富山の郷土料理「ますずし」駅弁フェアでおなじみ、食べ比べも楽しみ
富山支局長 福士由佳子
富山の郷土料理「ますずし」は、薄紅色のマスが酢飯にのった押しずしだ。専門店がたくさんあり、食材はマスとご飯だけというほどのシンプルさながら、風味に少しずつ違いがあり、食べ比べるのも楽しい。
時代の変化に合わせつつ、伝統の味を守り続ける

「冬の御膳」の内容は時期によって多少変わる。右下にあるのが押しずし3種
老舗の「 源(みなもと) 」は工場に「ますのすしミュージアム」を併設している。製造工程の見学や商品の購入ができるほか、手作り体験も有料で可能(要予約)。行楽シーズンには多くの人が訪れるが、雪深い今の時期は穴場と言えそうだ。
ミュージアム内の「お食事 処(どころ) さくら亭」で、「冬の御膳」(2200円)を注文した。散らしずし、あえもの、煮込みうどんなど山海の美味が並ぶが、主役は押しずし3種だろう。
「ますのすし」は、まろやかなマスが酢飯になじみ、口の中でとろけるようだ。源オリジナルの押しずし「ぶりのすし」は、脂ののったブリとパリッとしたかぶら(カブ)の相性の良さに驚く。カニの棒ずしはさっぱりしていておいしい。

佐々木浩晃さん
富山のますずしはアユのすしを江戸幕府8代将軍・徳川吉宗に献上したところ称賛されて名物になったと伝わるほど古い。その後、マスを使うようになり、県外の人にも知られ始めたのは1912年、源が駅弁として発売してから。各地の百貨店で開かれる駅弁フェアなどでも話題になった。
取締役生産本部長の佐々木浩晃さん(40)によると、時代に伴う人々の味覚の変化に合わせて酸っぱさや軟らかさなどを調整しつつ、変わらぬ味を守り続けているそうだ。

源の駅弁「ますのすし」。パッケージの絵は画家・中川一政氏の手によるもの
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「購入した日と、2日目とでは味わいが違いますよ」と佐々木さん。思わず帰路の富山駅で「ますのすし」(2000円)を2個買い求め、食べ比べてみた。初日のフレッシュさ、2日目のマスと酢飯の調和――。またひとつ、ますずしの奥深さを知った気がする。
※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。
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国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。
ますのすしミュージアム お食事処 さくら亭
富山市南央町37の6
午前11時~午後2時。水曜休館(1~2月)
詳しくは ウェブサイト で。