イラン攻撃 “米国は国際法違反” 表立った批判なく… 揺らぐ安全保障 メラニア夫人が国連・安保理の議長に
今回のアメリカやイスラエルによるイランへの攻撃は、「国際法違反」という見方が大勢です。ただ、国連安保理の常任理事国であるイギリスやフランスはアメリカに対しては表立った批判を行っていません。日本テレビ報道局・小栗泉特別解説委員が解説します。
■メラニア夫人、安保理会合「議長」に…なぜ?

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──アメリカによるイランへの攻撃が続く中、国連の安全保障理事会、安保理の議場に入ってきたのはトランプ大統領の妻・メラニア夫人。2日、ファーストレディーとして初めて安保理会合の「議長」を務めたということです。
トランプ大統領の妻 メラニア夫人
「平和への道は、私たちが教育と技術を通じて、子どもたちに力を与える責任を果たすかどうかにかかっている」
──議長というのは、議長国が簡単に決めることができるのですか?
議長を決める権限は議長国にあって、今月の議長国はアメリカなんです。
──では、なぜこのタイミングでメラニア夫人が議長を務めたのでしょうか?
アメリカ政治に詳しい明海大学・小谷哲男教授に聞いたところ、この安保理の会合は「紛争下の子どもの教育」などをテーマとするもので、子どもに関する福祉活動に力を入れているメラニア夫人を、アメリカが議長に決めました。議長を務めることはイランへの攻撃前から決まっていて、違和感はないということでした。
ただ、このタイミングでアメリカが紛争下の子どもの教育などに関する会合を主宰したものですから、イランの国連大使は「学校を爆撃して子どもたちを殺害したことは極めて恥ずべき行為で、偽善者だ」と非難しています。
■「国際法違反」との見方が大勢も…米国に表立った批判なく

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──世界の平和と紛争の防止を目指すのが国連の役割ですが、いま起きている戦いを止める力を発揮するには至っていないですね。
そうですね。グテーレス事務総長は「緊張緩和と即時停戦」を求めていますし、今回のアメリカやイスラエルによるイランへの攻撃は「国際法違反」という見方が大勢です。
国連憲章の第2条4項は「武力行使の禁止」、つまり他国に対する武力の行使を明確に禁じています。
例外として認められるのは自国への攻撃が差し迫っている場合の「自衛権の行使」か「国連安保理の決議」がある場合です。今回のアメリカなどの攻撃は、このどちらにも当てはまらないとみられています。
ただ、今回の攻撃に関しては、国連安保理の常任理事国であるイギリスやフランスはアメリカに対しては表立った批判を行っていません。
日本の高市首相も3日、「現段階で法的な評価ができるというものではない」と、国際法違反かどうかについて明確な評価を避けています。
小谷教授は「トランプ大統領は『力こそが正義』ということで、国際法には縛られていない。ヨーロッパ諸国も、批判したところでアメリカの行動が変わるわけではないと、現実的な選択をしている」と指摘しています。
■専門家「米国の信頼性や正当性下がっていく」

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──わずかなあきらめも含んでいるようで、これからどうなってしまうのか心配です。
国際安全保障が専門の慶応義塾大学・鶴岡路人教授は、ロシアやアメリカのような「常任理事国が、国際法なんてどうでもいい、国連なんてどうでもいいと思ったら、国連は機能しなくなってしまう」と指摘しています。その上で、次のように話します。
「大国が好きな時に武力行使をして気に入らない国の政府を倒すし、欲しい領土は持っていく、というような世界がやってくれば、本気でまずい」
「これまでは、国際法というルールに基づく国際秩序を、アメリカとともに推進する、ということだったが、この構図は完全に崩壊した」
「こんなことをやっているアメリカの国際的な信頼性や正当性がどんどん下がっていく中、本当にアメリカと心中するのか、どこかの時点で別の道を選択するのか、日本も含めたアメリカの同盟国は考えなければならなくなった」
(3月3日放送『news zero』より)