわたってウクライナ軍は激しい防衛戦を強いられるだろう」とした。
ロシア軍の前進を警戒するエストニア国防省

『ウクラインスカ・プラウダ』紙によれば、エストニア国防省は以前から、ドネツク州の要衝ポクロウシクとミルノフラードが12月にも陥落するおそれがあると警告していた。なお、ロシア側はすでに「制圧したと主張している。
ポクロウシクの制圧を主張するロシア

プーチン大統領は12月2日にロシア軍がポクロウシクを制圧したと宣言。米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」も、これによって同市をめぐり20ヵ月間にわたって続けられてきた戦闘に決着がついたとした。
ポクロウシク陥落はターニングポイントになるのか?

一方、ウクライナ当局はプーチン氏の主張を否定している。ISWの分析によれば、「多くの軍事専門家はポクロウシクが最終的には陥落する」とみているものの、「ロシア軍にとってはピュロスの勝利(代償の大きい勝利)にすぎず、東部防衛を崩壊させる決定的要因にはならない」とされる。
多数の死傷者を出して40キロメートル前進

ISWいわく、ロシア軍は20ヵ月におよぶ攻勢でおよそ40キロメートル前進したが、非常に多数の死傷者を出したと見られている。ただし、具体的な数字は不明。
強引な人海作戦

欧州政策分析センター(CEPA)は11月初旬、ウクライナ軍司令官らの見立てとして、「ロシア軍部隊およそ11万人がポクロウシク周辺に集結している」と報告。同シンクタンクによれば、当時のロシア軍は1日あたり700〜800人の死傷者を出していたという。
ウクライナによる推計

また、ゼレンスキー大統領が11月7日に行った記者会見によれば、10月だけでロシア兵およそ2万5,000人の死亡が確認されたとされる。その大半はポクロウシク方面の戦闘によるものだ。ウクライナ支援プラットフォーム「United24」が報じた。
ウクライナの防衛線がただちに崩壊する可能性は低い

ポクロウシクがすでに陥落しているのか、これから陥落するのかは不透明だ。しかし、このまま和平合意が成立せず、ロシア軍が攻勢を強化したとしても、東部におけるウクライナの防衛線がただちに崩壊する可能性は低い。
米国がウクライナ支援から手を引く可能性

とはいえ、戦況は厳しさを増すはずだ。ロシア軍はすでに冬季恒例の電力インフラ攻撃に着手しており、ウクライナが和平案を拒めば、米国が支援を完全にストップする可能性もあるためだ。
現実味のある予想

今後、数ヵ月間のうちにウクライナで何が起きるかは依然として不透明だ。しかし、キヴィセルク大佐による「ウクライナは厳しい防衛戦を強いられる」という分析は、トランプ和平案にクレムリンがさほど関心を示していない現状を踏まえれば、現実味を帯びていると言えるだろう。
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