渡航後に連絡が途絶えた福岡の大学生 特殊詐欺の拠点「カンボジア」で息子に何が【ケンミン特捜班】

皆さんの身近な驚きや疑問、不満や怒りをFBSが取材する「ケンミン特捜班」です。今回のテーマは「詐欺被害とカンボジア」です。ケンミン特捜班は、ニセ電話詐欺の被害に遭った女性を取材しました。

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被害金はカンボジアでやり取りされていたといいます。

この国をめぐっては渡航後、安否不明になった福岡県の男性もいます。特殊詐欺の拠点が点在するカンボジアを取り巻く現状を取材しました。

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■佐藤さん(仮名)

「すごく悔しいし腹も立ちますが、自分が浅はかだったと反省しました。」

福岡県に住む、40代の佐藤さん(仮名)です。

去年4月、スマートフォンにかかってきた電話で“ニセ警察官”から「詐欺グループへの関与を疑われている」と言われ、ビデオ通話で取り調べを受けることになったといいます。

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■佐藤さん

「よくテレビで見る警察官っぽい服装。山口県警特別捜査室みたいなことが漢字で書いてあって、本物だと思ってしまいました。」

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佐藤さんに示されたのは、身に覚えのない逮捕状です。

■佐藤さん

「逮捕状がバーンと出されました。」

生年月日などの個人情報が正確に書かれていたため、本物だと信じてしまったといいます。

その後、佐藤さんは“ニセ警察官”に言われるがまま、資産として持っていたおよそ50万円分の暗号資産を送金しました。すると、すぐにビデオ通話が切られ、音信不通となりました。

佐藤さんは、本物の警察に被害届を出しました。

■奥村誠悟記者

「暗号資産の追跡は、してもらいましたか。」

■佐藤さん

「取引をしていた場所がカンボジアだったそうです。」

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東南アジアのインドシナ半島の南部に位置する「カンボジア」。国際的な詐欺組織の拠点が点在しています。

現地当局は、ことし4月までの撲滅を目指し摘発を急いでいて、2月20日には首都プノンペンで特殊詐欺への関与が疑われる日本人15人が拘束されました。

いわゆる“かけ子”として働かされている日本人も多数いるとみられています。

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■恵さん(仮名)

「何か犯罪に巻き込まれているのではと心配になりました。」

ケンミン特捜班の取材に応じてくれたのは、福岡県在住の50代の恵さん(仮名)です。

2か月ほど前、カンボジアに入国したのを最後に連絡が途絶えた、20代の大学生の息子の帰りを待ち続けています。

一緒に住んでいた息子はその日の朝、急に「友人から誘われて海外に行く」と言い出し、出かけていきました。

■恵さん

「行き先は近くのアジアの国で、荷物も日帰り旅行のような軽装でした。」

息子と位置情報を共有していた恵さん。初日に事前に聞いていた国に到着し、2泊3日で帰ると聞きました。

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『きょう帰ってくるんだよね? いまどこ?』

『カンボジアにいる。きょう中には帰るよ』

『え!なんで!?危なくない?何かあったら大使館に行って』

『普通の旅行だよ』

『いつ帰ってくるの?』

このやり取りを最後に、メッセージに既読がつかなくなりました。位置情報も、カンボジア国内を数か所移動したのちに途絶えました。

恵さんはすぐに、警察や現地の大使館などに相談しました。そこで、一緒に渡航した友人も安否不明になっていることが明らかになりました。

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旅行のきっかけは、友人がSNS上で共通の趣味を通じて知り合った人物から話を持ちかけられたことだったとみられます。

『旅費は会社の経費で支払う』

『現地で通訳の迎えがある』

友人が恵さんの息子をどのように誘ったかは分かりませんが、息子は温厚かつ保守的な性格で、家族と離れて海外旅行に行くのは初めてでした。

警察からは「特殊詐欺などの犯罪に巻き込まれている可能性が高い」と言われています。

恵さんは、我が子が犯罪に加担している可能性を理解しつつ、その身を案じています。

■恵さん

「その状況下にあったら従うしかないと思うのですが、好き好んで“かけ子”をすることは絶対にないので、ストレスを感じていると思います。無事に帰ってこられたら、おかえりと言って、ゆっくり休めるような環境を整えてあげたいと思います。」

福岡県警では現在、カンボジアなど東南アジアに渡航したあと安否不明となっている男性を、恵さんの息子を含め複数人把握しているといいます。

“闇バイト”を入り口に、特殊詐欺の拠点で働かされている可能性もあるとみています。

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福岡県警の担当者は「“闇バイト”の勧誘の手口が巧妙化している」と警鐘を鳴らします。

■福岡県警 生活安全総務課・波多江啓史 統括管理官(当時)

「“闇バイト”と分からないように高報酬だけをうたう、渡航費用がタダになるなどの誘い文句で、具体的な仕事内容に言及しない手口は確認されています。大学生の多くが春休みに入っていると思います。“闇バイト”が横行していることに思いを巡らせてほしい。」

私たちの身近に迫る、国際的な犯罪組織の魔の手。被害に遭わないよう気をつけるだけでなく、加害側として巻き込まれないための注意も必要となっています。

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福岡県内で発生した去年1年間のニセ電話詐欺とSNS型・投資ロマンス詐欺の被害額はおよそ135億円で、過去最悪を大幅に更新しました。

この被害の裏には国際的な詐欺組織が関与しているとみられ、拠点の摘発で日本人が逮捕されるケースも相次いでいます。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年2月26日午後5時すぎ放送