さいたま市「讃岐うどん 三代目たれ半 浦和本店」75年の歴史を黄金比のだしで進化

油揚げが大きく汁が絶品の「ジャンボきつねうどん」=さいたま市緑区(昌林龍一撮影)

店構えは近代的だが、ルーツは、香川県高松市で昭和26年に創業したうどん製麺所「たれ半」。大学時代の友人のアドバイスで、さいたま市の地で令和4年にこの店を開店した店主の半山洋輔さん(60)。75年の歴史を継承する喉越しの良い讃岐うどんは健在。さらに、つゆに「黄金比のだし」を採用し、伝統の味を進化させ、関東の地で花開かせている。

「讃岐うどん 三代目たれ半 浦和本店」の店主、半山洋輔さん=さいたま市緑区(昌林龍一撮影)

◆最後の一滴まで

さいたま市の国道463号沿い。店頭の看板に「本場 香川の味」とある。店に入り「ジャンボきつねうどん」(580円)を注文した。麺はやや細めで、つるっと入っていく。「90代の常連さんが2人います」(半山さん)と年配者にも人気だという。

つゆは最後の一滴まで飲み干せるほどうまい。秘訣は、カツオ節のほかサバ節や昆布など全6種類の素材を使う天然だし。大阪の有名な老舗だし専門店と相談を重ね完成させた。

「讃岐うどん 三代目たれ半 浦和本店」の外観=さいたま市緑区(昌林龍一撮影)

「一番おいしくなる『黄金比』の割合で素材を合わせた特注だしのパックを作ってもらっている」。

原価は一般的な店の3倍に及ぶというが、「これでないと出せない味がある」とこだわる。

きつねの油揚げは、オリジナルで味付け。甘みがあり、上品なうどんの汁とマッチしている。

たくさん食べたい向きには、とり天や天ぷらが、うどんに付いたセットメニューがある。カレーライスは辛味のキレがあり、うどんの汁を飲みながら一緒に楽しめる。

カウンター席が壁側を向いていた。「他の客を気にせずに食べられるように」(半山さん)と、女性一人でも気兼ねなく入れるようにとの気遣いだ。

◆親しみを込め命名

初代「たれ半」は国鉄職員だった父方の祖父、正義さんと祖母、トキエさんが始めた製麺所。

「屋号の由来は、祖父の家系が目が垂れているので、地元の人は親しみを込め『垂れ目の半山』、略して『たれ半』と呼ばれ、そのまま店名になった」。

その後、二代目、母、由里江さんの代で、店内で食べられるスタイルに形を変えた。

半山さんは大学進学のために上京し、一度は別の道を歩んだが飲食の世界へ。高松の店と弟と一緒に切り盛りした東京の店は閉じて、現在あるのは、さいたま市の店舗のみとなり「本店」の名を付けた。

「祖父や祖母が守ってきた味の根底にあるものは私の体に流れている」と半山さん。埼玉の地で香川の味を感じた。(昌林龍一)

■「讃岐うどん 三代目たれ半 浦和本店」

住 所:さいたま市緑区原山3の15の33

連絡先:048・764・8276

■観 光

「讃岐うどん 三代目たれ半 浦和本店」の西に、「さいたま市青少年宇宙科学館」(同市浦和区駒場2の3の45)がある。宇宙飛行士の若田光一さんが名誉館長を務める。1階の「ふしぎ広場」では、運動エネルギーの法則を使ってボールの動きを楽しめる「ボールコースター」などの展示がある。ハイブリッド・プラネタリウム(直径23メートル)は約1000万個の星を投影可能。入館無料。プラネタリウムは大人520円。【問】同館(048・881・1515)。