【解説】iPS細胞製品世界初の実用化へ 「早期承認」を了承…今後7年かけ有効性・安全性を確認
厚生労働省の専門部会は19日、iPS細胞から作った再生医療製品の製造販売を条件付きで了承しました。今後、厚労大臣が正式に承認し、世界初のiPS細胞の製品になる見通しです。
19日、条件付きで了承されたのは、大阪大学発のベンチャー企業「クオリプス」が開発した心筋シートの「リハート」と、製薬会社「住友ファーマ」の「アムシェプリ」です。
いずれも今後7年の間、さらに有効性を検証することなどを条件に、製造販売が了承されました。
■心不全の患者が対象 心筋シート「リハート」

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心不全の患者が対象の心筋シート「リハート」は、心臓に貼り付けて弱った心機能の回復を目指すもので、これまで手術を受けた患者8人全員が、疲労や動悸(どうき)などの症状について改善がみられたということです。
■パーキンソン病患者が対象 「アムシェプリ」

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また、「アムシェプリ」は、パーキンソン病患者が対象で、iPS細胞で作られた細胞を脳内に移植することで、手足の震えなどの症状の改善が期待でき、これまで治験を受けた6人のうち4人で運動機能の改善がみられたということです。
今後、厚労大臣が正式に承認すれば、世界で初となるiPS細胞を使った製品になる見通しです。
■京大・山中伸弥教授「引き続き一歩ずつ着実に」

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今回の了承を受け、京都大学の山中伸弥教授は、「マウスiPS細胞を発表してから20年という節目に、社会実装へ向けた大きな一歩を踏み出せたことを大変嬉しく思います。しかし、医療として確立するにはここからさらに多くの症例で安全性と有効性を確かめるプロセスが不可欠です。浮足立つことなく、科学的な慎重さを持って、引き続き一歩ずつ着実に進んでいくことが重要だと考えています」とコメントしています。
■「研究」段階から「治療」の段階へ“大きな一歩”

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ここからは、日本テレビ報道局特別解説委員・小栗泉さんの解説です。
──iPS細胞を使った医療製品が『早期承認を了承された』ということですが、これはどのくらい画期的なことなのでしょうか。
小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員
「山中伸弥教授が2006年にiPS細胞を発表してから20年になりますが、これまでの『研究』段階から、世界で初めて『治療』の段階へと大きな一歩を踏み出したといえます」
「今回、了承されたのは心不全の患者の心臓に貼り付ける心筋シートの『リハート』とパーキンソン病の患者の治療に使われる『アムシェプリ』です」
■“仮免許” 今後7年かけ有効性・安全性を確認

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──現時点では誰でもこの治療を受けられるようになったわけではないのですね?
小栗解説委員
「そうですね、今回は実用化に向けた『条件・期限付き』の了承でいわば『仮免許』のようなものです。これまでの薬で十分な効果が得られない患者さんたちが対象となり、直ちに誰でも受けられる治療になったわけではありません」
「これから、今回の条件である7年という期限をつけて、さらに、有効性と安全性を確かめていった先に、たくさんの患者さんが受けられる治療を目指す長い道のりが待っています」
(2月19日放送『news zero』より)