ロシアの戦費、2025年に過去最高水準へ
2025年の支出額が判明

ウクライナへの全面的軍事侵攻を開始して以来、ロシアは前例のない規模で国防費を投じている。ドイツ国際安全保障問題研究所(SWP)の研究者ヤニス・クルーゲ氏の最新分析により、ロシアが2025年にいくら国防に費やしているのか、その実態が明らかになった。
ドイツ国際安全保障問題研究所の分析

ロシア財務省のデータを基にクルーゲ氏が集計・分析したところ、クレムリンは2025年1月から9月までの間に、国防費として1,422億5,000万ドルを支出したという。
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ロシアの財政データを精査

クルーゲ氏は、ロシアの国防支出を把握するため、財務省の主要データを継続的に分析してきた。この独自分析は、ウクライナ戦争をめぐる報道の中でたびたび注目を集めている。
衝撃的な増加幅

今回の分析内容を最初に報じたのは、ロシア語の独立系メディア『The Moscow Times』だ。同紙は、ロシアの国防費支出が「衝撃的な水準」に達していると伝えている。
2025年9月間で1,422億ドル

クルーゲ氏の試算によれば、2025年1月から9月の1,422億5,000万ドルという金額は、前年2024年の同時期と比べて30%増となる。ただし、問題はそれだけではない。
2023年比でほぼ倍増

『The Moscow Times』によると、2025年1月から9月の国防費支出は、2023年と比べて95%増加している。ほぼ倍増という水準だが、状況はさらに深刻だ。
長期的に見た急膨張

2022年と比べると国防費は173%増、戦争前の2021年と比べると実に295%増に達している。わずか4年で、ロシアの防衛支出はほぼ4倍に膨れ上がった計算になる。
月・日・時間単位で見る戦費

『キーウ・ポスト』紙も『The Moscow Times』の分析を引用し、より具体的な数字を紹介している。それによると、ロシアは2025年に月平均1兆3,000億ルーブル(約166億ドル)を戦争に費やしている。
驚異的な消費ペース

これは1日あたり434億ルーブル(約5億4,500万ドル)、1時間あたり19億ルーブル(約2,390万ドル)に相当する。ただし、ロシアの支出の多くは依然として機密扱いだ。
軍事予算の6割が非公開

クルーゲ氏の推計では、ロシアの軍事予算の約59%が機密費とされている。2025年1月から9月までに、この非公開部分だけで約7兆ルーブル(約880億ドル)が割り当てられたと『キーウ・ポスト』は伝えている。
機密支出は急増

この機密扱いの国防費は、2024年の同時期と比べて39%増加し、戦前水準と比べると約5倍に膨れ上がった。
公開分を含めた総額

一方、公式に公表されている防衛支出は4兆8,000億ルーブル(約600億ドル)だった。これに機密分を加えると、国防費がロシアの連邦予算を圧倒していることが分かるという。
国家予算を支配する国防費

『The Moscow Times』によれば、ロシアの連邦税収の44%、歳出全体の39%が国防関連に充てられている。いずれも過去最高の水準だ。
過去との比較

2024年は、防衛費が税収の39%、政府支出の36%を占めていた。戦争前の2021年には、それぞれ18.4%、19%にすぎなかった。
ウクライナ戦争の総コスト

クルーゲ氏の試算では、ウクライナ戦争にかかったロシア側の総費用は、累計で4,234兆ルーブル(約5,320億ドル)に達する。これはロシアの高等教育予算24年分に相当すると『The Moscow Times』は指摘する。
途方もない金額

さらに同紙は、この5,320億ドルという金額が、医療分野の連邦予算22年分、スヴェルドロフスク州やクラスノダール地方といった比較的豊かな地域の予算80年分に匹敵すると伝えている。
2026年はさらに悪化か

ロシアの戦費は2026年に向け、さらに拡大する見通しだ。『The Moscow Times』によれば、クレムリンは2026年に「国家防衛」として12兆9,000億ルーブル(約1,610億ドル)、「国家安全保障」として3兆9,000億ルーブル(約490億ドル)を計上している。
治安部門が予算の4割近くに

『キーウ・ポスト』は、「治安関連部門を合わせると16兆8,000億ルーブル(約2,100億ドル)となり、連邦予算の38%を占める。戦前の24%から大幅に上昇する」と報じている。
社会保障は削減へ

一方で、社会サービス関連の支出は、戦前の38.1%から25.1%へと大きく削減される見通しだ。経済支援も17.6%から10.9%に縮小されるとされている。
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