森友側代理人に財務省が「模範解答」を用意、自薦調整の形跡か 文書開示第6弾でも核心部はゼロ回答
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、財務省は3日、改ざんを苦に自殺した元近畿財務局職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さんに6度目となる関連文書の開示を行った。
◆マスコミに「かもられ」ないよう籠池夫妻を現場から遠ざけ
今回開示されたのは、近畿財務局の担当者が保存していた赤木さん以外のメールや土地取引の記録、本省理財局とのやりとりなど約2万8000ページ。
遺族側は、文書改ざんの方向性を決定付けたとされる佐川宣寿理財局長(当時)が送受信したメールの開示を求めているが、財務省は今回も「該当なし」とした。

職員と、当該職員の関連メールを一覧化した表では、佐川元理財局長のメールは今回も「該当なし」とされた
ただ、開示文書からは、異例の値引きで国有地が売却されたことが2017年2月に発覚した後、本省理財局が森友側と事前に対応を調整しようとしていた形跡も浮かんだ。
同年2月、取引を問題視した国会議員による国有地の視察前日に理財局が近財へメールし、想定される質問への回答を森友側の代理人とみられる人物と擦り合わせるよう求めていた。
その際、土地に埋まっていたがれきの撤去費用について、「工事費などに紛れていてはっきりしないが、相当かかった気がする」などと代理人が答えるための「模範解答」を用意していた。

また話を聞きたがっているマスコミから「かもられるのを避ける」としたのに続けて、森友の籠池泰典理事長(当時)夫妻には「『出張』で物理的に違うところにいてもらう方向」など、現場から遠ざけようとしていた。
財務省は昨年4月から今回までに計約11万7000ページを開示。次回は月内をめどに約3万ページを開示し、主要文書の開示はすべて渡し終える見込み。
ただ、財務省が「主要文書以外」と位置付ける資料も31万ページ残っており、「ご遺族の意向を踏まえて対応を検討したい」としている。(森友問題取材班)
森友学園問題 小学校の新設計画のあった学校法人「森友学園」に対し、国が大阪府の国有地を8億円余り値引きして売却していたことが2017年に発覚。故安倍晋三首相の妻昭恵氏が、小学校の名誉校長に就任していたことから、国会での批判をかわすため財務省は元理財局長の主導で、昭恵氏や政治家の名前を削除するなど関連文書を改ざん。組織ぐるみの対応を苦に同省近畿財務局職員の赤木俊夫さんは自殺、妻雅子さんは関連文書の開示を求めて提訴。国の敗訴確定を受け、2025年4月から開示が始まった。
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◆まもなく8年、開示は次回が最後…赤木雅子さん「諦めない」
元近畿財務局職員の赤木俊夫さん=当時(54)=が命を絶ってから7日で8年。妻の雅子さんは3日、東京都内で報道陣の取材に「(これまでの開示では)改ざんにつながるものがなく、知りたかったことが何も知れない」と率直な気持ちを吐露した。

6回目開示を受け、「こつこつ諦めずに続けていきたい」と話す雅子さん(左)=3日、都内で
昨年4月から始まった関連文書の開示は、次回で終わり、その累計は約15万ページに上る見通しだ。
ただ、改ざんに関与したとされる佐川宣寿理財局長(当時)の送受信メールはシステムの自動削除などで残っていないとされ、財務省は今回も「該当なし」とゼロ回答。遺族側の弁護団は、意思決定の過程を文書で残す「民主主義の根幹」が全く確認できないとして問題視し、「もどかしさを感じる」と指摘する。
雅子さんは「夫が誰から指示を受け、その人が誰から指示を受けたかを少しでも知れたら」と願う。その上で、俊夫さんや、結果を見届けず亡くなった弁護団のメンバーに思いをはせ、「良い報告ができるように、私が諦めずコツコツやっていきたい。第三者による再調査を望んでいる」と述べた。(高田みのり)
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