「19.2秒ほど見ていただいた」「汚い首は斬ってやる」「黙って私に投資」あのひとことで振り返る2025年
「あの人」が米大統領に返り咲き、ワークライフバランスという言葉を捨てて「働く」日本初の女性首相が誕生した2025年。排外的な空気は社会の漠然とした不安感を増幅させ、問題を起こしても地位に固執する自治体首長の姿に人々は戸惑った。世間やメディアで話題となった名言や失言、迷言など、「あのひとこと」を振り返り、一年の締めくくりとしたい。(肩書は発言当時)
◆気持ちが押しつぶされそう
〈1月〉
「1票足りないというのはすごく良かったと思う。生きていく上で、不完全だから進もうとできる」(米大リーグで活躍し、米国野球殿堂入りを果たしたイチローさん)
「大変、大変申し訳ございませんでした。さようなら…」(女性への性暴力問題を受け、タレント中居正広氏が芸能界引退を表明)

トラックが転落した道路陥没現場=1月31日、埼玉県八潮市で
「気持ちが押しつぶされそう」(埼玉県八潮市で大規模な道路陥没が発生。避難所で女性住民が自宅の崩壊と、転落したトラック運転手の安否を案じた)
◆400勝は意識していなかった
〈2月〉

藤井聡太七冠(資料写真)
「400勝は意識していなかった」(史上最年少で公式戦400勝を挙げた藤井聡太七冠)
「違法ではないと認識してしまった」(お笑いコンビ「令和ロマン」の高比良くるまさんが、オンラインカジノを巡り警視庁から事情聴取を受けたとして、動画で謝罪)
「これは官僚機構に切り込むチェーンソーだ!」(米政府効率化省の実質的トップ、イーロン・マスク氏がチェーンソーを振りかざして歳出削減をアピール)
「スーツを持っていないのか」(米ホワイトハウスで、記者がウクライナのゼレンスキー大統領の服装をやゆ。同大統領は「戦争が終われば着る」と切り返した)
◆めちゃめちゃ気持ちいい
〈3月〉

日本維新の会の吉村洋文代表(資料写真)
「めちゃめちゃ気持ちいい」(4月の大阪・関西万博の開幕を前に、吉村洋文・大阪府知事がパビリオンで「人間洗濯機」を体験)
「『もっと便利に、もっと豊かに』と思えば、反対に大事なものを失ってしまう」(北陸新幹線延伸を巡り、小浜—京都ルートに反対する聖護院門跡の宮城泰年門主が「こちら特報部」の取材に訴えた)
「類例のない膨大な被害が生じた」(東京地裁の鈴木謙也裁判長が世界平和統一家庭連合=旧統一教会=に解散を命令。高額献金被害を認定した)
◆けちだとずっと言われて相当気にしていた
〈4月〉

石破前首相=10月10日、首相官邸で(佐藤哲紀撮影)
「人付き合いが悪く、けちだとずっと言われて相当気にしていた」(自身の商品券配布問題を巡り、石破茂首相が陳謝)
「車1台分ぐらい溶けてしまった」(米トランブ政権の相互関税の影響で株価が乱高下。東京・兜町で、男性会社員が嘆いた)
◆ご質問いただいた方のご意見として承ります
〈5月〉
「歴史を書き換えられるとこういうことになってしまう」(沖縄戦で犠牲になった女学生らを慰霊する「ひめゆりの塔」の展示を巡り、自民党の西田昌司参院議員が発言。物議を醸した)

斎藤元彦・兵庫県知事=2024年9月、神戸市で
「ご質問いただいた方のご意見として承ります」(パワハラ研修を終えた斎藤元彦・兵庫県知事が、記者団に自身のパワハラ疑惑を巡る対応への認識を改めるべきではと問われて)
「コメは買ったことがありません。支援者の方々がたくさんくださるので」(コメの価格高騰が続く中、江藤拓農相が講演で発言し、更迭)
◆心の雲がきょうやっと、全て晴れた
〈6月〉
「長嶋茂雄は野球の星に帰りました」(「ミスタープロ野球」こと長嶋さんの死去を受け、長男一茂さんがコメント)
「この世界には、特定の人にしか襲ってこない嵐がある」(地方議員にトランスジェンダーだと暴露された芥川賞作家・李琴峰=りことみ=さんが記者会見で)
「これまでの役者人生全てかけた」(大ヒット映画「国宝」の公開初日、主演の吉沢亮さんが舞台あいさつで)

東京都と国の上告断念を受け記者会見する(左から)大川原化工機の大川原正明社長、島田順司さん、相嶋静夫さんの長男
「心の雲がきょうやっと、全て晴れた」(大川原化工機冤罪(えんざい)事件を巡る訴訟で、違法捜査と認定した判決が確定。同社元取締役の島田順司さんが記者会見で)
「戦場で命を落とした方々の無念さ、動員された方々の苦しみを考えると、今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです」(沖縄戦の「慰霊の日」に、犠牲になったひめゆり学徒隊らを悼み、知念淑子同窓会長が声を震わせた)
「どんどん削っていく」(ミキサー車運転手ら労働組合員の大量摘発を巡る民事訴訟で、検事の取り調べ時の発言を記録した映像を再生)
◆としまるです
〈7月〉
「男性や、申し訳ないけど高齢の女性は子どもを産めない」(参政党の神谷宗幣代表が参院選の街頭演説で)
「としまるです」(小倉利丸を名乗っていたが姓を使わないことを決めた大学名誉教授)

参院選東京選挙区で当選確実となった塩入清香(さや)さん(左)と一緒に、パネルに花を付ける参政党の神谷宗幣代表=東京都新宿区で
「私を皆さんのお母さんにしてくださーい」(参院選東京選挙区に出馬し支持を求める参政党の塩入清香=さや=さん)
「優遇は求めていません。等身大の人間として見てほしい」(博士課程支援の対象を日本人に限定するとした国の方針に大学院博士課程の中国出身女性が訴え)
「一日一日年を取って、命が終わる人がいる。早く法律にしてほしい。それだけです」(空襲被害者の救済法案が成立しなかったことに、東京大空襲で家族を亡くした河合節子さんは声を落とした)
◆『チラ見せ』といった事実はありません
〈8月〉
「ラトちゃんとの話し合いは割と上手く行きました」(赤沢亮正経済再生担当相がラトニック米商務長官との日米関税協議の後にXに投稿)

伊東市長選への出馬を表明する田久保真紀前市長=11月19日、静岡県伊東市で
「『チラ見せ』といった事実はありません。約19.2秒ほど見ていただいたと記憶しています」(学歴問題が発覚した田久保真紀・静岡県伊東市長が同市議に、「卒業証書」とされる書類を見せたことについて説明)
「甲子園を優勝できる自分にまで育ててくれてありがとう」(甲子園で優勝した沖縄尚学高校の真喜志拓斗主将が誕生日の母親に感謝)
「何度もくじけそうになったが、遺骨は待ってくれていると思ってやってきた」(人骨を発見し、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の井上洋子共同代表が喜びの声)
◆『勝ちたい』よりも『変えたい』かもしれない
〈9月〉

帰国会見で四大大会の優勝トロフィーなどを並べて笑顔を見せる小田凱人=9月9日、東京都大田区で
「世界を変えたい。『勝ちたい』よりも『変えたい』かもしれない」(車いすテニスで「生涯ゴールデンスラム」を達成した小田凱人選手が今後の目標を聞かれ)
「史上最大の詐欺だ」(トランプ米大統領が国連総会の演説で気候変動問題について持論を展開)
「政治家が私たちに彼らが望むことを言わせるのはやめ、私たちが望むことを彼らに伝えよう」(トランプ大統領らをやゆして出演するテレビ番組が休止し再開した司会者のジミー・キンメルさん)
「私は今年一回も笑ったことがない」(大阪・関西万博のマルタ館の工事を請け負った男性が工事費未払い問題の集会で)
◆ネットに出ているはずです
〈10月〉
「地域に民泊の恩恵はない。あるのは負担と不安と不満だけだ」(特区民泊に反対する此花区特区民泊反対有志の会の代表)
「ネットに出ているはずです。調べてください」(移民政策反対デモに参加した川崎市の女性に「外国人が増えると治安が悪化する」根拠を聞くと)
◆答え合わせがしたい
〈11月〉
「ニューヨークはこれからも移民の街であり続ける。そして今夜を契機に移民が先頭に立つ街になる」(ニューヨーク市長選に勝利した民主党急進左派のゾーラン・マムダニさん)

自民党の黄川田仁志氏(資料写真)
「一番やっぱり外国に近いところ」(黄川田仁志沖縄北方担当相が視察で訪れた北海道根室市から北方領土を眺めて)
「汚い首は斬ってやる」(高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁を受け、中国の薛剣=せつけん=駐大阪総領事がXに投稿)
「答え合わせがしたい」(日本テレビの番組を「コンプライアンス上の問題行為」を理由に降板となった元「TOKIO」の国分太一さんが会見で問題行為の内容の開示を求めた)
◆いいから黙って全部私に投資しなさい
〈12月〉

高市首相=26日、首相官邸で(佐藤哲紀撮影)
「いいから黙って全部私に投資しなさい」(サウジアラビアの投資ファンドなどが東京都内で開いたイベントで、高市首相が英語で発言)
「統一教会に一矢報いる、打撃を与えるのが自分の人生の意味だと思った」(安倍晋三元首相銃撃事件の裁判員裁判で、殺人罪などに問われた山上徹也被告)
「野良猫がトコトコと歩く感じでクマが外を出歩いている」(災害の避難時にクマに遭遇する危険性を語る青森県の農業阿部伸義さん)
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